邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百八十話 インターナル・スクアブル

9章 Grim happy end


(なんともわかりやすい差別ですね……)

畑の先、魔道具マジックアイテムにより一部分だけ不自然に近代化が進んでいる場所に行くと、この集落の現状を簡潔に表した現場に遭遇した。

「ほらほらいいぞ!殺れ!そこだ!ぎゃはははははは!!!」

(……麦酒ビール葡萄酒ワイン、普通に水を飲んでいる個体もいますが……その水も村民達が飲んでいたような薄汚れたものではなく一切の曇りもない綺麗な水ですね。魔力の気配があるので、多分魔法か魔道具マジックアイテムで作りだしたんでしょうけど)

そうして、シグレはさらにその中心へと近づいていき、ケンタウロスの巨体に隠されて見ることが叶わなかった熱狂の理由を見ることが出来た。

(……)

飛び散る血、流れ落ちる鼻水と涙と涎の混ざった液体。
不器用に剣を持った男がもう一人を泣きながら切りつける。

(村民に殺し合いをさせているのですか)

人間だって奴隷制が存在していた時は剣闘試合などで人間を戦わせていたのだ。
昔の支配者階級の人間のように、種全体で他の人間を見下しているケンタウロスこのばけものどもならやるだろう。
下等種族は我々の道具として生き、道具だから何をしても良くて、そして何がなんでも我々上位種族を楽しませることが下等種族たる人間の使命にして最上の幸福であるとでも思っているのだろう。
証拠に、ケンタウロスの輪の中心、凄惨にして無慈悲なる闘いには喝采が鳴り響き、「この出会いを与えた我々に感謝せよ!」と大真面目に叫ぶケンタウロスもいるくらいである。

へっぴり腰でまるで力の入っていない攻撃が腰の曲がった男に振り下ろされ、肩口をゆっくりと沈み込むように切り裂いていく。

それに対しケンタウロス達は各々の嘲笑で持って輪の中心で踊る下等種族にんげんたちを褒め称える。

「……死んだな。これでこの試合は終わりだ」

「…………や、やった!これで俺は解放されるんだな!?」

ケンタウロスの言葉を聞いた瞬間、先程剣を振り下ろし同族を殺した男が歓喜の表情を浮かべて先程までとは比べ物にならない機敏な動きで立ち上がり、試合の終わりを宣言したケンタウロスに詰め寄る。

「ああ、終わりだとも」

ケンタウロスはゆっくりと立ち上がり、駆け寄ってくる男を見ていた。


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