ランダムビジョンオンライン
オークション
オークション当日。
俺は依頼主としてショウコさんと一緒に出品者として会場に来ていた。
「ここがオークションが開催される場所ですか……。意外と普通ですね……」
俺は会場を見回すと、ショウコさんに問いかける。
「そうですね。今回は一般の方も参加するオークションですので、このような場所になっています。貴族や大富豪の方々限定のオークションでしたら、想像されているような豪華な専用の建物で行われたりしますよ?」
ショウコさんは優しい笑顔で疑問にこたえてくれる。
「そうなんですか……。一度でいいから出てみたいですねぇ……」
それを聞いて、俺は思わず心の声が漏れてしまう。
「それは出品者としてですか? お客としてですか?」
俺のつぶやきを聞き逃さなかったショウコさんが、興味があるように俺に問う。
「それはもちろんお客としてですかねぇ……。まぁ、今はまだ無理ですけどね?」
俺はそれに願望をこたえると、苦笑いを返す。
「そうですか……。ふふふ、その時はどうぞご贔屓にお願いいたしますね?」
ショウコさんは俺の願望を笑わずに、笑顔で自分を推してくる。
「その時は、こちらこそよろしくお願いしますね? ……って、夢物語ですがねぇ……」
「ランワードさんなら大丈夫だと思いますよ? 私の勘がそう告げています。私の勘って当たるんですよ? こういう商売に関することは特に……ね?」
「そうですかね? そうならうれしいですね……」
俺は少し未来を想像して、目標の一つにオークションに出ることを真面目に考えた。
・・・
・・
・
「……さて、ランワードさん? そろそろ始まりますので、中で準備しますよ?」
そろそろ時間らしく、ショウコさんが俺に声をかける。
「いよいよですか……。少し緊張しますね……」
俺は高鳴る鼓動に戸惑いながら、ショウコさんの後について舞台へと歩く。
「流れは覚えていますか? 番号と商品名が呼ばれたら、出品者として私とあなたの名前が紹介されます。そうしたら、舞台上に上がって商品を司会に渡す。いいですね?」
「大丈夫です。少し緊張してはいますけどね……」
「なら結構です。それではここで少し待ちましょう……」
「わかりました……」
俺たちは舞台袖で呼ばれるのを待つ。
『続いての商品は……久しぶりの出品となります、「キングスライムの枕」です! 出品者は冒険者のランワードさん。仲買人はショウコさんです!』
「それでは行きましょうっ」
「はいっ」
俺たちは舞台へと上がり、司会のもとへと歩む。
「それでは商品の方をこちらへ……」
「はい。お願いします……」
司会の人に言われるままに、俺はキングスライムの枕を渡す。
「はい、確かに……。それでは始めましょう! まずは100万円からです!」
「300!」
「350!」
「400!」
「500!」
すごい勢いで値段が上がっていく。
「510!」
「600!」
「680!」
「700!」
「800!」
「850!」
「900!」
「950!」
「1000!」
「おぉーっと、1000万が出ました! ここから先は100万単位でしか上乗せできません。1100万の方はいらっしゃいますか!?」
「1100!」
「1200!」
「1200万出ました!」
「1300!」
「1400!」
「1500!」
「1600!」
「1800!」
「2000!」
「2000万出ました! さすがにもう上がらないでしょうか? どなたかいらっしゃいますか!?」
「…………………………」
「いらっしゃらないようなら2000万でらくさ「3000!」…………出ました! 3000万です! これ以上の方はいらっしゃいますか!?」
「…………………………」
「いらっしゃらないようですね! それでは3000万で落札です! 落札者の方は舞台へとお越し下さい!」
司会の人が競りの終了を告げて、舞台上に落札者を呼ぶ。
呼びかけに応じて舞台に上がってきたのは、執事のような人だった。
「私が代理人のセウスです。商品を受け取らせて頂けますか?」
「それでは代金をこの中へお願いします」
司会の人は、セウスさんに代金を台の上に置くように促す。
「これでよろしいでですか?」
セウスさんはしっかりと代金ぴったりを台の上にのせる。
「確かに! それでは取引成立です! 商品をどうぞ!」
「確かに受け取りました。では……」
商品を受け取ると、セウスさんは席へと戻っていった。
「ではショウコさん、ランワードさん。代金をお受け取り下さい!」
司会の人に促され、まずはショウコさんが仲介料である1割……300万を受け取る。
「確かに1割いただきました。それでは残りを収めてくださいな……」
俺は台の上に残った2700万を受け取って確かめる。
「確かに2700万確認しました。ありがとうございます」
「これにて番号29番……「キングスライムの枕」の取引を終了いたします! おめでとうございました!」
司会の人がそう締めくくり、俺たちは舞台から引き上げた。
俺は依頼主としてショウコさんと一緒に出品者として会場に来ていた。
「ここがオークションが開催される場所ですか……。意外と普通ですね……」
俺は会場を見回すと、ショウコさんに問いかける。
「そうですね。今回は一般の方も参加するオークションですので、このような場所になっています。貴族や大富豪の方々限定のオークションでしたら、想像されているような豪華な専用の建物で行われたりしますよ?」
ショウコさんは優しい笑顔で疑問にこたえてくれる。
「そうなんですか……。一度でいいから出てみたいですねぇ……」
それを聞いて、俺は思わず心の声が漏れてしまう。
「それは出品者としてですか? お客としてですか?」
俺のつぶやきを聞き逃さなかったショウコさんが、興味があるように俺に問う。
「それはもちろんお客としてですかねぇ……。まぁ、今はまだ無理ですけどね?」
俺はそれに願望をこたえると、苦笑いを返す。
「そうですか……。ふふふ、その時はどうぞご贔屓にお願いいたしますね?」
ショウコさんは俺の願望を笑わずに、笑顔で自分を推してくる。
「その時は、こちらこそよろしくお願いしますね? ……って、夢物語ですがねぇ……」
「ランワードさんなら大丈夫だと思いますよ? 私の勘がそう告げています。私の勘って当たるんですよ? こういう商売に関することは特に……ね?」
「そうですかね? そうならうれしいですね……」
俺は少し未来を想像して、目標の一つにオークションに出ることを真面目に考えた。
・・・
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「……さて、ランワードさん? そろそろ始まりますので、中で準備しますよ?」
そろそろ時間らしく、ショウコさんが俺に声をかける。
「いよいよですか……。少し緊張しますね……」
俺は高鳴る鼓動に戸惑いながら、ショウコさんの後について舞台へと歩く。
「流れは覚えていますか? 番号と商品名が呼ばれたら、出品者として私とあなたの名前が紹介されます。そうしたら、舞台上に上がって商品を司会に渡す。いいですね?」
「大丈夫です。少し緊張してはいますけどね……」
「なら結構です。それではここで少し待ちましょう……」
「わかりました……」
俺たちは舞台袖で呼ばれるのを待つ。
『続いての商品は……久しぶりの出品となります、「キングスライムの枕」です! 出品者は冒険者のランワードさん。仲買人はショウコさんです!』
「それでは行きましょうっ」
「はいっ」
俺たちは舞台へと上がり、司会のもとへと歩む。
「それでは商品の方をこちらへ……」
「はい。お願いします……」
司会の人に言われるままに、俺はキングスライムの枕を渡す。
「はい、確かに……。それでは始めましょう! まずは100万円からです!」
「300!」
「350!」
「400!」
「500!」
すごい勢いで値段が上がっていく。
「510!」
「600!」
「680!」
「700!」
「800!」
「850!」
「900!」
「950!」
「1000!」
「おぉーっと、1000万が出ました! ここから先は100万単位でしか上乗せできません。1100万の方はいらっしゃいますか!?」
「1100!」
「1200!」
「1200万出ました!」
「1300!」
「1400!」
「1500!」
「1600!」
「1800!」
「2000!」
「2000万出ました! さすがにもう上がらないでしょうか? どなたかいらっしゃいますか!?」
「…………………………」
「いらっしゃらないようなら2000万でらくさ「3000!」…………出ました! 3000万です! これ以上の方はいらっしゃいますか!?」
「…………………………」
「いらっしゃらないようですね! それでは3000万で落札です! 落札者の方は舞台へとお越し下さい!」
司会の人が競りの終了を告げて、舞台上に落札者を呼ぶ。
呼びかけに応じて舞台に上がってきたのは、執事のような人だった。
「私が代理人のセウスです。商品を受け取らせて頂けますか?」
「それでは代金をこの中へお願いします」
司会の人は、セウスさんに代金を台の上に置くように促す。
「これでよろしいでですか?」
セウスさんはしっかりと代金ぴったりを台の上にのせる。
「確かに! それでは取引成立です! 商品をどうぞ!」
「確かに受け取りました。では……」
商品を受け取ると、セウスさんは席へと戻っていった。
「ではショウコさん、ランワードさん。代金をお受け取り下さい!」
司会の人に促され、まずはショウコさんが仲介料である1割……300万を受け取る。
「確かに1割いただきました。それでは残りを収めてくださいな……」
俺は台の上に残った2700万を受け取って確かめる。
「確かに2700万確認しました。ありがとうございます」
「これにて番号29番……「キングスライムの枕」の取引を終了いたします! おめでとうございました!」
司会の人がそう締めくくり、俺たちは舞台から引き上げた。
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