【佳作受賞作品】おっさんの異世界建国記
農耕を始めよう(14)
それに、部屋の中にはトイレかバスルームが知らないが扉が一つ存在しているのが確認できる。
おそらく、この部屋だけで私生活が完結できるように作られているのだろう。
部屋の間取りをチェックしながら、敵がどこから襲撃してくるのか頭の中で考えていたところ「失礼いたします」と、俺を案内してきたのと別のメイドがティーワゴンを引いて部屋に入ってくる。すると「お茶の用意を致します」と、有無も言わさずに装飾が過度に施されたティーワゴンに積んでいたティーカップやアフタヌーンティースタンドを、室内のテーブルの上に置いていく。
俺は、サンドイッチやスコーン、ケーキなどが置かれている多段式のスタンドを見ながら、「どうしてお茶会の準備?」と心の中で突っ込みを入れる。
たが、せっかく用意してくれているのだ。
メイドに、お茶会の準備は必要ないというのも日本人としての感性を持っている俺からは言い辛い。
まぁ食べ物を用意してくれているのだ。
それならありがたく頂くとしよう。
毒関係は俺の回復魔法で何とかなるからな――。
俺は一度、お茶に関しては思考を放棄することにして室内を見渡す。
室内の一角には、身長が170センチはある俺が3人で寝ても大丈夫なくらいの大きいベッドが置かれている。
さらには白で統一されたクローゼットに箪笥のような物までも置かれており縁は全て金と銀で細工が施されていた。
どうやら、ニードルス伯爵家はかなりの資産を持っているようだな。
家具の配置を一通り終えるとベランダに出る。
ベランダからは、リルカ達が今日から泊まる別館を見下ろすことが出来る。
本館外は、多少出っ張りはあるが、人の体重を支えるほどの出っ張りは見当たらない。
どうやら、外からの襲撃を受けることはないと考えていいな。
「ふむ――」
「神田様、どうかなさいましたか?」
「うお!?」
俺が立っている場所から一歩下がった場所で待機していたであろうメイドが俺の様子がおかしい事に気が付いたのか話かけてきた。
「いや、なんでもない。それよりも……、どうして俺は別館じゃないんだ?」
「当主様のご命令ですから――」
「当主というと、ニードルス伯爵がか?」
「はい、奴隷の方は別館ということで神田様は、今後の商談もありますので当主様の部屋に近いお部屋を用意しろということでした」
「なるほど……」
俺は、バスルームかトイレに繋がる扉を見ながら何となくだが納得する。
完全に信じたわけではないが、ここまで贅沢な部屋を用意しておいてこちらの命を取りにくる可能性は非常に低いように思われる。
それに襲ってくるとしても寝静まった頃に暗殺者などを呼んでくるのが常識だ。
まさか当主のスザンナ様が、俺の命を直接、夜に襲ってくることはないだろう。
そこまで恨みを買っているとは思えないし……。
「スザンナ様――」
考えごとをしていると、お茶の用意をしていたメイドが扉の方へ頭を垂れているのが目に入った。
そこに立っていたのは、先ほど執務室で出会った鉄仮面を頭に被った女性であった。
服装は、淡い赤い色のドレスを着ていてフリルが至るところに施されている。
「――して、どうです?」
「はい! ご用意できております」
「終わったのなら下がりなさい」
「「かしこまりました」」
ニードルス伯爵の威圧が込められた言葉にメイド達は頭を下げると、すぐに部屋からで出ていく。
扉が閉められると部屋の中は静寂に包まれた。
「ニードルス伯爵様、どうして……、ここに?」
「少し、話をしたいと思っていまして――」
彼女は途中で、言葉を紡ぐことを止めると少し迷ったあとに「神田様、椅子へ座られては?」と俺に語りかけてきた。
おそらく、この部屋だけで私生活が完結できるように作られているのだろう。
部屋の間取りをチェックしながら、敵がどこから襲撃してくるのか頭の中で考えていたところ「失礼いたします」と、俺を案内してきたのと別のメイドがティーワゴンを引いて部屋に入ってくる。すると「お茶の用意を致します」と、有無も言わさずに装飾が過度に施されたティーワゴンに積んでいたティーカップやアフタヌーンティースタンドを、室内のテーブルの上に置いていく。
俺は、サンドイッチやスコーン、ケーキなどが置かれている多段式のスタンドを見ながら、「どうしてお茶会の準備?」と心の中で突っ込みを入れる。
たが、せっかく用意してくれているのだ。
メイドに、お茶会の準備は必要ないというのも日本人としての感性を持っている俺からは言い辛い。
まぁ食べ物を用意してくれているのだ。
それならありがたく頂くとしよう。
毒関係は俺の回復魔法で何とかなるからな――。
俺は一度、お茶に関しては思考を放棄することにして室内を見渡す。
室内の一角には、身長が170センチはある俺が3人で寝ても大丈夫なくらいの大きいベッドが置かれている。
さらには白で統一されたクローゼットに箪笥のような物までも置かれており縁は全て金と銀で細工が施されていた。
どうやら、ニードルス伯爵家はかなりの資産を持っているようだな。
家具の配置を一通り終えるとベランダに出る。
ベランダからは、リルカ達が今日から泊まる別館を見下ろすことが出来る。
本館外は、多少出っ張りはあるが、人の体重を支えるほどの出っ張りは見当たらない。
どうやら、外からの襲撃を受けることはないと考えていいな。
「ふむ――」
「神田様、どうかなさいましたか?」
「うお!?」
俺が立っている場所から一歩下がった場所で待機していたであろうメイドが俺の様子がおかしい事に気が付いたのか話かけてきた。
「いや、なんでもない。それよりも……、どうして俺は別館じゃないんだ?」
「当主様のご命令ですから――」
「当主というと、ニードルス伯爵がか?」
「はい、奴隷の方は別館ということで神田様は、今後の商談もありますので当主様の部屋に近いお部屋を用意しろということでした」
「なるほど……」
俺は、バスルームかトイレに繋がる扉を見ながら何となくだが納得する。
完全に信じたわけではないが、ここまで贅沢な部屋を用意しておいてこちらの命を取りにくる可能性は非常に低いように思われる。
それに襲ってくるとしても寝静まった頃に暗殺者などを呼んでくるのが常識だ。
まさか当主のスザンナ様が、俺の命を直接、夜に襲ってくることはないだろう。
そこまで恨みを買っているとは思えないし……。
「スザンナ様――」
考えごとをしていると、お茶の用意をしていたメイドが扉の方へ頭を垂れているのが目に入った。
そこに立っていたのは、先ほど執務室で出会った鉄仮面を頭に被った女性であった。
服装は、淡い赤い色のドレスを着ていてフリルが至るところに施されている。
「――して、どうです?」
「はい! ご用意できております」
「終わったのなら下がりなさい」
「「かしこまりました」」
ニードルス伯爵の威圧が込められた言葉にメイド達は頭を下げると、すぐに部屋からで出ていく。
扉が閉められると部屋の中は静寂に包まれた。
「ニードルス伯爵様、どうして……、ここに?」
「少し、話をしたいと思っていまして――」
彼女は途中で、言葉を紡ぐことを止めると少し迷ったあとに「神田様、椅子へ座られては?」と俺に語りかけてきた。
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