腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

61話 未来

ピルーク王国

「団長!以上で1年前の後片付けは全て完了致しました!」
「そうか。ありがとう。疲れただろう。僕の名前で宴会の席を借りておいた。みんな…ここまで本当にありがとう。ゆっくり休んでくれ。」
「は、はい!」
「僕もこの仕事が終わったら由希と一緒に行くよ。」
「お待ちしてます!」



「…あれから1年…かぁ…。」
由希は零れるように呟いた。
「そうだな…。」
「…ふふふ…早すぎて実感湧かないな…。」
そう言って由希は左手の薬指に輝く指輪を見る。
「…陸と…結婚できたのだってつい昨日のことみたいに感じるもの…。」
「あれから…忙しかったからな…。」
「…そうだね…。後片付けが大変だったよね…。」
「ま、それも今片付いた。」
「…うん。」
「あとは…ゆっくり出来る…。」
陸はソファで横になる。
「…陸…何日も寝ずに仕事してたもんね…。」
「それは当たり前だろ…。国民に安心して暮らせるようにするのが騎士団の仕事だ。街が復興していないのに団長おちおち寝ていられるか…。」
「…ふふ…やっぱり陸は団長だね…。」
「どういう意味だ?」
「…なんでもなーい。ほら…。」
由希は陸の頭を膝にのせる。
「由希…。」
「…陸は…頑張りすぎだよ。少し休まなきゃ…。」
「そう…だな…。ありがとう…。」
陸はそのまま眠りについた。
「…ふふ…お疲れ様…陸。あ、違うか…。ふふふ…





…パパ。」
そう言って由希は自分のお腹を撫でた。






「一年ぶりだね…。」
「ああ…。そうだな。」
「聞いたよ。お父さんになったんだって〜?」
「ま、まあ。」
「ふふ…おめでとう。優くん。ミーシェちゃんにも言っといてよ。」
「…」
「どうしたの?」
「いや…お前がちゃんとお祝いの言葉を言うなんて…なんかあるんじゃないかと思って…怖…。」
「し、失礼な!僕だってお祝いくらいはちゃんと言うよ?!」
「ははは…冗談だ。ありがとう。ミーシェにも言っておくよ。そっちはどうだ?」
「楽しくやってるよ。どれもこれも君とサラのおかげだよ。」
「そうか…。」
別れてから1年。
優はエトに会いに来ていた。
「それで?お相手のハーディスは?」
「さあ?家にいるんじゃない?」
「は?」
「実は僕黙って来ちゃったんだよね〜。」
「…それまずいんじゃね?」
「まあなんとかなるっしょ。それよりもわざわざ会いに来たってことは何か用事があるんじゃないの?まさか世間話しに来ただけじゃないでしょ?」
「ああ…まあな。ここからは本題だ。ミーシェの出産も終わったから…そろそろあっちの世界に戻ってみたい。」
「優くん…。」
「お前ならできるだろ?」
「…出来ないよ?」
「…は?」
「僕はもう万物神じゃないからねぇ〜。君を元の世界に戻す権利も力もない。」
「そ、そりゃねえだろ?!どうすりゃいいんだよ?」
「簡単じゃないか。万物神様に頼めばいいんだよ。」
「それって…。」
「僕よりも断然強い万物神様がいるじゃないか。」






「…それで?私のところに来たわけ?」
サラはゆっくりと話す。
「ああ。」
「お姉ちゃん…お願い。私…見てみたいの。ユウの世界。ユウがどこで育ったか…ちゃんと自分の目で見たい。」
「ミーシェ…。フランはどうするつもり?」
「ベルちゃんが見ててくれるよ。」
「何日あっちにいるつもりなの?」
「それは…」
「条件があるわ。」
「条件?」
「あっちにいていいのは一週間だけよ。」
「一週間…。」
「一週間たったら私が強制的にこの世界に連れ戻す。」
「分かった。一週間で蹴りをつけてくる。俺の…復讐に。」
「ユウ…。」
「…分かったわ。そうと決まったら早く準備してらっしゃい。」
「…お姉ちゃん…ありがとう。」
「いいのよ。それよりも早く帰ってきてよね。フランのこともあるんだから。」
「うん!」





昨日出すとか言って出さないスタイル(まじごめんなさい。)

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55話のコメント欄によろしくですぅ〜!

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コメント

  • かつあん

    もし力を持ったまま帰れるならユウが1週間も日本にいたらその辺の地域、いや。日本が破滅しそう(小並感)

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  • HARO

    殺せ、殺せ~

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  • KIA

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