少女寿命

こむぎ子

散れども枯れども花は芸術的なのに。(前編)

愛ってなんだったっけな。
朝日が昇って夕日が沈んで、その機械的な過程の中で、じわじわと、腐っていった
"あれ"は…………
…愛?


好きな人が出来た。とても面白い人だった。
初めての恋だった、初めての愛だった。
家庭の圧迫から逃れるように縋った。心地よい時間だった。

だから、今夜あなたに一線を切って貰ったの。
赤い初恋は痛みと共に。
痛かったけど…痛かったけど、それでも気持ちよくて、より好きを与えられたように感じたの。ぎゅっと抱きしめてくれて、ああ、もう一生離してくれないように誓うような、そんな時間だった。

両親はあたしに見向きもしなくなった。弟だけが様子だけを見てくれた。両親の目を気にして会話をしようとはしなかったが。

気づいたのは一ヶ月ほど後だろうか、予定日を過ぎても生理がこないことに気づいたのは。ストレスだろうと思っていたけど、吐き気と倦怠感で違うと薄々確証を持ってきた。
妊娠検査薬、使いたくなかったが使うしかない。

あぁ、そっか。やっぱりそうか。

コメント

コメントを書く

「文学」の人気作品

書籍化作品