腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

14話 格の違い

ピルーク王国の城門の前に構える兵士たち。
指揮するのは勇者、小宮陸である。
「敵の数は?」
陸が尋ねる。
「まだ特定出来ていません。」
「そうか。創造神、第二撃は本当に来るのか?」
「間違いないよ。大きな魔力が確実にこの城に近づいてる。」
「そうか…。皆しっかり構えろ。」
「はっ!」


「敵影見えました!」
兵士の一人が叫んだ。
「!」
そこに現れたのは一人の男性。
「1人だと?」
「…陸…どうする?」
由希が尋ねた。
「何を隠してるかわからない。慎重に対処する。」
「…分かったわ。」
男はその場着地する。
「なんだ?こんなに雁首揃えて待ってやがるのかよ。」
「君は血の教団の者と見ていいのか?」
陸が尋ねた。
「ぁあ?俺を誰だと思って嫌がる。俺は血の教団幹部ゲリス様だ!」
「幹部…。マリクやリリィと同じか…。」
「!…てめぇ、マリクとリリィを知っているのか?」
「知っているさ。僕はその場にいたからね。君が名乗ったからには僕も自己紹介しよう。僕はピルーク王国騎士団長小宮陸。」
「!…てめぇ…勇者か?勇者は全滅したんじゃねえのか?」
「そういうことになってるのか…。」
「へっ…だがお前なんかに用はねえ。」
パチンッ!
「!」
ゲリスは指を鳴らした。
すると上空から討伐ランクA+のガーゴイルの群れが現れた。
「…食い散らせ。」
「ガ、ガーゴイルだ…!」
「ひ、ひぃ…!」
怯える兵士達。

「怯むな!」

陸が声を上げる。
「これまで培ってきたことを思い出せ。君たちは僕の自慢の部下だ。君たちなら…勝てる…!」
「団長…」
「リクさん…」

「「うおぉぉー!!」」
兵士達は一斉にガーゴイルの群れと交戦を始めた。
「さて…ゲリスだったか。どうする?僕とやるか?」
「言ってるだろ?俺はお前になんて興味ねえ。俺は…魔神サラを超えるためにここに来た!プロミネンスブレイズ!」
「っ…ストームウォール…!」
陸は竜巻の壁で防ぐ。
「俺が…真の魔神だぁ!」
ゲリスの周りに何個もの魔法陣が展開された。
「ちっ…面倒だね…。」
「死ね…!」

パァーン!

「「!」」
しかしその魔法陣は全てかき消された。

「あら?その程度で魔神を名乗る気かしら?」
「魔神サラ…。」
「悪いわね小宮くん。退屈してた所なの。私がもらっても?」
「…分かった。由希、僕達の相手はガーゴイルだ。」
「…ええ。」
2人はガーゴイルの群れへと向かっていった。


「よお…会いたかったぜ…魔神サラ。」
「どうも。私に喧嘩売ったこと…後悔するわよ?」
「へっ!俺はこれまで魔法の特訓をしてきた。てめぇみてえな時代遅れの神に負けるかよ!合成魔法、サンダーストーム!」
雷を帯びた竜巻がさらに近づく。
「なかなかに洗練された魔法ね。」
「そんな余裕ぶっこいてられるのも今のうちだぜ?」
その竜巻は3つに分かれた。
「死ねぇ!」
「…相殺。」
パンッ!
魔法は全て消えてしまった。
「相殺か…想定の内だ。」
「あら?決定的じゃないの?私にあなたの魔法は通じないわ。」
「通じない?相殺ってのはその魔法よりも高い魔力で打ち消すスキルだ。だったら超えられないほど高い魔力供給てめぇを圧倒してやるぜぇ!」
「…」
「ブラックエンド!」
闇属性魔法最上級魔法である。
巨大な闇の塊がサラに迫る。
「どうだぁ!この強大な魔力は!」
「確かに…かなり大きいわね。」
「引導を渡してやるぜ!真の魔神はこの俺様だ…!」
「…はぁ…残念ね。」
サラは手を前に突き出すと青い宝石の着いた杖が現れた。
「何を…」
パァン…
魔法はサラの杖の中に吸い込まれてしまった。
「な、何しやがった…?!」
「これは神撃の杖。魔法から魔力を吸い取ることが出来るの。そうしてあなたの魔力は私の魔力になる。」
「そ、そんなアーティファクト…だが…その杖にも吸収限界があるはずだ…。」
「…」
「だったら吸収出来ないほど強大な魔力をぶち込めばいいだけの話だ…!くらえ…ニブルヘイム…!」
「馬鹿ね…仕方ないから現実を教えてあげる。

…相殺。」

「!」
巨大な氷は全て消えうせた。
「そんな…全魔力を叩き込んだはずだ…!」
「あなたの魔力なんてたかが知れているわ。私の魔力に底はない。魔神である私に魔法が通じると思って?」
「魔法が…通じない?そ、そんなの…ありえねぇ!プロミネンスブレイズ!」
「相殺。」
「ガイアメモリー!」
「相殺。…諦めなさい。いくらあなたが最上級魔法を撃ったところで私に魔法は通じないのよ。」
「そんな…」
「でもあなたはなかなかにいい魔法使いね。そんなあなたに敬意をもって…終わらせてあげる。」
「っあ…この…魔力は…!」
サラの周りに強大な魔力が渦巻く。
「これは私が創った最上級魔法のさらに上の魔法よ?

…ムスペルヘイム。」

サラが呟くとガーゴイルの群れを巻き込み獄炎があたりを包み込む。
「小宮くん、悪いけど兵士の避難をお願いしていいかしら?」
「分かった。」
「あなたもできるだけ遠くに…ね。」

「こんな…熱い…!」
「そうでしょう?魔法には上には上があるの。最上級魔法程度で胸を張っているのならそこまでよ。ってなんで私があなたにこんなこと教えなきゃ行けないのよ。まあもうあなたも終わりよ。」
「くそっ!メイルストローム!」
しかし作り出した激流は獄炎により蒸発する。
「くそ…くそぉぉお!!」
獄炎の炎はガーゴイル諸共焼き尽くした。

「はぁ…熱い熱い。ってローブ燃えてるじゃない。はぁ…自分の魔法で服焦がすなんて…



…私もまだまだね。」



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コメント

  • にせまんじゅう

    サラさんも俺の推し。

    0
  • 本大好き{デアラ}

    最後がなければ…………………

    1
  • たくあん

    ガイアメモリーw
    サイクロンジョーカーw

    2
  • ぼっち先生

    サラさん以外とドジっ娘?

    3
  • かつあん

    サラさん強スギィ!...でもまだまだなんてチートスギィ!

    2
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