腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

49話 小宮&松山side 呼ぶもの

ラショウと別れた陸は由希が生きてることに安心していた。
「由希…本当に…良かった…!」
由希が生きていると分かった。
これから陸のやることは決まった。
由希も強くなって帰ってくるはずだ。
「負けないぞ…由希…!」
そう言って陸は魔物の群れに飛び込んだ。
(由希…早く君に会いたい…。強く…なるんだ…君にも…藤山にも負けないくらい!)


壁に飛び散る魔物の血。
「ふう…だいぶやったな。」
気づくと陸は100匹を超える魔物を倒していた。
「今日はこの辺で休むか…。」
陸は腰を下ろす。
「由希…待っていろよ…!」
陸は目を閉じた。
陸は魔物の気配が近づくと気づくほどに気配察知能力が磨かれていた。そのためこのまま寝ても大丈夫である。

────…れ…の元…か?
(またか…。一体なんなんだ?)
────力…に…する。
(聞こえない。もっとはっきり喋ってくれ。)
────…ぬぞ?…く。
(なんだって?)
────目覚めよ。さも無いと死ぬぞ?小宮陸。
(!)

ここで陸は目を覚ます。
目の前に迫るのは大きな火球だった。
「っ!」
ドゴーン!
陸は間一髪でかわした。
「グアーン!!」
「ちっ…レジェンド級に鉢合わせるとは…。」
陸に火球を放ったのは竜の王、グランドドラゴンだった。


「ガア…。」
グランドドラゴンはその大きな目でこちらを見つめている。
「ふん…いいさ…。やってやる。レジェンド級ぐらい僕一人で勝てなきゃ君には勝てないからね…。藤山。」
陸は剣を構える。
「グアー!」
グランドドラゴンは炎のブレスを吐く。
「ストームフォース。」
陸は剣に竜巻を纏わせ、ブレスを受け流す。
そのまま高く飛び上がる。
「ハリケーン!」
天に掲げた剣の切っ先から巨大な竜巻が生まれる。
「…風神斬…!」
陸はそのまま剣を振り下ろした。
「グア…ガア…!」
(効いてる…。)
グランドドラゴンは巨大な尻尾を振り回す。
「ガアアアー!」
「ちっ…少し静かにしてろ…!ブラックホール!」
グランドドラゴンは地面に這い蹲る。
「ブラックジャック…!」
陸は剣に闇の塊を纏わせ、グランドドラゴンの首に斬りかかった。
「ガアル!」
「ちっ…しぶといぞ…。」
相手はレジェンド級の魔物である。
しかし陸はそれを圧倒するほど強くなっていたのだ。
「合成魔法…」
陸は闇属性魔法と、風属性魔法を両手に宿す。
「エビルストーム。」
闇の禍々しい引力と竜巻の相手を吹き飛ばそうとする力が合わさり、グランドドラゴンの体を引き裂いていく。
「グガァアァ!!」
「終わりだ…ブラックエンド。」
闇属性魔法最上級魔法だ。
「ガ…アァァァ!」
禍々しい闇の玉がグランドドラゴンを飲み込んだ。


「まさか…ここまで強くなれるとは…。」
陸は目の前で横たわるグランドドラゴンを見て呟いた。
「ふう…疲れた…少し横になるか…。」
陸は目を閉じた。

────…か?…者よ。
────おま…なんだ?
(なんなんだ?さっきから…。)
────お前は…たり。
(これじゃろくに寝ることも出来ないじゃないか…。)
────お前は我を求めているのだろう?
(なんの事だ?)
────私は…ここに眠る歴史なり。
(…ここに…眠る…。)
────見つけてみろ…。我はお前の強さと共に眠っている。
(!)

陸は飛び起きた。
はっきり聞こえた。
「…ここに…眠るもの…?」
夢なんかじゃない。誰かが呼んでいる。
「最果ての洞窟に…眠る歴史…?」
陸は魔神サラに言われたことを思い出した。
「…調べてみる必要がありそうだな…。」
陸は再び目を閉じた。

どんどん意識が研ぎ澄まされていく。
────…だ。
(聞こえてきた。)
────…の声が…か?
(ちっ…もう少しか…。)
陸はさらに集中力を高めた。
────私の声が…聞こえるか?
(…ああ、聞こえてる。)
────私を…見つけてくれ。
聞こえてきたのは女性の声だった。
(…君は誰なんだ?)
────私はここに眠る…歴史。
(歴史?)
────お願いだ…また…また1人になってしまった。私を見つけてくれ。
(ここに眠るものは…君のことでいいのか?)
────分からない。だが声が聞こえるなら…私を見つけて欲しい。
(…見つけ出してやるさ…。何より僕は君に興味がある。)
────ありがとう、勇者。
(!…何故それを…)
聞きかけたところで陸の意識が地上に戻った。

「地獄で意識操作を鍛えておいて良かった…。それにしても…」
何故僕のことを知っている?
声の主は一体何者なんだ?
陸の中で大きな疑問が渦巻いた。
「…まあ魔神の言っていたのはこれのことで間違いないのだろう。」
宛はない。
陸は自分の感覚に身を委ね、歩き出した。
「ここに眠る歴史…か。いいさ、解き明かしてみせる。」

由希はホーリーウルフと共に強くなることを決意した。
陸もまた歩き出す。
最果ての洞窟に眠る歴史を求めて。




書いてる途中に寝落ちしたので朝出しときますw
質問待ってます!まだ少ないのでお願いします!

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コメント

  • ノベルバユーザー359301

    まじでいらん

    1
  • ノベルバユーザー180988

    魔神くそ

    2
  • かつあん

    喋っているやつは喋る聖剣かな?そうだったらいいなー

    3
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