腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

8話 小宮&松山side 野宿

ピルーク王国大広間。
ここに勇者全員は集められていた。
「…」
「みんな、どうしたんだ?朝食でもとりながら小宮や、藤山のことについて話し合おう。」
「ねえ天城くん。藤山は確かに私たちの敵だと思うけどさ…小宮はさすがに関係ないと思うよ?」
「…どうしてかな?」
「だって小宮は私たちのこと…命懸けで守ってくれたじゃん。」
「なるほど…。それはきっと演技だね。」
「!」
「小宮はそうやって信頼を得ようとしていたんだ。最終的に俺たちを騙すためにね。」
「…」
「…」
「じゃあ…江ノ島さんは?」
「ああ、彼女は小宮達の手助けをしようとしていたからね…。地下牢で反省中さ。」
「小宮くん、それはさすがに…。」
「リーダーは俺だ。」
「!」
「フィリスが間違ってるとでも言うのか?」
「…」
「…」
「なぁ天城…。俺この国から出てくよ。」
「!…なんだと?」
「小宮の言う通り…この国は危険だ。藤山も狙ってるしな。」
「ダメだ。単独行動は危険だ!」
「分かってる。だから5人のグループ作っただろ?あのメンツで旅に出ようと思ってるんだ。」
「…認められない。」
「どうしてだよ?」
「どうして?リーダーは俺だ。俺に従っておけばいいんだよ。」
「…何言ってんだよ?」
「なんだと?」
「お前がリーダーなのは分かったよ。でもリーダーは独裁者じゃないだろ?」
「…」
「俺達は俺達のやりたいようにやる。」
5人は大広間から出ていこうとする。が、数人の兵士が行く手を塞いだ。
「…須田くん、柳くん、桝谷くんに原くん、榊くんだったかな?」
「天城…お前…。」
「その選択は良くない。僕に従うんだ。独裁者なんかじゃない。君たちも本当は5人でいるなんて寂しいんだろ?」
「何言って…」
「いいんだ。自分の気持ちに嘘をついちゃいけない。君たちは本当は5人だけになることが怖いんだ。」
「そんなこと…!」
「怖いんだ。」
「さっきからなんだ?」
「リーダーの言うことは絶対だろう?逆らうな。」
「さすがにそれは…」
兵士の手刀が5人の意識を奪った。
「!」
「出られないように地下牢に入れておけ。」
5人は連れていかれた。
「他になにかある人は居るかな?」
この時ほかのクラスメイトは悟った。
もう安全では無いことに。この国に留まっていればいつ来るか分からない藤山優によって殺される。かと言ってこの国を出ることは叶わない。このクラスは完全に詰んでいるということに。



「由希、足の調子はどうだ?」
「…もう普通に歩けるわ。菜々のおかげでね。」
「そうか…。良かった。今日はこの辺で野宿にしよう。」
「…うん。」
「僕は晩御飯を作るから…君は焚き火の準備をしてくれるか?」
「…小宮くんって料理出来るの?」
「少しはね…ミーシャさん…いや、魔神の妹のミーシェ程ではないけどね。」
「…そう。」
「彼女の料理は本当に美味しかったよ。」
「…ミーシャさん…いえ、ミーシェも最初から敵だったんだよね?」
「そういうことになるね。」
「…やっぱり…裏切られるのはきついね…。」
「由希…。」
松山の目尻には涙が浮かんでいた。
「…藤山くんは…あの時こういう気持ちだったのかな?こんなに胸の奥がぽっかり空いて…なんか何も考えられなくなる。」
「…」
「…私は…こんなに酷いことを藤山くんにしたんだね…。」
「由希だけじゃないさ。僕もだ。」
「…もし…もし藤山くんが私たちのことを許してくれるなら…仲直りできるのかな?私たち…元に戻れるのかな…。」
「藤山は…敵だ。仲良くは出来ないよ。」
「…そうだよね…。ごめん。変な事言って。」
「ああ、ご飯できたよ。簡単な野菜炒めだけど…。」
「…すごい!料理もできるなんて…。それに眼鏡外せば…。」
「お、おい!返せ!」
「…うん、イケメン。」
小宮は松山から眼鏡を取り返す。
「…たく…。」
「…それに頭もいいし。なんで陸モテなかったんだろ?」
「!…うるさい!とっとと食え!冷めるぞ。」
「…ふふふ、うん、いただきます。」
「…」
「…うん。」
「…なんだ?」
「…やっぱり美味しい!」
「!…それは…良かった。」
「…うん。ありがとう。」
「ふん。」


2人は焚き火を囲み一夜を2人で過ごすことにした。
「…陸。」
「どうした?」
「…もっとそっち行っていい?」
「な?!ど、ど、どうしてだ?」
「…怖いのよ。どこから誰が狙ってるか分からないから…。だから…ダメ?」
「うっ…そ、それもそうだな。いいぞ、もっとこっち来て。」
松山は小宮に肩が当たるくらい近づいた。
「!…ちょっと近過ぎないか?」
「…んー?そうかなぁ?」
「近いだろ…。」
「…私はこれくらいがちょうどいいと思うけどなぁ?」
「そ、そうか…ならいい…のか?」
「…おやすみ、陸。」
「あ、ああ…。」

ドクンッ!ドクン…
なんだ?らしくない。落ち着くんだ、僕の胸…。
今までの経験からこういう時どう対処するのか考えるんだ。
……ドクン…
ダメだ!僕はそもそも女子と寝たことなんてない!
ダメだ…。僕は…
コテン…
「!」
「…スー…スー…。」
肩に松山の頭が乗った。
「っ〜〜!」
「ダメだ…寝よう。」
小宮は色々おかしくなっている気持ちを沈め眠りについた。



―――――――――――――――――――――――――――――――
小宮くんは眼鏡かけてますw
さて、好きなセリフ小宮編ですね。
お待ちかねの小宮様です。

3位は…
2章プロローグ   勇者side  主人公は1人とは限らないより、
「でも、今の僕じゃ…君を守るはおろか…自分の身だって守ることは出来ない。…教えてくれ松山。僕は…どうしたらいい?」です。
いつもは見せない小宮の弱気な姿。この姿を見れるのは松山の特権です。


2位は…
1章74話 勇者side 戦乱と裏切り者より、
「僕は君のこと、結構好きだったぞ?」です。
くさい!くさいけど小宮様が言えばカッコイイですね!


そして1位は…

「ふん…。」です!!!
色んな話で言ってますね…。
素直じゃない小宮くんの名ゼリフ?です!

以上好きなセリフトップ3でした!
皆さんもなにか好きなセリフがあったらコメント欄にお願いします!

今日から「特別編 ミーシェと始める学園生活」を書き始めました!
長編にする予定なのでお楽しみに!
誰か絵描ける人いないかなぁ?
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コメント

  • べべ

    小宮様d(^q^).。o(尊い)

    1
  • ノベルバユーザー335038

    イケメンで、頭良くて、料理できて、強い小宮様の「ふん...。」の破壊力半端ないって

    1
  • けん玉マスター

    黒疫病魔さん
    しぃさん
    コメントありがとうございます。
    なんでも出来てもう逆にウザイですねw
    でも小宮様だから仕方ない!

    1
  • 夜谷 ソラ

    小宮様が何でも出来てて小宮様様かもしれない (語彙力

    2
  • LLENN_p

    小宮…料理できて強くて成績優秀でイケメンでなんて…天才かよ…
    もうこれは小宮様と呼ぶしかないな

    3
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