異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
クマ鍋
あれほど大きな地震があったにもかかわらず、エクスペインの街は不気味なほどに静かであった。
どうやら地震があったのはローナス平原の一部だけで街の人間たちは、地面が揺れたことにすら気付いていないらしい。
悠斗の中の疑問は、胸の中でますます膨れ上がって行く。
「おお! こいつはまた……スゲー大物を仕留めたな!」
帰りがけ。
冒険者ギルドで素材を換金した悠斗は、屋敷に戻ってワイルドベアーの体を庭の上に置く。
自力で解体することも考えた悠斗であったが、下手なことをして大切な夕食を台無しすることは出来ない。
血抜きの仕方1つでも肉の味というものは変わってくるのである。
「リリナ。こいつの解体作業を任せても大丈夫か?」
「おうよ! 任せてくれ! 解体作業はオレが最も得意とする家事の1つだ!」
「……そ、そうか。頼もしい限りだよ」
果たして熊肉の解体作業を家事の範疇に収めても良いものだろうか?
等と疑問に思う悠斗であったが、それを口にするのも野暮だと判断して、黙っておくことにした。
熊の毛皮 レア度 ☆☆
(ワイルドベアー毛皮。衣服の材料として需要がある)
熊の胆 レア度 ☆☆
(ワイルドベアーの胆嚢。特定の薬を調合するための素材。討伐証明部位としての価値がある)
熊の肉 レア度 ☆
(ワイルドベアーの肉。濃厚な旨み成分を有しており、魔物肉の中でも特に人気が高い)
果たして何処で身に付けた技術なのかは定かではないが、本人が得意と豪語することもあり、リリナの解体作業は非常にスムーズに進んで行った。
熊の毛皮に関しては、特に使い道がないので、魔法のバッグに仕舞っておくことにする。
後でギルド公認雑貨店に買い取ってもらうことにしよう。
スケルトン 脅威LV8 状態 (テイミング)
今回の解体作業をスムーズに行うことができたのは、60匹のスケルトンたちが総出でサポートに回ってくれたからだろう。
「「「ホネー! ホネー!」」」
「ファイ、オー! ファイ、オー! なのです!」
解体した熊肉はスケルトンたちの手によって次々に《水の魔石》によって冷気の利いた食糧庫に運ばれて行く。
リリナが食べることの出来ないと判断した廃棄部位は、スケルトンたちが掘ってくれた穴の中に埋めることにした。
重労働のできないサーニャは、スケルトンの応援役として頑張ってくれているらしい。
笑顔で巨大熊を解体する美少女と、その肉を運ぶスケルトンたち。
彼らの活躍により熊肉の解体作業は驚異的なスピードで完了するのであった。
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この日の夕食は、仕留めたばかりの新鮮な素材を使った熊鍋である。
テーブルの上に置かれた土鍋の蓋を開けると、部屋の中に食欲をそそる香りが立ち込めた。
「おぉ……。こいつは旨い!」
強いて言うのなら味は牛肉に近いだろう。
野菜をたっぷりと入れた味噌仕立てのスープは、溶けだした熊肉の旨みが凝縮されており、独特の風味がある。
皿を上ですきやき風の溶き卵に絡ませて食べると、涙が零れるほど美味であった。
せっかく貴重な食肉を入手する機会が巡ってきたのだ。
更なる熊肉の獲得を目指すべく、明日の討伐クエストも気合を入れて挑むことにしよう。
こうして悠斗は大満足の内に夕食を終えるのであった。
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