異世界転生の能力者(スキルテイマー)

藤崎 サクヤ

第1章 第2話 全知全能の神(自称)ゼウス

「ここは何処だろう。」
見渡す限りの暗闇。周りに光ひとつなく、一人闇に佇んでいる。

「そういや俺は…どうなったんだろう。」
あの後のことが気になる。俺は死んでしまったのか…?
真っ暗の中で俺は声を出す。

「誰かー!誰かいませんかーー?」

声が暗闇の中で響く。
「そりゃあ、そうだよな誰もいないよn...」

「おるぞぉ!」

「わぁっ!!」

急に顔を覗かせてきた。心臓もたないって…

「やはり若者を驚かすのは楽しいのぉ…
…そうじゃ、お主どこからきたんじゃ?」
俺で遊ぶなよ…と思いつつ、そう聞かれて俺はここに来るまでの経緯を説明した。し終えると爺さんは「やはり…」などと言う。何か知っているんだろうか。


「爺さん!何か思い当たる節でもあるの?」

「思い当たる節は幾つもある。お主と同じような現象にあった人間も少なくは無かったからの。」

「嘘だろ…!じゃあ凜香もいるのかな…」

「ん?凜香って誰じゃ?」

「あぁ、俺の唯一の友達さ。しかも成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗の美少女さ!」

「ぶっ!お前さんまさか友達少ないのか?しかもその友達が女子だなんて!HAHAHA」

何故だろう。急に殺意が芽生えた。このくそジジィぶん殴りてぇ……。

「殴れるもんなら殴ってみぃ。それにくそジジィとは無礼な。わしは神じゃ。」

うん!じゃ殴るね!………え゛。
心読まれてるだとぉぉ!?てかこの人神なの!?髪なの!?紙なの!?


「髪でも紙でもない。神じゃ!ワシこそが!全知全能の神ゼウスじゃ!」
バーーーン!

「お、おう…(困惑)」
困惑するなと言われても無理があるよね!ね!てかバーーーン!ってなんだよバーーーン!て。自称なのかな?自称であってほしいね!うん!


「ワシ、若い頃はゼウスくーん!キャー♡ってめちゃめちゃモテとったんじゃよ!1年間で告白された回数なんと600回!
スポーツできちゃう、勉強できちゃう、魔法できちゃう、雷打てちゃう?それがワシって訳!ハハハハハ!そんなに褒めてもなんも出さんぞ?雷出そうか?ハハハh」

「ワー!スゴーイ!…って褒めてねぇ!」

「ナイスツッコミ!」

「ナイスツッコミ!じゃないですよ…
あんまりふざけないでください!こっちはここが何処とかどうなったかとかで色々不安なんですから、、」

「不安…ねぇ…よし!じゃあ聞きたいことあったら質問してくれ!質問コーナー回答編じゃ!」

いやどこぞの動画配信者だよ。まぁ遠慮なく質問させてもらうとしよう。


「まず、自・称全知全能の神ゼウスさん。
ここどこなんですか?あと俺これからどうなるんですか?」

「自称外せぇい!ここはどこって言われても答えにくいんじゃが…まぁ強いて言うなら転生までの空間じゃ。わかりやすく例えるなら異世界が会社だとすればその面接会場と言ったところかな?まぁ転生確定してるんじゃが。あと、お主がどうなるかっていうのはさっきちょこっと出てきたように異世界に転生するんじゃ。」


「異世界転生…ですか…。そうだ。なんで俺は死神に斬られたんですか?」

結構気になっていたので聞いてみる。俺は
なんの取り柄もない普通の高校生だ。俺より運動神経が良く、頭の冴える人なんて沢山いる。なのになんで冴えない俺が選ばれたのか。

「それは、お主が『この世界に選ばれた』からとしか答えられん。」

「そう……ですか…。」

「うむ。」
そしてゼウスは付けているはずのない腕時計らしきものを見て時刻を確認し、俺にこう言った。

「ではそろそろ時間じゃ。世界に行く前に言わなきゃいけないことがある。本来の目的じゃ。というのも500年前、封印されたはずの『闇の連合軍』が復活しようとしておる。もし、というか96%の確率で闇の連合軍は復活する。そうなった時、また封印して欲しいんじゃ。この話をしても信じてくれる者はごく僅かじゃが、誰かにいつかは話すべきじゃ。1人では解決できないからのぉ。」

「500年前…闇の連合軍!?そいつらを倒せだって?俺にそんなことできるんですかね……も、もちろんです!一人で行くのは無謀すぎると思うので。」

「よし。なら最後にお主の役職を決めよう。」
目の前になにやらたくさん文字が書かれたウィンドウが表示された……

「異世界転生の能力者(スキルテイマー)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「戦記」の人気作品

コメント

コメントを書く