腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

45話 ユウ&ミーシェside 罠

スペーン共和国王室。
「指示通り軍を集めました。勇者ハラ様。」
「ありがとうございます。」
「本当に大丈夫なんでしょうか?確かに軍も揃いました。しかしそれだけで魔神の妹ミーシェや、藤山優に太刀打ちできるのでしょうか?」
「あいつは常軌を逸しています。放っておく訳には行きません。心配しなくても大丈夫ですよ、国王。それに…秘策もありますから。」
「秘策?」
「時が来たら話しますよ…。」



「わあ〜!綺麗な町だね!」
「そうだな…。」
アギリシ王国を出て2日。
ユウとミーシェはスペーン共和国に辿り着いていた。
洋風な町並みで、広場には大きな噴水があった。
「ねえねえ!ローストチキン食べに行こ?!」
「分かったから…引っ張るな…。」
「早くしないと売り切れちゃうよ!」
「名物なんだから大丈夫だろ…。」
「早く食べたいの!!」
「はいはい…そっちが本音か…」


「おじさん、ローストチキン2つください。」
「銅貨10枚ね…。」
「どうも…。」
商店街に来たユウとミーシェは屋台でローストチキンを買っていた。
「ユウ!はやくはやく!」
「分かったから…慌てるな。ほれ。」
「わあ〜…美味しそ〜う…。いただきます!」
ガブ…
「ん〜!…うんまぁ…!」
「良かったな。」
ミーシェは幸せそうに肉を頬張る。
「ん!熱い…。」
「そんな慌てて食わなくてもいいだろ…。」
「へへへ…美味しいんだもん。」
「ふ…良かったな。」


「ふう…美味かったな、ミーシェ。」
「うん…。」
2人はミーシェが少し疲れたということで宿屋に来ていた。
「ん?やっぱ元気ないな。大丈夫か?」
「うん…大丈夫。」
「水でももらってくるよ。」
「…ありがと…。」


「すいません、水を1杯貰えませんか?」
「水ですね…分かりました、藤山様。」
「…お前…何が目的だ?」
優は殺気を放ち宿屋の男に話しかけた。
「は?何を…」
「とぼけるな。俺はユウとしか名乗っていない。なのになんで俺の事が藤山だと分かった?」
「…ちっ…」
「目的はなんだ?」
「そんなの決まってるだろ?賞金首であるお前を殺すことだ。」
「…水になにか仕込んだな?」
「ふん…。」
「一応言っておくと俺には毒物耐性がある。毒は効かないぞ?」
「なんだと?!」
ユウは男の胸ぐらをつかみこちらに引きずり出す。
「がっ…!」
「さてと…先にしかけたのはお前だ…。俺は敵に容赦するつもりは無い。」
「ひいっ…!」
「…どうやらこの国は俺の敵だらけみたいだな…。」
数人の男がナイフや斧を出し近づいてくる。
「やれやれ…面倒だな…。」


「ふう…もう懲りたか?」
「ぐっ…」
「強すぎる…」
「くそ…」
優は1分経たずに全員蹴散らしていた。
「さて、誰の差し金か…聞かせてもらおうか。」
「っ…!」
宿屋の男に問いかけた。
「…」
「…まあ大方予想はつく。勇者…だろ?」
「!…何故それを…!」
「原か…。生き残ってたのは原と桝谷と榊だったからな。」
「ククク…呑気だな…。」
宿屋の男は不気味に笑った。
「…なんだと?」
「この国は敵だらけみたいだとか言ってただろ?だらけじゃない、国全員がお前の敵だ。」
「何が言いたい?」
「お前には毒が効かないみたいだが…女の方はどうだ?ローストチキン…食べたんだろ?」
「!…ミーシェ!」
優は急いで部屋に戻る。

「ミーシェ!」
部屋に戻るとミーシェは息を荒くしてベッドで横になっていた。
「はあ…はあ…ユ、ユウ…さっきから…息が…出来なくて…ゲホッ…」
ミーシェは吐血する。
「…ミーシェ…」
「ごめん…ね?また…迷惑かけちゃって…」
「…喋るな…解毒する…。」
優はミーシェの胸に手を置き魔法を唱えた。
「キュアヒール。」
「っ…はあ…はあ…。ユウ…。」
「大丈夫だ。寝てればすぐ治る。」
「うん…。」
「ちょっと行ってくる…。」
「うん…ご飯作って…待ってるから…無理は…しないで…?」
「…こっちのセリフだよ。」
「う…ん。」
ミーシェは寝息を立て始めた。
「…ディバインシールド。」
優は部屋に結界を張り、部屋を出た。


ユウは1階に降りた。
先程の男が笑いながらこちらを見てきた。
「よお…?女の具合はどうだ?…死んだか?」
「…」
「おいおい、黙りは卑怯…」
グシャ…!
ユウは倒れていた男の頭を踏み潰した。
そのまま元凶の元へと歩き始めた。


スペーン共和国王室。
「ハラ様!藤山優がこの城に近づいているそうです!」
「やはり来たか…藤山…!国王、配置につかせてください。迎え撃ちます!」
「わ、分かりました…!」


「来たぞ!守備配置に付け!」
「はい!」
甲冑を被った兵士たちがハルベルトを構えた。
「かかれぇ!!」
「うおおおおぉ!」
兵士たちは一斉に突進してきた。
「…」
優は無言のまま手を前に出す。
するとそこにルシファーから託された魔剣、レーヴァテインが姿を現す。
「…エビルフレイム。」
優が作り出した地獄の業火は甲冑すら溶かす高熱を放った。
「馬鹿な!甲冑が…!」
「ぐあぁぁ!熱い…!」
兵士たちは苦しみ悶える。
「俺のミーシェを汚したんだ…。お前一人の命で償えると思うなよ…原。戦争だ。この国諸共…ぶっ潰す。」




間に合わなかったYO!
…ごめんなさい…。

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