あえて鈍感のふりをしてみた
プロローグ
〈裕太視点〉
新千歳空港に到着。今度から住む家は札幌らしい。
「うわ、寒い…3月なのにこんな寒いのか…」
 俺は幼稚園から小学校6年の卒業までアメリカで過ごしていた。
幼稚園の頃に母さんが病気で亡くなった。
 母さんが亡くなってから父さんの仕事の関係で一緒についていったからだ。
「んと、お父さんは…おっ、いたいた。」
 仕事の関係で俺より1年早く帰国した父さんと合流。
これから新しい俺の家に行く。
「おう裕太、久しぶりだな。ホームステイ先の人にはきちんと挨拶したか?」
「うん、みんなすごい泣いてた。また来てねって。」
「そうか、またアメリカに行った時はお世話になるかもな。よし、それじゃあ行こうか。新しい母さんも、妹も待ってるからな。」
そうだ。俺にはこれから新しく母さんだけでなく、1つ下の妹もできるらしい。なんでもすごく可愛いらしい。
「うん。でも仲良くできるかな?春ちゃんだっけ?」
「あぁ、大丈夫だ。春は良い子だよ。きっとすぐに仲良くなるさ。」
 どうかな、一緒に過ごしているうちに「キモいからあんたどっか行ってくんない?」とか言われたら怖いな。
 そんな不安を抱えたまま駐車場まで行き、車に乗った。
車が走り出した瞬間、一気に眠気が襲って来た。
「…ぅた…ゆ…た…裕太!」
「…ん、あれ、もう着いたの?」
どうやら車の中で寝てしまったらしい。父さんがゆさゆさと俺の体を揺らして起こした。みると、新築の家があった。
「おう。これから住む家だ。しかも新築だぞ。そしてこれから新しい家族に会うから心の準備しとけよ。」
これから新しい家族に会える。憧れてた妹ができる。そのことを思うとどうしてもにやけが止まらない。
「だらしねぇ顔だな。ほら、行くぞ。」
「うん。」
そうして父さんは家のドアを開けた。
中からお帰りという声が聞こえる。
父さん以外の人からの久しぶりの日本語で、少し緊張してる。
「ただいまー。裕太連れて来たぞ。ほら、挨拶。」
あ、やばい、なんて言うんだっけ?あー!もうなるようになれ!
「A..well..I'm Mizuno Yuta. Ah...Nice to meet you.…あ、よろしく。」
最悪だ。緊張しまくって全部英語で言ってしまった。日本語慣れない…しかもずつと下向いてしまった…
そして後悔しながら顔を上げると…天使がいた。
いや、冗談じゃない。
茶髪のショートカットで、身長は俺より少し低いくらい。目はクリッとしていて、頬は少し赤く染めていた。
そしてその天使は緊張した顔つきで口を開いた。
「は…はろー…あ、あい、あむ?…あいあ、む…春、水野…」
Oh…天使だ…
〈春視点〉
 今日から私に兄さんができるそうです。父さんと母さんが言うにはものすごくイケメンらしいですが、私はそんなことは別に気にしてません。
 私は一人っ子だったので、兄弟や姉妹がずっと欲しかったです。特に兄や姉は本当に欲しかったです。
 その夢が今日ついに叶います!にやけが止まりません…
「はるー、そっちの飾り付けできたー?」
「まだです。もう少しで終わります。」
「それ終わったらさ、こっち手伝ってー!料理もうすぐできるから。」
「わかりました。」
 私は今、兄さんのお帰りなさいパーティのために飾り付けをしています。
どんな反応してくれるんでしょうか。よろこんでくれますかね?
そんなこと考えてたら飾り付けが終わってしまいました。
それでは母さんを手伝いましょうか。
料理も運び、部屋も掃除して、もう準備は完了です!
そろそろ帰ってくるらしいですが、待ち遠しいです。
「はるー、裕太君来たらまず何する?」
兄さんと一緒にしたいことはいっぱいあります。その…抱きついたり…お風呂で流しっこしたり…一緒に寝たりとか…。でも、母さんにそんなこと知られたくないのでとりあえずごまかしましょう。
「そうですね…アメリカの話聞きたいです。」
なんで母さんはこんなにニヤニヤしてるんでしょうか…
まさか、バレてる?いや、そんなことはありえません。話したことないですし。
「へぇー…てっきり抱きついたり一緒にお風呂入ったり一緒に寝たりするかと思ってたわ。」
「な!」
なんでバレてるんですか!!私声に出してましたか!?
「んー?あ、図星?」
「そそ、そんなわけななな、ないじゃないですか!はは、はしたないです!!」
「へぇー…なんで慌ててるのー?」
「あああ、慌ててなんかないです!!」
「まぁ父さんに聞いた限りの裕太君ならやってくれるんじゃない?それら全部。」
「しないです!!」
最悪です…はぁ…初めましてなのに兄さんの顔まともに見れるんでしょうか。
「まあそんな話は置いといて、春、ちょっと自己紹介の練習しようか。」
そんな話って…あと、なんで今更自己紹介の練習?
「ただいまー。裕太連れて来たぞ。ほら、挨拶。」
ついに帰って来ました!あぁ、私の新しい兄さんですか。顔は下を向いててよく見えません。
すごく緊張してるみたいです。
「A..well..I'm Yuta Mizuno. Ah...Nice to meet you.…あ、よろしく。」
え、英語…あぁぁ、ど、どうしましょう…私のあんな下手くそな英語をこんなペラペラな人に披露しなきゃいけないんでしょうか…なんか顔も火照ってきました…
そんなこと思ってると兄さんが顔を上げました。
たしかにすごくイケメンです///髪は私より少し明るめの茶色でベリーショートで、清潔感があります。身長は私の方が少し小さいですね。パッチリとした目に背筋がピンとしています。
あぁ恥ずかしいです。もうなるようになれです…
「は…はろー…あ、あい、あむ?…あいあ、む…春、水野…」
兄さんは唖然としてます。
そんなに変だったでしょうか…
…変ですね…もう、最悪です…
新千歳空港に到着。今度から住む家は札幌らしい。
「うわ、寒い…3月なのにこんな寒いのか…」
 俺は幼稚園から小学校6年の卒業までアメリカで過ごしていた。
幼稚園の頃に母さんが病気で亡くなった。
 母さんが亡くなってから父さんの仕事の関係で一緒についていったからだ。
「んと、お父さんは…おっ、いたいた。」
 仕事の関係で俺より1年早く帰国した父さんと合流。
これから新しい俺の家に行く。
「おう裕太、久しぶりだな。ホームステイ先の人にはきちんと挨拶したか?」
「うん、みんなすごい泣いてた。また来てねって。」
「そうか、またアメリカに行った時はお世話になるかもな。よし、それじゃあ行こうか。新しい母さんも、妹も待ってるからな。」
そうだ。俺にはこれから新しく母さんだけでなく、1つ下の妹もできるらしい。なんでもすごく可愛いらしい。
「うん。でも仲良くできるかな?春ちゃんだっけ?」
「あぁ、大丈夫だ。春は良い子だよ。きっとすぐに仲良くなるさ。」
 どうかな、一緒に過ごしているうちに「キモいからあんたどっか行ってくんない?」とか言われたら怖いな。
 そんな不安を抱えたまま駐車場まで行き、車に乗った。
車が走り出した瞬間、一気に眠気が襲って来た。
「…ぅた…ゆ…た…裕太!」
「…ん、あれ、もう着いたの?」
どうやら車の中で寝てしまったらしい。父さんがゆさゆさと俺の体を揺らして起こした。みると、新築の家があった。
「おう。これから住む家だ。しかも新築だぞ。そしてこれから新しい家族に会うから心の準備しとけよ。」
これから新しい家族に会える。憧れてた妹ができる。そのことを思うとどうしてもにやけが止まらない。
「だらしねぇ顔だな。ほら、行くぞ。」
「うん。」
そうして父さんは家のドアを開けた。
中からお帰りという声が聞こえる。
父さん以外の人からの久しぶりの日本語で、少し緊張してる。
「ただいまー。裕太連れて来たぞ。ほら、挨拶。」
あ、やばい、なんて言うんだっけ?あー!もうなるようになれ!
「A..well..I'm Mizuno Yuta. Ah...Nice to meet you.…あ、よろしく。」
最悪だ。緊張しまくって全部英語で言ってしまった。日本語慣れない…しかもずつと下向いてしまった…
そして後悔しながら顔を上げると…天使がいた。
いや、冗談じゃない。
茶髪のショートカットで、身長は俺より少し低いくらい。目はクリッとしていて、頬は少し赤く染めていた。
そしてその天使は緊張した顔つきで口を開いた。
「は…はろー…あ、あい、あむ?…あいあ、む…春、水野…」
Oh…天使だ…
〈春視点〉
 今日から私に兄さんができるそうです。父さんと母さんが言うにはものすごくイケメンらしいですが、私はそんなことは別に気にしてません。
 私は一人っ子だったので、兄弟や姉妹がずっと欲しかったです。特に兄や姉は本当に欲しかったです。
 その夢が今日ついに叶います!にやけが止まりません…
「はるー、そっちの飾り付けできたー?」
「まだです。もう少しで終わります。」
「それ終わったらさ、こっち手伝ってー!料理もうすぐできるから。」
「わかりました。」
 私は今、兄さんのお帰りなさいパーティのために飾り付けをしています。
どんな反応してくれるんでしょうか。よろこんでくれますかね?
そんなこと考えてたら飾り付けが終わってしまいました。
それでは母さんを手伝いましょうか。
料理も運び、部屋も掃除して、もう準備は完了です!
そろそろ帰ってくるらしいですが、待ち遠しいです。
「はるー、裕太君来たらまず何する?」
兄さんと一緒にしたいことはいっぱいあります。その…抱きついたり…お風呂で流しっこしたり…一緒に寝たりとか…。でも、母さんにそんなこと知られたくないのでとりあえずごまかしましょう。
「そうですね…アメリカの話聞きたいです。」
なんで母さんはこんなにニヤニヤしてるんでしょうか…
まさか、バレてる?いや、そんなことはありえません。話したことないですし。
「へぇー…てっきり抱きついたり一緒にお風呂入ったり一緒に寝たりするかと思ってたわ。」
「な!」
なんでバレてるんですか!!私声に出してましたか!?
「んー?あ、図星?」
「そそ、そんなわけななな、ないじゃないですか!はは、はしたないです!!」
「へぇー…なんで慌ててるのー?」
「あああ、慌ててなんかないです!!」
「まぁ父さんに聞いた限りの裕太君ならやってくれるんじゃない?それら全部。」
「しないです!!」
最悪です…はぁ…初めましてなのに兄さんの顔まともに見れるんでしょうか。
「まあそんな話は置いといて、春、ちょっと自己紹介の練習しようか。」
そんな話って…あと、なんで今更自己紹介の練習?
「ただいまー。裕太連れて来たぞ。ほら、挨拶。」
ついに帰って来ました!あぁ、私の新しい兄さんですか。顔は下を向いててよく見えません。
すごく緊張してるみたいです。
「A..well..I'm Yuta Mizuno. Ah...Nice to meet you.…あ、よろしく。」
え、英語…あぁぁ、ど、どうしましょう…私のあんな下手くそな英語をこんなペラペラな人に披露しなきゃいけないんでしょうか…なんか顔も火照ってきました…
そんなこと思ってると兄さんが顔を上げました。
たしかにすごくイケメンです///髪は私より少し明るめの茶色でベリーショートで、清潔感があります。身長は私の方が少し小さいですね。パッチリとした目に背筋がピンとしています。
あぁ恥ずかしいです。もうなるようになれです…
「は…はろー…あ、あい、あむ?…あいあ、む…春、水野…」
兄さんは唖然としてます。
そんなに変だったでしょうか…
…変ですね…もう、最悪です…
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コメント
カエデ
天使がおる(*´∀`)ホクホク