Umbrella

高嶺

ドロップ 【6】

金髪の彼女と青くんが出ていった教室は
がらんとしていた。


あの日彼女が頭を下げたあと、彼女は
青くんに話があると、彼を連れ出した。

外が暗くなっていく。
私は1人で宙を仰いだ。

2人はそのまま、帰ってこなかった。




普通の高校生と同じ日常が私にやってきた。

それがあたりまえのはずなのに、
やっぱり何か不思議で。

彼女たちに殴られた痣や傷が少しずつ
消えていくのと一緒に、彼女たちへの恨みも
薄れていった。

彼女の言うように、私は本当にお人好しなのか
もしれない。



だけど、ただそれだけでよかった。

私にとっては普通に毎日を過ごせることすら
奇跡に近い。

この時がもっと早く来てればーーーーー。




嫌な予感なんて、そんなものは無かった。

予兆なんて無いまま、その日は来たのだ。

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