女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

100話 過去は暗く、そして




もう、会えないと思っていた。

無理だと、思っていた。

でも今、彼女は俺の目の前にいる。

これが夢だとかどうだとか、そんなことはどうでもよくなった。

夢だってなんだっていい。目の前に、彼女がいるのだから。

その子と出会ったのは、俺が2年生のときで、とある路地だった。

佳穂と並んで歩いていると、その子を見かけた。

地図を持って、周りをキョロキョロしていた。

俺は気になり、佳穂を先に行かせて、彼女の元へと向かった。

蒼龍「どうしました?」

??「その、道に迷ってしまって・・・もう高校生なのに、おずかしい限りで・・・。」

蒼龍「この辺なら分かりますよ。どこに行きたいんですか?」

そう言い、俺は彼女に近づいた。

そして地図を見た時、呆気あっけに取られた。というかあきれた。

なんでか?

彼女の持っていた地図が上下反対な上、隣町となりまちの地図だったから。

蒼龍「・・・それ、ここの地図じゃねぇよ。」

敬語も忘れ、そういったのを覚えている。

彼女は慌てて、顔を真っ赤にしていた。

結局、彼女の行先は俺の通っている学校だったらしく、俺は一緒いっしょに行った。

聞けば、転校生てんこうせいらしい。名前を聞くと、〝中崎なかざき 千名美ちなみ〟と名乗った。

学校につくと彼女は、職員室しょくいんしつへ向かった。




自分の席につくと同時に、チャイムが鳴った。

チャイムがなって2分くらいした後、先生が入ってきた。

入ってきて一言、「今日、このクラスに転校生が来ます!」と言った。

・・・まさか、な。きっと違う人だ。

そう思ったよ。顔を見るまではな。

顔を見て、やはり俺が助けた子だった・・・とうなだれる。

いやはや、こんな偶然ぐうぜんがあるものなのか。まさか、必然ひつぜんだったりして。

・・・なんてな。必然とかないわ。ワロスワロス。

さて、あとはお察しの通りだ。

その子がこちらに来て、少し話したあと、2日目で「同好会つくろ!」と言い出した。

しかも、ハレム同好会なんて名前で。

通るわけないと思ったのだが、担任の根回しがあったのか、あっさりと受け入れられた。

その後、今大和の担任をしている朝奈も転校してきて、ハレム同好会がとても楽しい場所となり、俺の生活は、とても充実していた。

・・・あの事件が起こるまではな。

それは、3年の秋のこと。

いつも通り登校したのだが、千名美が来ない。

2日経っても、3日経っても、千名美は来なかった。

4日目の朝、担任から〝末期の小児がん〟であることが知らされた。

とても、悲しかった。とても、悔しかった。何も気づいてやれなかったことが、どうしようもなく。

その日、ハレム同好会のみんなでお見舞いに行くと、少しやせ細った千名美の姿があった。

千名美は、病気であることが分からないくらいに、俺たちの前で元気でいた。

が、みんなが帰り、俺だけとなった時、千名美の嗚咽おえつを聞いた。

病気なんかで死にたくない、みんなと一緒がいい、と。

俺はなんとかなだめ、そんなもの直して、元気になってくればいいと言った。

彼女は少し考えたあと頷き、俺はそれを見て帰った。

・・・今ならハッキリとわかる。あれは〝肯定こうてい〟ではなく、〝決心〟だったと。

次の日学校に行くと、千名美が亡くなったと聞かされた。

なんで、あんなに元気だったのに・・・と思った。

・・・担任は、絶対に聞きたくない言葉を口にした。

彼女は病死ではない。〝自殺〟だった、と。



記念の100話目なのに、暗い話で申し訳ない・・・。

ここからは元気に行きましょう!

☆コメント返信のコーナー☆

・颯★改さん
「ピチューンとは作者さん貴方さては、東方ファンだな?」

→YES。東方グッズで何円使ったか、わかったもんじゃごさいませぬ。

・颯★改さん
「なるほど作者さんはガンダムも知っていると・・・」

→まぁ、はい。詳しくは見てませんけど、最近だとユニコーンガンダムのやつを見ました。

・ノベルバユーザー192187さん
「メタい。けど、面白いな!」

→そう言っていただけると嬉しいです。メタ発言は、してなんぼだと思っています。自重なんて知らない。

皆様のおかげで、100話到達することが出来ました!本当に、応援ありがとうございます!

コメント

  • ラァ氏

    100おめ!

    1
  • ミラル ムカデ

    これからのクオリティーの高さの向上と更新速度倍でお願いします‼️

    2
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