腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

36話 VS武神①

優と陸が世界樹に潜って1時間。

「くそ…あのクソガキィ!面倒なことしやがって!」
「落ち着け…藤山…。」
優と陸は世界樹の中に広がる迷宮に苦戦していた。
「さっきからマッピングをしているが…迷宮自体が動いているのか…まるで意味が無いな…。」
「こうなったら…」
優はグレネードランチャーを取り出す。
「おい…まさか…」
「壁を吹っ飛ばす。簡単だろ?」
「よせ…どんなトラップがあるか分からないだろ?」
「わーってるよ…。冗談だよ…。にしてもどうなってんだ?魔物の1匹もいやしねえじゃねえか…。」
「そうだな…。不気味だ…。」
優たちが潜ってから1度も魔物と出くわしていない。
「とりあえず慎重に進もう。」
「ああ…。」



「随分開けたところに出たな…。」
「ここで少し休憩にしよう。」
優と陸はトラップがないことを確認し腰を下ろす。
「ふぅ…」
「敵の本拠地で随分と呑気だな…ガキ共。」
「「!」」
2人は胸ぐらを捕まれ投げられる。
「っと!」
「っ…!」
2人は体勢を立て直し立つ。
「っ…お前は…」
「よう。ガキ共。俺は武神アレス。歓迎するぜ。藤山優、小宮陸。」
「武神…」
「エトの手駒か…。」
「おっと…エト様の手駒とかいって舐めてると痛い目見るぜ?俺は武神だ。武道を極めた…神だ。」
「「!」」
縮地で移動しいつの間にか優と陸の前に現れるアレス。
「よけろ!」
「っ…!」
アレスの剛腕が腕をかすり服が破れる。
「ちっ…」
「なんて拳だよ…。」
「おう、よく避けたな…。ならこれでも喰らえや…!」
バキッ!
「っ…!」
優は真っ向から拳を受け止める。
優は後ろに下がりながらも、拳の威力を受け流す。
「ってぇ!」
「ほう…。よく止めたなぁ?」
「止めれてねえよ!腱が切れたな…。」
優は回復魔法をかける。
「小宮!こいつは俺にやらせてくれ!」
「…出来るのか?」
「トーゼン。お前は先に行ってろ。直ぐに追いつく。」
「分かった。」
陸は次のフロアに走り出す。

「直ぐに追いつく…か。残念だがそれは無理だな…。お前はここでくたばるんだからな。」
「おもしれえ…。」
優はコートを脱ぎ、シャツ姿になる。
「いいのか?得意の剣やナイフは使わなくて。」
「久しぶりに拳を使うのも悪くないと思ってな。」
優は手を振り準備体操をする。
「しゃあ…来いよ…。」
「ふん…武神に拳で挑もうとは…命知らずなやつだ…!」
ドン…!
優とアレスの拳がぶつかる。
「ほう…中々の威力だ…。元はただの学生と聞いたが…喧嘩慣れしているな?」
「まあな…。元の世界では俺の住んでた街の裏番とまで呼ばれたことがあったりなかったりする。」
「ふっ…面白い!」
アレスが突き出した拳を紙一重でよけ、すぐさまカウンターを繰り出す。しかしそれを読んでいたアレスはもう片方の手で受け止める。
「おわっ…ぶねぇ!」
大木のようなアレスの剛腕をしゃがんで躱す。
そしてアレスに足払いをかけるが、避けられてしまう。
「っらぁ!」
優はさらに距離を詰め、拳を突き出す。
「ふっ!荒削りだが…中々の威力だ。」
「そらどーも!っと!」
「ふっ…だが…単調すぎる…!」
視界から消えたアレス。
「な…っ…がっ!」
優の頬をアレスの拳が捉えた。
「てぇなっ!」
すぐさま体勢を建て直した優の蹴りがアレスに迫る。
「甘いわ!」
アレスはその蹴りを受け止め、優の足を掴む。
「まだだよ…!」
「なっ?!」
優はそのままもう片方の足で飛びつき、三角絞めを御見舞する。
「ぬう…!やるな…!だが…!」
「ちっ!」
アレスはすぐさま優の拘束をとく。
「ペッ…そう上手くは決まんねえか…。」
口内が切れたのか、優は血を吐き出しながら毒づいた。
「ふはは…中々やるな…それならば…これならどうかな?」
アレスの姿が5人に分身する。
「!…おいおい…この流れは魔法は禁止だろ?」
「魔法など俺には使えない。」
「!…まさか…」
「これは魔法ではない。れっきとした体術だ。」
「化け物め…。」
「さあ…受けきれるかな…?」
「おもしれえ…!こいっ…!」


「っ…はぁ…はぁ…」
「ふ…よく捌くな…藤山優。」
優は何回か拳を受けながらも、殆どを捌いていた。
「だがこのままじゃジリ便だぞ?」
「っ…せえな…とっととかかってこいよ。」
「ふ…ならば…遠慮なく…!」
「!」
アレスは優の懐に潜り込む。
「反応が鈍っているな…。ふんっ…!」
そのまま優の胸に手を置き、発勁はっけいを繰り出す。
「がっ!はっ…!」
優は後ろによろけながら吐血する…。
「ゲホッ!ガハッ!…っ…くそ…はぁ…はぁ…」
「よく耐えたな…まだまだ行くぞ?ぬんっ!」
アレスはさらに正拳突きを繰り出す。
「!…受けるかよ!」
優は左手で受け流す。
「っ…らぁっ!」
そのまま回し蹴りをアレスの頭目がけて繰り出す。
「やりおる…!ふっ!」
アレスはユウの足を振り払い、崩拳ほうけんを繰り出す。
「おいおい!中国武術まで出来んのかよ?!」
「ふっ…!」
そのまま腕を引っ込め、馬形拳ばけいけんを繰り出す。
「っ…らぁっ!」
優はバク宙でそれをかわして、アレスにかかと落としを叩き込む。
「ふんぬっ!」
腕をクロスさせ、受け止めるアレス。
そのまま後ろに飛び上がる優。
「はっ!」
アレスは拳にオーラを纏わせる。
「?!、何それ?!」
「…波動弾。」
「ぐえっ!」
優の腹に着弾する。
「っ…らっとぉ!!」
優はそのまま激突することは無く、上に弾く。
「はぁ…いてぇいてぇ…。」
「ふ…やるなガキ。」
「ガキじゃねえ。ユウだ。」
「ふ…ユウか…。覚えておいてやる。」
「そりゃ…どーもっ!」
優は距離を詰め、拳を繰り出す。
「甘い!」
「まだまだぁ!」
優は下に沈み、足払いを繰り出す。
「見飽きたわ!!」
アレスは上に飛び、そのまま蹴りを繰り出す。
「そっちこそ…見飽きたわ!」
優はそれをかわして、すねに肘を入れた。
「っ…くぅっ!」
痛みでしゃがんだアレスの太ももを抑えるように足を置き、こめかみに膝を入れる。
「…シャイニングウィザード。」
「がっ!…っぁ…やるな…」
「おいおい…頭吹っ飛ばすつもりでやったんだけど?」
「ふ…俺はこの程度では屈しない。

さあ…第2ラウンドと行こうぜ!」



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コメント

  • ノベルバユーザー489221

    武神ふ多い笑

    0
  • ノベルバユーザー375143

    ストツー

    0
  • けん玉マスター

    かつあんさん
    コメントありがとうございます。
    かっこいいと思ってくれて良かったです…。
    戦闘描写ムズ過ぎた…。

    0
  • かつあん

    おお...!武神強い!そして、どっちもカッコイイ!

    1
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