女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
38話 転機となった文化祭 その3
11月31日。文化祭2日目。
俺と理子と聖菜は、昨日と同じ時間に、同じ場所を歩いていた。
理子と聖菜が
「大丈夫なの?」
としきりに問いかけてくる。ま、そりゃそうか。
「大丈夫だって。昨日はちゃんと寝れたし。」
「「でも・・・」」
 
「いいからいいから。ほら、もうすぐ学校だぞ。」
「大和・・・」「無理は・・・しないでね?」
「・・・あぁ、分かってるさ。」
俺はそう返事をした。・・・ごめん、約束はできない。今日は昨日より、頑張らなくちゃいけないんだ。
俺が教室で作業をしていると、聞きなれた声が聞こえてきた。
「大和先ぱ~い!!」
奈緒がこっちに走ってきた。あれ、クラスの準備はいいのか?
俺がそう思っていると、
ギュッ
「・・・はぇ?」
奈緒が、抱きついてきた。
・・・え、なにこれ、どういう状況?なんで抱きしめられてんの?
「・・・理子先輩から聞きました。昨日、 倒れたんですよね・・・?」
あぁ、そういうことか。
「・・・あぁ、そうだけど・・・。」
そう返事すると、
「・・・なんで、そんなになるまで無理をしたかは知りませんが・・・大和先輩には、にこやかに笑っていてほしいのです・・・。」
そう、言われた。・・・はは、情けねぇや。後輩にまで心配かけちまって・・・。
「・・・大和くん。」
ふと、横から声が聞こえた。
横を見ると、そこには
「・・・雫?」
いまにも泣きそうな顔をしている、雫の姿があった。
「理子ちゃんから聞きました・・・無事でよかった・・・。」
そういうと雫は、大粒の涙をボロボロと流し始めた。
「・・・ごめん、2人とも。・・・心配、かけちまったな。」
「っう、ぅえっ・・・ばかぁ・・・」
「大和先輩・・・。」
「・・・ほんとうに、すまなかった。」
「っ・・・し、仕方ない人ですね。特別に許してあげますよ。」ゴシゴシ
「先輩ぃ・・・」ギュウゥ
「はは、よしよし」ナデナデ
「!?・・・~~/////」
「・・・イラッ☆」
このあと、何故か奈緒と雫がニコニコしながら、いがみ合っていた。どうしたんだ、一体?
さきほど、俺が「昨日より頑張らなくちゃいけないんだ」と言ったのは、少し訳がある。
昨日は生徒だけだったのだが、今日は一般の方も来る。
つまり、今日が稼ぎ時。クラスは昨日よりザワザワとしていた。
先生が
「みなさん、今日が1番の稼ぎ時です!!ガッポガッポ儲けてしまいましょー!!!」
(」’ω’)」オォオォオ!!!ウウゥゥアアォオ!!!!!!
男子も女子も、一段とさわいでいる。(中守先生は、金の話になると、人が変わる。皆!こんな大人にはなるなよ!)
そして、始まりのチャイムが鳴り出した。
さぁ、ショータイムだ。
結果。
俺が出た午前中は、噂を聞きつけた、近くの高校女子や大学女子ばかり。俺はゾンビ役なのに、逆にゾンビに追われる気分になった。
午後になり、俺が外れると、途端に女子の入りがなくなり、あっても小さな子供やその親くらいだった。
文化祭は終了したが、しばらくの間、俺のあだ名が「イケゾン大和」となってしまった。
どうしてこうなった・・・。
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