腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

64話 旅立ちと休息

「勇者様ぁ!本当にありがとう!」
「また来てくれよぉ!」
ギリース王国の中央通りで、8人の若者が大きな歓声を受けながら歩いていた。
「聖女様!今まで本当にありがとうございます!」
その中には聖女、アイの姿もあった。
「本当に俺たちについてきていいのか?」
「大丈夫ですよ。私の弟子もいますから。」
手を振っている国民の中には聖女の弟子もいた。
「へぇ…てか敬語じゃなくていいぞ?これからは一緒なんだから。それにミーシャもかなり気を許してるみたいだからな。」
「そ、それじゃあ…よろしく…」
「ああ。」
「勇者様。」
ギルドマスターが歩み寄ってきた。
「今回は本当にありがとうございました。」
「いえ、そんな…」
「ユウ様も…あなたがいなければこの国は滅んでいました…。本当にありがとうございました。」
「まあ…俺も少しは…」
「いえ、全然大丈夫です。」
天城が割り込んできた。
「またいつでもいらしてください。」
「はい。」
「またなぁー!」
「ありがとうございます!」
「また来てください!」
「ミーシャさーん!ありがとう!」
中にはこの街のSランク冒険者のコリンの姿もあった。
その姿を見つけたミーシャは手を振り返す。
「…」
「ユウ?どうしたの?」
「…別に。」
「…言っとくけどあの冒険者とは何も無いからね?」
「…」
「ユ、ユウさんが…拗ねてる!」
「ちょ、ちょっと、アイちゃん?」
「もういい!俺帰る!」
「わあ…すごーい…」
「ちょ、アイちゃんが変な事言うから!」
「俺の味方はお前だけだよ…マシュマロ。」
「わう!」
「よしよし…いい子だ。」
「ユウ、美味しいご飯作ってあげるから。ね?」
「…うん。」
「…なんかユウさんって以外に…可愛い?」
「そうだよ?今更気づいた?」
「ていうか、敬語じゃなくていいって言ってるだろ?ユウでいいよ。」
「いや、呼び方はこっちの方がいいし。」
「そうか。まあなんでもいいけどな。」
「これからよろしくね?アイちゃん!」
「うん。」
アイを加えたユウ達はここ、ギリースを旅立った。


「藤山、ピルークに戻ってからだが…まずは王女に会ってもらう。それでみんなにあの時のことを説明してもらう。いいか?」
「…マジか。」
「なにか問題でもあるのか?」
「…めんどくさい。」
「なんだと?!」
「あーごめんごめん、悪かったからいちいちキレないで。そっちの方がめんどい。」
「優くん、王女とはそういう約束なの。お願い。」
やべぇ、火傷いてえ。こんな刺激の強い上目遣いは初めてだ。
「っ…、分かったよ。」
「…あっちに着くのは明日ね。それまでのんびり旅しましょ。」
「天城!魔物がいたぞ!」
「本当か?!行くぞ!」
ははは…元気だこと。
天城と橘は見つけたスライムに向かって駆け出して行った。
「いつもあんな感じなのか?」
「…そうね。大体あんな感じね。」
「スライム一体に二人がかりか…無鉄砲なのやら慎重なのやら。よくあんなので血の教団の幹部に勝てたよな。」
「あ、その事なんだけど実は…倒したのは天城くんじゃないの。」
「え?」
「城で話したでしょ?神崎くん達を殺した2人が血の教団の幹部を倒して…宝玉も壊されちゃった…」
「…何個壊されたんだ?」
「今のところ3つかな…」
「それはまぁ…なんというか。」
「7大魔王の1人もその2人に殺された。」
その情報はさすがにもう入ってるか…。
「それで魔神の妹であるミーシェを封印するためにお前の力が必要なんだ藤山。」
「俺の力が?」
「…神崎達がいなくなっちゃったから…人手が足りないの。勇者の称号がある人があと一人いれば封印出来るんだけど…」
え?俺もう勇者の称号ないけど?黙っといた方が良さそうだな。
するとぼろぼろになった天城と橘が出てきた。
「は?お前らスライムにやられたの?」
「ち、違う!なんかでかいやつが…」
「ブモォー!」
「ミノタウロスじゃん。」
「いや、こいつはA+級のミノタウロスロードだ。」
「…みんな、構えて!」
「…ミーシャ。」
「うん!」
ミーシャは雷の石を高々と掲げた。
ミノタウロスロードに雷が落ち、一撃でミノタウロスロードの息の根を止めた。
「こいつ今日の晩飯な?」
ユウはミーシャにこっそりと近づき言った。
「うん。」
「…ミ、ミーシャさんも強いんですね…」
「えー?そうかなぁ…?」
「そうだ、ミーシャさんだったかな?」
天城がミーシャに話しかけた。
「そうだけど?」
「良かったら俺たちのグループに入らない…」
「ごめんね、無理。」
「な!どうしてだい?それにまだ最後まで言って…」
「無理。」
「藤山と一緒にいるより俺たちの方がずっと安全だぞ?」
どの口が。
「私はユウの方が安全だと思うけどなぁ…?」
「でも君みたいに優秀な子が俺たちのグループに入ってくれれば俺たちの戦力も上がるんだ。入ってくれ。」
「うーん…でもやっぱり私はユウと行くよ。これまでもずっと一緒だったし。」
「ダメだ!藤山は罪も無い人間を躊躇い無く殺すようなやつだぞ?そんなやつと一緒にいたら君も…」
「その話は城に帰ってからだ。」
「小宮…」
「近くの街に城からの馬車が来てるらしい。それに乗せてもらおう。」


しばらく歩くと小さな街に着いた。
「今聞いてきたら出発するのは明日らしい。今日はこの街で1泊だな。」
「…そう。ありがとう小宮くん。」
「夜までは自由だな…」
「そうか。ミーシャ、買い物しに行こう。生活に必要なもの色々切れてたろ?醤油とか。」
「あ、うん。そうだね。アイちゃんはどうする?一緒に行く?」
「私はここの神父さんに用事があるからいいわ。邪魔したくないしね!」
「そうか。」
「あ、ありがと、アイちゃん。」
「優くん、私も…」
「江ノ島さん、そんなやつ放って置いて行こう。こっちでカフェを見つけたんだ。」
「え?…うん。」


ユウ&ミーシェside
「まずはどうしよっか?道具屋さん?」
「そう言えばミーシェ。お前に選んでもらったコートに穴が空いちゃったんだ。新しいの買いたいから選んでくれるか?」
「うん!任せて!」
ユウとミーシェは服屋に行くことにした。

「ミーシェ…1時間はたったぞ?」
「うーん…これでもないしなぁ…」
「な、なんでもいいぞ?」
「ダメだよ!これからも着るんだから!それに寒くなってきたし。」
「そ、そうだな…」
「あー!これは?」
ミーシェが渡してきたのは7色のセンス皆無のコートだった。
「いや…さすがにこれは…」
「それかこれ?」
ミーシェが渡してきたのは黒いいい感じのコートだった。
「それだ!それにしよう!」
「着てみて?」
「わかった。…ど、どうだ?」
「うん。かっこいい。」
「そうか…ありがとな。ミーシェもなんか選べよ。」
「うん。」

「まあ当然のように1時間は待たされるよな…」
試着室からミーシェがでてきた。
「ど、どうかな?」
「ブフーッ!」
「ユ、ユウ!」
「そ、それは…」
ミーシェが着ていたのはメイド服だった。似合う!最高!てかなんで売ってんの?
「ユウ?」
「なあ、ご主人様って言ってみてくれ。」
「え?…ご主人様。」
「もっと恥じらう感じで!」
「…ご、ご主人様…」
いいねぇ…。するとユウの目にとんでもないものが飛び込んできた。
「こ、これは…伝説の…ケモ耳カチューシャじゃないか!」
ユウはミーシェの方に目をやる。
「な、何?」
「…これー…付けてみろよ。」
「?…わかった。…どう?」
「猫の鳴き真似どうぞ。」
「にゃ、にゃあん…?」
「買おう。」
「え、でも使わないんじゃ…」
「決定事項だ。そして俺の前以外で着ないこと!いいな?」
「う、うん。」
そんなこんなで服屋を物色したユウ達は疲れたため宿屋に戻るのだった。


…あー!お醤油!


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夜頃もう1話出します。
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コメント

  • ノベルバユーザー366207

    江ノ島哀れだねぇ〜もっとくるしみなっ!

    1
  • キャベツ太郎

    ミーシェ…想像するだけでかあいい。おっと下半身から白い白濁液が

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  • 本大好き{デアラ}

    メイド?

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  • ノベルバユーザー170875

    頑張ってください

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  • ノベルバユーザー288482

    魔獣の肉は人間には毒の設定忘れてるぞ

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