天下界の無信仰者(イレギュラー)
こんなところで負けてたまるかよ!
俺はまずはこの階の部屋を見て回った。けれどミルフィアたちの姿はなかった。仕方がなく下の階へと降りていきそれらしい部屋がないか探していた。
「にしても誰もいねえな」
こうして堂々と脱獄しておいてなんだが追手が来る様子もない。そしてどの階にも人がいない。けれどもっと下の方から人の悲鳴がかすかに聞こえてきていた。
「みんなは先に下に行ってわけか」
シャレた天井、左側は全面ガラス張りの廊下を走っている。教皇宮殿正面にある広場を上から覗いてみれば入口付近で聖騎士と銃で武装した騎士たちが戦っていた。
「あれは、ヨハネ先生か?」
そこには神託物であるカマエルを出し騎士たちを守りながら戦っているヨハネ先生の姿があった。こうしてはいられない!
「助けに行かないとッ」
方向転換。まずはミルフィアたちと合流するつもりだったが見つけちまったもんは仕方がない。
探し回っても見つけられず、無駄な時間を使うよりヨハネ先生を助けないと。もしかしたらミルフィアたちの情報を持っているかもしれないし。
俺は目的地を広場に切り替え走り出した。
「ん!?」
その時だった、ガラスの向こうから黒いヘリが飛んできた。それが正面を俺に向け、搭載している機銃が回転し始めたのだ!
「うそだろおい!」
急いで走る。直後、まるでミシン機を千台同時に動かすかのような激しい連続音が響き渡った。ガラスが粉々に砕け俺の背後に迫ってくる。
俺は前に体ごと飛んだ。地面にうつ伏せになった後、上を銃弾が通過してくる。
「くっそが、俺がお前らになにしたんだよ」
全身に降りかかったガラスの破片を払いながら起き上がる。最悪だ、こんなの戦争だぜ。いや、そうなのかもしれない。
今まで恵瑠のために戦ってきた俺には個人的な戦いでしかなかったけど、教皇派と神官長派の全面衝突となればそれは内戦と変わらない。
「えらいことになってんだな」
それもこれも、もとは天羽の侵攻だ。神の使命だがなんだか知らないがいい迷惑だ。
人間は神様のペットじゃないんだ、ほっとけっての。
するとプロペラの音が再び聞こえてきた。戻ってきたか。
壊れたガラスの向こう側にさきほどのヘリが現れた。機銃の照準を俺に向け、再び銃身が回り始める。
させるか!
「王金調律!」
俺の全面、そこに黄金のオーラを出現させる。
ヘリから銃弾が発射された。すさまじい勢いでいくつもの銃弾が叩き込まれる。
だが、そのすべては黄金の壁に阻まれていた。妨害の能力によって銃弾は黄金に勢いを殺され地面に落下していく。
さらに黄金のオーラを全面だけでなくヘリにまで伸ばした。オーラはヘリのプロペラの動きを妨害し回転が鈍る。
結果、ヘリは高度が保てなくなり制御不能。ふらふらとしながら落下していった。
「こんなところで負けてたまるかよ!」
俺は割れたガラス付近にまで近づき堕ちていくヘリを見つめていた。操縦者は普通の人間なら大怪我だろうが信仰者には物理耐性がある、きっと無事だろう。
「ん?」
俺は外を見るが、向かいに立つビルに動く影があるのに気付き見上げてみた。そこには雲一つない青空が広がっている。そこにいくつもの小さな影が見えた。
遠い。小さな点みたいで誰かはよく分からないが、その背中には白い羽が見えた。
「あいつらか!」
やはりいた。神官長派たちの攻撃、操っていたのはあいつら天羽たちか。
「にしても誰もいねえな」
こうして堂々と脱獄しておいてなんだが追手が来る様子もない。そしてどの階にも人がいない。けれどもっと下の方から人の悲鳴がかすかに聞こえてきていた。
「みんなは先に下に行ってわけか」
シャレた天井、左側は全面ガラス張りの廊下を走っている。教皇宮殿正面にある広場を上から覗いてみれば入口付近で聖騎士と銃で武装した騎士たちが戦っていた。
「あれは、ヨハネ先生か?」
そこには神託物であるカマエルを出し騎士たちを守りながら戦っているヨハネ先生の姿があった。こうしてはいられない!
「助けに行かないとッ」
方向転換。まずはミルフィアたちと合流するつもりだったが見つけちまったもんは仕方がない。
探し回っても見つけられず、無駄な時間を使うよりヨハネ先生を助けないと。もしかしたらミルフィアたちの情報を持っているかもしれないし。
俺は目的地を広場に切り替え走り出した。
「ん!?」
その時だった、ガラスの向こうから黒いヘリが飛んできた。それが正面を俺に向け、搭載している機銃が回転し始めたのだ!
「うそだろおい!」
急いで走る。直後、まるでミシン機を千台同時に動かすかのような激しい連続音が響き渡った。ガラスが粉々に砕け俺の背後に迫ってくる。
俺は前に体ごと飛んだ。地面にうつ伏せになった後、上を銃弾が通過してくる。
「くっそが、俺がお前らになにしたんだよ」
全身に降りかかったガラスの破片を払いながら起き上がる。最悪だ、こんなの戦争だぜ。いや、そうなのかもしれない。
今まで恵瑠のために戦ってきた俺には個人的な戦いでしかなかったけど、教皇派と神官長派の全面衝突となればそれは内戦と変わらない。
「えらいことになってんだな」
それもこれも、もとは天羽の侵攻だ。神の使命だがなんだか知らないがいい迷惑だ。
人間は神様のペットじゃないんだ、ほっとけっての。
するとプロペラの音が再び聞こえてきた。戻ってきたか。
壊れたガラスの向こう側にさきほどのヘリが現れた。機銃の照準を俺に向け、再び銃身が回り始める。
させるか!
「王金調律!」
俺の全面、そこに黄金のオーラを出現させる。
ヘリから銃弾が発射された。すさまじい勢いでいくつもの銃弾が叩き込まれる。
だが、そのすべては黄金の壁に阻まれていた。妨害の能力によって銃弾は黄金に勢いを殺され地面に落下していく。
さらに黄金のオーラを全面だけでなくヘリにまで伸ばした。オーラはヘリのプロペラの動きを妨害し回転が鈍る。
結果、ヘリは高度が保てなくなり制御不能。ふらふらとしながら落下していった。
「こんなところで負けてたまるかよ!」
俺は割れたガラス付近にまで近づき堕ちていくヘリを見つめていた。操縦者は普通の人間なら大怪我だろうが信仰者には物理耐性がある、きっと無事だろう。
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遠い。小さな点みたいで誰かはよく分からないが、その背中には白い羽が見えた。
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