邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百二十六話 Howard Philips Lovecraft

8章 復活儀式


溢れ出る邪心に従い、三次元世界への侵攻を画策したニャルラトホテプだったが、そのままでは絶対にその侵略は失敗してしまうことが確定していた。
なぜなら、決定的な障害が存在したのである。

多くの種族を支配し、多次元世界を混乱の渦に突き落とさんとするニャルラトホテプの蛮行は、瞬く間に他の知性ある神へと知れ渡ったのである。

君たちの言う生ける火球クトゥグアやニャルラトホテプと同じくアザトースの切り離された感情から産まれたツァトゥグァや秩序の守護者たるノーデンスを初めとする神たちの妨害があったのである。

数多の邪心を取り込んできたニャルラトホテプは消滅、あるいは封印されることはかろうじて回避したが、迫る神の軍勢に耐え切ることはできず、ついには大胆にして狡猾なる一手を打った。

それが、『クトゥルフ神話』を作り上げることだ。
知っての通り、神の姿は生物の信仰や認識によって左右される。
それを利用し、自らと敵対する数多の神々の姿を規定することで、自らに歯向かうものを消し去ろうとしたのである。

しかし、ここにひとつの大きなハードルがあった。
かつて我々の存在していた多次元世界と三次元世界において、干渉は基本的に不可能なのである。

唯一の例外として、神となったものを多次元世界こちらがわに昇華させることを初めとするアザトースによる三次元世界への一方的な干渉が存在するが、ニャルラトホテプにそんなことが出来ようはずがない。

幾多の種族を支配し、狂気に貶めてどれだけ力をつけたとしてもやつにできるのは思念を送るだけだった。

それも、人の心を改変したり、狂気に貶めることも無い。
本当に、ただ、声や姿を送るだけだった。

しかし、ただ声を送るだけでもニャルラトホテプには充分な武器であった。

紀元前において人間が台頭するよりも前に存在した四足歩行の知的生物、古代エジプトの大神官。
時代を超えて様々な知的生物達に自らのイメージを送り付け、様々な話術を用いて自らを信仰するように仕向けたのである。

こうして、数億年、いや、この世界において地球という惑星が誕生するよりも前から、神々と戦いながらもニャルラトホテプやつは邪悪の芽を育てていたのである。


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コメント

  • 冴羽

    クトゥルフ神話を書きたいのかVRMMOを書きたいのか
    その部分がわかりにくいかなぁ・・・
    両方絡めててるならまだわかるけど、VR要素は序盤と比べて
    申し訳程度しかないからね

    0
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