天下界の無信仰者(イレギュラー)
足掻いてみせろ、てめえの力で
それで、コンクリートの床を踏み抜き破片が飛び散った。
「みたいだな」
それを涼しい顔で見ながらサリエルはつぶやく。獲物は健在、手負いとはいえ勝負はまだ付いていない。
「じゃあいっちょ勝負といこうか人間」
サリエルは腰から二丁の拳銃を取り出した。クルクルと回し、二つの銃口をヨハネに突きつける。
「天羽軍七大天羽サリエル。足掻いてみせろ、てめえの力で」
サリエルが武器を抜いたことでヨハネも拳銃を手に取った。両手の銃をサリエルと同じように向ける。
発射は、二人同時だった。
互いにトリガーを引き絞る。ヨハネとサリエル、二つの銃弾が相手に向かって突き進む。そのたびに互いの銃弾同士が接近する。
それらは、ぶつかった。まったく同じ射線上だったため、二つの銃弾は弾けどちらに当たることなく別々の方向へと飛んでいった。
ヨハネとサリエルは連射した。互いに二つの拳銃、相手を倒さんと撃ちまくる。連続するマズルフラッシュ、終わらない銃声。
それらすべての銃弾は、空中で相手の銃弾と衝突していた。
全弾命中。両者の間では火花が爆ぜ銃弾が散っていく。あり得ない曲芸、凄すぎる。皮肉だが息はピッタリだ。
そこでカマエルが大剣をサリエルに振り下ろした。それをサリエルは二メートルほど空間転移でかわしカマエルに銃口を向ける。
「邪魔すんな!」
鬱陶しいと八つ当たりのような銃弾をカマエルに浴びせる。その間ヨハネからくる銃弾を空間転移で左右に移動しながらかわす。
ヨハネは表情をしかめた。いくら撃っても当たらない。サリエルは短い距離ながらも空間転移を行い照準を外してくる。これではねらいが定まらない。
「ぐう!」
さらには体から力が抜けていく感覚がする。
(これは? 邪視の影響? 見られ続けると段階的に能力が解放していきますか)
長期戦は駄目だ、それでは相手が有利になるばかり。
ヨハネは走りながらサリエルを銃撃で牽制。広場中央にあるオベリスクの陰に隠れた。
「はあ、はあ」
邪視によって苛まれていた苦痛に荒い息が出る。だが同時に実感していた。サリエルの視界から外れる。それによって邪視の恐怖や脱力感が消えていたことを。
「やはり」
ヨハネはそれで確信を得る。
サリエルは邪視を発動するためにわざわざサングラスを外した。そうする必要があったからだ。
死の視線は強力な能力だが直接見なければならない。よって物に隠れたり視界の外にいれば影響を受けない。
これをうまく活用し戦っていくしかない。
「なにをしてる?」
再び襲われる恐怖感、その後聞こえる声に振り返るよりも早く体を反った。
サリエルはヨハネの横で銃を突きつけており、発砲してきたのだ。見られたことで邪視の影響、また止まっていたカウントダウンが再開する。
ヨハネはサリエルに一つの銃口を向け撃った。この至近距離、まず外さない。
だが、ヨハネが撃つ度にサリエルは小刻みに空間転移を行い全弾回避していた。
そこへ再びカマエルの大剣が振るわれる。横薙される大剣の間合いにサリエルは大きく距離を取る。
だがサリエルの視線はヨハネを捉えている。すでに三十秒、半分は経過していた。
「みたいだな」
それを涼しい顔で見ながらサリエルはつぶやく。獲物は健在、手負いとはいえ勝負はまだ付いていない。
「じゃあいっちょ勝負といこうか人間」
サリエルは腰から二丁の拳銃を取り出した。クルクルと回し、二つの銃口をヨハネに突きつける。
「天羽軍七大天羽サリエル。足掻いてみせろ、てめえの力で」
サリエルが武器を抜いたことでヨハネも拳銃を手に取った。両手の銃をサリエルと同じように向ける。
発射は、二人同時だった。
互いにトリガーを引き絞る。ヨハネとサリエル、二つの銃弾が相手に向かって突き進む。そのたびに互いの銃弾同士が接近する。
それらは、ぶつかった。まったく同じ射線上だったため、二つの銃弾は弾けどちらに当たることなく別々の方向へと飛んでいった。
ヨハネとサリエルは連射した。互いに二つの拳銃、相手を倒さんと撃ちまくる。連続するマズルフラッシュ、終わらない銃声。
それらすべての銃弾は、空中で相手の銃弾と衝突していた。
全弾命中。両者の間では火花が爆ぜ銃弾が散っていく。あり得ない曲芸、凄すぎる。皮肉だが息はピッタリだ。
そこでカマエルが大剣をサリエルに振り下ろした。それをサリエルは二メートルほど空間転移でかわしカマエルに銃口を向ける。
「邪魔すんな!」
鬱陶しいと八つ当たりのような銃弾をカマエルに浴びせる。その間ヨハネからくる銃弾を空間転移で左右に移動しながらかわす。
ヨハネは表情をしかめた。いくら撃っても当たらない。サリエルは短い距離ながらも空間転移を行い照準を外してくる。これではねらいが定まらない。
「ぐう!」
さらには体から力が抜けていく感覚がする。
(これは? 邪視の影響? 見られ続けると段階的に能力が解放していきますか)
長期戦は駄目だ、それでは相手が有利になるばかり。
ヨハネは走りながらサリエルを銃撃で牽制。広場中央にあるオベリスクの陰に隠れた。
「はあ、はあ」
邪視によって苛まれていた苦痛に荒い息が出る。だが同時に実感していた。サリエルの視界から外れる。それによって邪視の恐怖や脱力感が消えていたことを。
「やはり」
ヨハネはそれで確信を得る。
サリエルは邪視を発動するためにわざわざサングラスを外した。そうする必要があったからだ。
死の視線は強力な能力だが直接見なければならない。よって物に隠れたり視界の外にいれば影響を受けない。
これをうまく活用し戦っていくしかない。
「なにをしてる?」
再び襲われる恐怖感、その後聞こえる声に振り返るよりも早く体を反った。
サリエルはヨハネの横で銃を突きつけており、発砲してきたのだ。見られたことで邪視の影響、また止まっていたカウントダウンが再開する。
ヨハネはサリエルに一つの銃口を向け撃った。この至近距離、まず外さない。
だが、ヨハネが撃つ度にサリエルは小刻みに空間転移を行い全弾回避していた。
そこへ再びカマエルの大剣が振るわれる。横薙される大剣の間合いにサリエルは大きく距離を取る。
だがサリエルの視線はヨハネを捉えている。すでに三十秒、半分は経過していた。
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