レイジーマニアと一日を
惨めな陽気のスリープグリード
 
  瞼はまだは現実との境界線でごろごろと揺れているようだった。
夢の一端を握っていた身体の感覚を呼び覚ますが、明るく鈍感な光に網膜が慣れない。
もう少し眠っていよう、彼女はそう考えたのかまた眠りについてしまった。
散らかっている部屋には、汚れたベットに、埃かぶったテレビ、締め切ったカーテン、彼女のものは薄汚れていた。でも、それが自分にはぴったりなのだと彼女は認めていた。
壁には2、3枚、絵がビニールテープで乱雑に貼られている。空想の生き物たちの絵。
怠惰な怠惰な生活、満足だ。
ずっと眠っていよう。
そして、君に会わずとも幸せな私の夢で
また会える。その時私は笑っているとも。
ああ、私は笑っている。
幸せだ、とても。
彼は私の夢に現れては私を抱きしめてくれる。
ハ、そんなことされたことないぞ。
まるで、初めてそうされたかのように
私は抱きしめ返すのだ。
すると、見つめ返す君が戸惑うような仕草をした。
...奇をてらうような夢は早々に醒めるべきだろうか。私の心を見透かした脳の機能たちは、甘やかな時間を奪い去ってしまう。
それがリアルだと語りかけてくる。
おはよう私。
いい夢は見れただろう?
この世界の半分が眠りでできているなら、
その全てが夢であるか、それは嘘だ。
それが嘘だとわかっていられる人はきっとしっかり者で、自分の存在価値を今も探している。
昼の光をぼんやり肌に浴びていた。
起きていても大抵何もしない、スマホを少し触って借りてきた映画を見て、冷蔵庫にあるご飯を料理すればそれを食べて、今日はおしまい。
  結局、今日は動画サイトを見て過ごした。
買い置きのコンビニ弁当を貪るように食べて、
何日か忘れていた風呂に入っていた。
お風呂の匂い...というか、ボディーソープが蒸発して、暑い湿気に溶けた匂いと湯気の匂い。
その匂いに私は想いを馳せる。
ポタポタと規則的に滴る水滴。
湯の中に溶けるように広がる髪の模様。
とぷん、とその中に顔を沈めると暑い湯の中で、感覚すら忘れてしまいそうだ。
このままでいたいのに、息ができない。
人間に戻りたくなくなる。
これを幾度となく繰り返す。
湯の暑さに嫌気がさすまで。
そして歯を磨いてから一番嫌な髪を乾かすという作業をする。
ぶおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!
(私は大きい音が苦手だ。)
   ステテコを脱ぎ捨てて、ベットに潜り込み眠りを待つ。
億劫な人生にピリオドがいつでも打てるように、永遠の享受的な夢を見られる時間は、そろそろ私には無いのではないか、そう考えている。
それでも私は絶望を信じることはない。
今の私が自分を惨めだと認めることがない限り、その時の私は惨めではないのだ。
その淵に立たされた時に、私は少なからず恥を感じた。しかし、それは惨めさではない。
苦しさはきっと私の知らない場所にある。
それを私は知っていた。
不毛さを笑っていれば、それに笑われている自分に気づけないまま生きていた。
「そのままでいればよかったのに。」
深淵を見つめている。
それはとても温かな陽気のようだ。
琥珀色の光の中に私の鼓動が融けて、
ほどけるように霧散した。
  瞼はまだは現実との境界線でごろごろと揺れているようだった。
夢の一端を握っていた身体の感覚を呼び覚ますが、明るく鈍感な光に網膜が慣れない。
もう少し眠っていよう、彼女はそう考えたのかまた眠りについてしまった。
散らかっている部屋には、汚れたベットに、埃かぶったテレビ、締め切ったカーテン、彼女のものは薄汚れていた。でも、それが自分にはぴったりなのだと彼女は認めていた。
壁には2、3枚、絵がビニールテープで乱雑に貼られている。空想の生き物たちの絵。
怠惰な怠惰な生活、満足だ。
ずっと眠っていよう。
そして、君に会わずとも幸せな私の夢で
また会える。その時私は笑っているとも。
ああ、私は笑っている。
幸せだ、とても。
彼は私の夢に現れては私を抱きしめてくれる。
ハ、そんなことされたことないぞ。
まるで、初めてそうされたかのように
私は抱きしめ返すのだ。
すると、見つめ返す君が戸惑うような仕草をした。
...奇をてらうような夢は早々に醒めるべきだろうか。私の心を見透かした脳の機能たちは、甘やかな時間を奪い去ってしまう。
それがリアルだと語りかけてくる。
おはよう私。
いい夢は見れただろう?
この世界の半分が眠りでできているなら、
その全てが夢であるか、それは嘘だ。
それが嘘だとわかっていられる人はきっとしっかり者で、自分の存在価値を今も探している。
昼の光をぼんやり肌に浴びていた。
起きていても大抵何もしない、スマホを少し触って借りてきた映画を見て、冷蔵庫にあるご飯を料理すればそれを食べて、今日はおしまい。
  結局、今日は動画サイトを見て過ごした。
買い置きのコンビニ弁当を貪るように食べて、
何日か忘れていた風呂に入っていた。
お風呂の匂い...というか、ボディーソープが蒸発して、暑い湿気に溶けた匂いと湯気の匂い。
その匂いに私は想いを馳せる。
ポタポタと規則的に滴る水滴。
湯の中に溶けるように広がる髪の模様。
とぷん、とその中に顔を沈めると暑い湯の中で、感覚すら忘れてしまいそうだ。
このままでいたいのに、息ができない。
人間に戻りたくなくなる。
これを幾度となく繰り返す。
湯の暑さに嫌気がさすまで。
そして歯を磨いてから一番嫌な髪を乾かすという作業をする。
ぶおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!
(私は大きい音が苦手だ。)
   ステテコを脱ぎ捨てて、ベットに潜り込み眠りを待つ。
億劫な人生にピリオドがいつでも打てるように、永遠の享受的な夢を見られる時間は、そろそろ私には無いのではないか、そう考えている。
それでも私は絶望を信じることはない。
今の私が自分を惨めだと認めることがない限り、その時の私は惨めではないのだ。
その淵に立たされた時に、私は少なからず恥を感じた。しかし、それは惨めさではない。
苦しさはきっと私の知らない場所にある。
それを私は知っていた。
不毛さを笑っていれば、それに笑われている自分に気づけないまま生きていた。
「そのままでいればよかったのに。」
深淵を見つめている。
それはとても温かな陽気のようだ。
琥珀色の光の中に私の鼓動が融けて、
ほどけるように霧散した。
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