腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが
34話 小宮&松山side 地獄の意味
途方もなく続く階段。
小宮は陸は諦めることなく階段を登り続けていた。
「くっ…いつになったら上にたどり着くと言うんだ…。」
下を見下ろすが景色は変わらない。相変わらず鋭い針山があるだけだ。
このまま進んでも体力が奪われる一方である。
一体いつまで…いつまで走ればいいんだ…。
…
あれからどれだけ走っただろうか?
途方もない年月を陸はずっと走り続けた。
しかし一向に景色は変わらない。
「は…はは…地獄…か。文字通りだな…。これが地獄…。」
上にたどり着ける気がしない。
「…少しぐらいなら…休んでも…。!、ダメだ…僕は…僕は早く地上に戻らなければ…由希が待っているんだ…!」
陸は走りを止めなかった。
さらに月日が経った。
この頃から陸の体に異変が怒り始める。
奥歯が…!
奥歯が尖り始めてきていた。
鬼特有の牙である。
今は考えていても仕方ない。手段を考えるんだ…。
でも明らかにおかしい。咎人の塔は鬼の巣窟だと言っていた。しかし咎人の塔では鬼には一体しか出会っていない。しかもその鬼も直ぐにどこかに去ってしまった。
「…ここは本当に地獄なのか?」
そんな疑問が陸の中に出てきた。
もう1つ気がかりなことはある。
咎人の塔に入ってまも無い頃に聞いた笑い声である。
他にも人がいるならば出会っていないのはおかしい。
しかし人はおろか、鬼にすら出会っていないだ。
「僕は一体…何をやっているんだ…?」
陸はその場に立ち止まり下を見下ろす。景色は変わっていない。
陸は静かにその場に座り込んだ。
「どうなってる…!こんなのが…地獄?鬼はどうした!こんなんじゃ僕は…強くなれない…!」
陸は拳を地面に叩きつけた。
それから数年たった。
陸は既に進む気力を無くしていた。
「…由希…僕は一体どうしたらいいんだ?閻魔大王に騙されていたのか?地獄では確実に…強くなれるんじゃなかったのか…!はは…は…もう疲れたよ…由希…。」
もう数十年は経っただろう。陸の爪は黒く変色を始めていた。
まずは体から…ということか…。
「フフッ…」
笑い声が響いた。
あの時の笑い声だ。
「!、誰だ!姿を現せ!」
「ハハハハハッ!」
「この笑い声は…藤山?」
笑い声は止み、それ以降聞こえてくることは無かった。
そうだ…諦めるな…。
あの時藤山の笑い声が聞こえたことにも何か意味があるんだ。ここを抜け出すための…。
「…ダメだ…さっぱり分からない…。何故地獄で藤山の笑い声がする?」
陸は頭を抱えた。
その様子を遠くから眺めるもの。閻魔大王である。
「小宮陸…か。なかなか頭が切れるな。声の正体に気づくとはな。やはりお前を地獄に連れてきて正解だった。これからが楽しみだ…。間に合うといいなぁ?」
進んでも進んでも景色は変わらない。
ならば考えるしかない。
陸は思考を巡らせる。
藤山はここに居るのか?
いつになったらゴールが見える?
鬼はなぜ出てこないのか。
考えれば考えるほど謎が出てくる。
陸は思考を巡らせ共通点を探すことにした。
座り込んでから体感で一年の月日が経った。
陸は未だに座り込んでいる。
他のものならば絶望的だろう。
しかし陸はひとつの大きな答えを導き出していた。
そして陸はゴールを見つけ出すことに…成功した。
「…フフッ…ハハハハハハハハハハハハハハハッ!…面白い!面白いぞ!小宮陸!お前はゴールを見つけだしたわけだ。それでここに来たんだろう?」
「…」
閻魔大王と対峙する陸。
「…それで?聞かせてもらおうか。お前の答えを。」
「…その前に質問しよう。僕の体は今…どうなってる?」
「フフ…ハハハッ。それはもう答えを言っているようなものだろう?」
「魔物に食われていたとかだったらシャレにならないからね。」
「…無事だよ。お前が地獄で体感した年月は500年だ。しかし地上での時間は…2.5秒だ。」
「それならいい。」
「それで?お前はどうやってここまで来れたんだ?」
「分かっているだろ?君なら。」
「説明してみろ。俺はお前の口から聞きたいのさ。」
「…分かった。僕は地獄にいたんじゃない。地獄を…見ていたんだ。」
「…ほう。」
アーメル王国宿屋。
「止めてくれてありがとう。ナスティ。私はもう行くよ。」
「…無理しないでね?ナナ。」
「今更無理も何も無いよ。前に一度あったばかりなのに停めてくれてありがとね?」
「またいつでも来て。私はあの時ナナに巨人から守ってもらった。私に出来るのは…これぐらいしかないけど…。いつでも頼って?」
「ありがとう。」
「気をつけて…。」
「うん!」
覚悟を決めた顔。
ナナこと江ノ島菜々はアーメル王国を旅立った。
目的はただ一つ。
仲直り…である。
ほんっと申し訳ありません!
スマホ紛失してまして…。まあ見つかったんですけどね!
人気投票の結果発表は明日でいいですか?集計が終わってなくて…。すいませぇん!!
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コメント
ノベルバユーザー239382
江ノ島が動き出しただと……
かつあん
やばい、小宮様のところ難しすぎてよくわからん...(自分が頭悪いのもあるけど)
人気投票集計は待っているのでゆっくり頑張ってください!
...しかし、最近けん玉マスターさんトラブルばっかですね〜ww
たくあん
スマホの見つかって良かったですね!
さすが小宮くん!!たったの500年で出てくるなんて、数千年ぐらいたってからだと思ってた!
結果は明日でもいいですよ!
黒鉄やまと
まだ江ノ島そんなこと言ってんのかよ
現実見ろし