腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

83話 この素晴らしい日に祝福を!

それから一時間程優は眠っていた。
「…ん…ああ…あれ?」
「ユウさん…。」
「ベルフェゴール。…そうか、あのまま気絶したのか、俺は。」
「…ユ、ユウ…。」
「おはよう、ミーシェ。気分はどうだ?大丈夫か?」
「ユウ!」
ミーシェは優の胸に飛び込んできた。
「おっと…。」
「心配したんだから…馬鹿…。」
「…ごめんな、ミーシェ…。」
「…良かった…!…無事で…!」
「ついにやったんだね…ユウさん、ミーシェ。」
「ああ…。ルシファーは…倒した。最後まで自分の信念を貫くやつだったよ。」
「なんのこと?」
「…いや、なんもない。」
「礼を…言わせて?本当に…ありがとう…!ユウさん。」
「ああ。」
「それで…その姿はいつになったら戻るの?」
「ん?」
優の姿はまだ、白髪、赤眼のままだった。
「ああ…技の代償でな。しばらくこのままなんだ。それで?バトラーは?」
「軍の本部でまだ作業してる。」
「そうか…。なんだかんだで一番世話になったかもな…バトラーには。」
「そうだね…。」
「今度飯でも奢ってやるか…。」
「ユウ、それよりも…。」
「ああ、ようやくだな。」
「うん。」
「あそこに残りの宝玉全てがあるのね…。」
「どうする?誰がどれ壊す?」
「私は赤い、サタンのやつを貰っていいかしら?サタンとは思い出もあるしね。」
「分かった。じゃあ俺は…オレンジの…アスモデウスのものを貰う。」
「私は…ピンク。レヴィアタンのを貰うね…。」
「ん?じゃあこの黒い…ルシファーのやつはどうする?」
「それは…」
「ユウが壊すべきだよ。」
「いいのか?お前達の…仇だろ?」
「確かにそうだけど…それはユウさんが壊すべきよ。」
「でもなあ…ルシファーからはこの…レーヴァテインも貰ったしな。大罪魔法は…てか俺ルシファーの大罪魔法使えんの?」
「使えても使いこなせないと思うわ。ルシファーの空間処理能力と知能が合わさってこそだと思うから。」
「そういうもんか…。」
「でもどうしよう?」
「そうだ…。…これでどうだ?」

わふ!
ルシファーの宝玉の上に手を置くマシュマロ。
「い、いやいやいやいや!え?何してるの?ユウさん。」
「これでピッタリだろ?」
「ユウ…。」
「そうよね?ミーシェも言ってやりなさい!」
「…ナイスアイデア!」
「…え?」
「だってそうじゃない?これからも私たちの仲間で戦闘員兼ねマスコットなんだから!強くなってもらわないと!」
「…どこか…ぶつけた?」
「いや、俺は我ながらいいアイデアだと思うんだよなぁ…ウンウン。」
「ちょっ…正気?そんなこと…」
バキィン!!
「「「あ…」」」
「わん!」
「よし!いいぞ、マシュマロ。」
「スキルゲットだね!マシュマロ。」
「わん!」
「わ…わんじゃねえんだよ!馬鹿犬!!」
「ちょっ…ベルちゃん?」
「え?あなた達も何考えてるの?!ルシファーの大罪魔法よ?本当にいいの?!犬なんかに壊させて?!」
「それは違う。」
「違うよ、ベルちゃん…。」
「ユウさん?ミーシェ?」
「「マシュマロは…」」
「マシュマロは?」
「「…ブラッドウルフだよ?」」
カチン!
「もお〜、何度も言ってるじゃ〜ん。」
「いい加減覚えないと…ベル?」
「いい加減に…しなっさいっ!!!」
ポコン!!ポコン!!

シュー…
「え、えっと…話を戻すけど…俺達は…これでいいんです…。」
「しくしく…うう…」
2人の頭には大きなたんこぶが出来ていた。
「わん!…へっへっへっ…」
「な?!お前…いつの間に俺の目の前に?!」
「すごい!もう使いこなしたのね?!」
「え、えぇぇ…ルシファーのスキルよね?…はぁ…なんか頭痛くなってきた。もういいわ…。」
「そうだね。私達も…」
「壊すか…。」
「そうね…。」
「やっと…やっと助けることが出来るよ…お姉ちゃん…。」
3人は宝玉に力を込めた。
パリィン…
3つの宝玉は綺麗に割れた。
「そうか…最果ての洞窟に行かないと…」
「あ、そうだね。」
「私の空間転移で…」
「…その必要はないわ。」
「「「!」」」
「また会ったわね?ユウ、ミーシェ、…ベル。」
「お、お姉ちゃん…。」
「来るの早すぎだろ…?」
「お姉ちゃぁん!!」
「ふふふ…相変わらず泣き虫ね…ミーシェ。」
「うう…お姉ちゃん…お姉ちゃん!」
「約束は達成だな、サラ。」
「ええ、本当に感謝してるわ…ユウ、ミーシェ。そして…ベル。」
「!」
「そんな所で何してるの?」
「だ、だって…私は…」
「関係ないわよ…、やっと…三姉妹揃ったのよ?」
「…サラ…姉さん…。」
「…いらっしゃい。」
「でも…」
「いいから行ってこいよ。」
「ユウさん…。」
「ベルちゃん。」
「…う…ひぐっ…サ、サラ姉さぁん!!」
「ふふふ…ありがとう。みんな。」
「私…あの時…ルシファーの魔法に逆らえなくて…本当に…本当にごめんなさい!!」
「いいのよ…。もういいの。こうして助けてくれたじゃない?」
「でも…私…私!」
「仲直りしたミーシェとベルを見ただけで私は満足よ…。」
「…姉さん…姉さん!」


おーっと!優選手、涙腺が揺らいだぁー!しかし何とか持ちこたえている!耐えきれるか!?耐えきれるのかぁ?!
「…よ、良がっだな。ふだりども。」
ユウの顔は涙でしわくちゃになっていた。
無理だったぁー!!
「ユ、ユウ…顔…」
「泣いてるの?」
「べ、べづに?ないでないげど?」
「…ぷっ!あはははははっ!何その顔?!」
「ユウさん、鼻水拭いて!涙も!」
「だがらないでないっで言っでるだろ!?」
「泣いてんじゃん!泣いてんじゃん!あははははは!」
「ちょっ…姉さん!」
「ふふふ…ユウも…おいで?」
「俺は…べづに…」
ミーシェはユウを抱きしめた。
その瞬間色々込み上げてくる優。
結果、優は美少女3人の前で引くぐらい号泣するのであった。


隅でうずくまる優。
「ははは…」
黒歴史ぃ…かーくてーい!!
はいもう死にましょう!こういう時は死んで楽になった方がいい!
死にたい死にたい死にたい死にたい!
誰か俺を…殺してくれぇ!!


すると後ろからいつもの感触。
「本当に…ありがとう…ユウ。お姉ちゃんを…助けてくれて。」
「…ああ。」
そう言って楽しそうに話すサラとベルに目をやった。
「あんなに楽しそうなベルちゃんは…久しぶりに見た。」
「そうか…。良かったな…。」
「全部…ユウのおかげだよ。」
「そんなこと…」
「ううん…ユウがいなきゃ私…最果ての洞窟から出ることすら出来なかった。全部…ユウのおかげ。いつも…助けられてばっかり…。」
「いいんだよ。ミーシェだからな。」
「…うん。本当に…ありがとう!」
「ああ…。」

この日は4人で時間など忘れて仲良く語り合った。
ここが勇者たちがいるピルークだということも忘れて。

「藤山ぁ…貴様ぁ…」
「あ…」

忘れてた!てへぺろ!


――――――――――――――――――――――――――――
2話出せるよー!今日も!
最近暇すぎて死にそうだぜ!でも夏休みの課題全く手を付けてないぜ!


…死んだ。


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コメント

  • 虎真

    最終話は優が力尽きて死ねか…

    1
  • 稲荷 天

    マシュマロ宝玉壊せるほどの魔力あったんだ可愛くてもSランクなんだな

    6
  • ノベルバユーザー170875

    お疲れ様です

    2
  • 黒林檎

    マシュマロに勇者殺させたら?w

    3
  • ノベルバユーザー190048

    あっれーおっかしいなー 女神が出てきてないじゃん❔

    2
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