邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百七十三話 アプライザル・ブラッディウォーター

9章 Grim happy end


そうしてテリトリーを犯したシグレに、数多の怪物達が襲いかかる。

「あ、そういえば鑑定してませんでしたね。鑑定」

ー鑑定がレベルアップしましたー

血怨水 ☆6

元は普通の水だったが散りゆく怪物の怨念を永きに渡り大量に溜め込んだ土地に流れ込んだことで変容してしまったもの。
水自体ではなく土地に怨念が根付いているため、この水を汲んで運んだ場合、この水は普通の水になってしまう。
逆に通常の液体をこちらに持ち込んだ場合、即座に血怨水へと変貌する。
触れた怪物を怨念により凶暴化及び強化する。
この能力は土地に根差したものであるため、土地に踏み込んだ瞬間に発動する。
そして、この汚染は汚染されたもの本体及び体液に触れるなどした場合でも伝染する。

もしやと思い鑑定してみたところ、やはりこの水も普通の水ではないようである。

「うわぁ……これもしかしなくても危ないですねぇ……というかあのアナウンスこれのせいですか……危ない危ない。一歩間違えたらこの怪物たちと同じになっていたとは……」

小型のピラニアが、鋭き口を心臓へと向けて突進してきたダツのような生物が、それ以外にもありとあらゆる生物達がシグレに襲いかかる。

「しつこいですねぇ……しかたない。向こうの荊と合わせて、少し掃除しますか」

そういったシグレは襲い来る怪物たちの攻撃を回避するのをやめた。
すると、今までは全く命中していなかった怪物たちの牙や爪が少しつづシグレの体を掠めるようにして命中するようになる。

一撃、鋸のように鋭い牙がシグレの腕を掠める。
二撃、頭上からの急降下より繰り出される鋭き爪がシグレの頬を掠める。
三撃、鋭き口の持つものの突進が足を掠め、後方へと消えていく。
四撃、後方からの風の刃がシグレの指先を掠める。
五撃、鮫のような生物の突進が肌を擦り、皮膚が裂ける。

一撃、二撃、三撃。
こうして攻撃を受ける事に、シグレの首の下、心臓や肺が位置するその場所からは、妖しげな、それでいて美しい深紅の光が放たれ、その勢いを増して行った。

「遮音結界、ブラインドカーテン」

攻撃対象は、眼下に広がる血河から100mほど、これで、あの血の荊をも突破することが出来るだろう。

溜力チャージング完了コンプリート魔法作成クリエイト・マジック

受けた攻撃が百に届こうかと言う時にシグレは小さくそう呟き、後に新たな地獄を産むこととなる言葉を呟いた。

炸薬爆斬弾バンガロール・ブレードアタック

 
遮音結界とブラインドカーテンはどちらも認識阻害の魔法です。
音と視覚をそれぞれ惑わします。

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