邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百八十八話 隠世にて

8章 復活儀式



「久しぶりに死にましたね……」
『一回だけだけどな』
『いや、シグレさん基準の一回死亡はかなりのものだからね?』
『世界が戻ってよかったな?解放者よ』
『クァチルのシグレさんに対する呼び方が不安定すぎる……』
『しかたない。そういうやつだ』
「いやぁ、それにしても、やってくれましたね。これは……」

シグレの眼前に広がるのは、ただどこまでも広がっていく虚無であった。

「原典の再現が過ぎるでしょうに」
『劫火と雹乱が世界の三分の一を消し去る。だったか』
『しっかり三分の一だけ、しかしその三分の一は虚無になるまで破壊されている』
『まさに破滅、まさに終焉、黙示録の体現。恐ろしいものだ』
「しかし、ここまでとは……発動条件やデメリットがない時点で予想はしていましたが……」
『うん、これ、発動すること自体・・・・・・・・がデメリット、自分を殺すことにもなりえてしまうね』
『自分の死と引き換えに世界を滅ぼす大禁呪がこうも単純だとは……皮肉だな』
「おかげでピースが消えましたし……封印ですねこれは」
『ああ、そうだな……これは、人の手に余る代物だ』

「さて、のこりは……」

刻天統兎

時空を刻むもの。

隠世かくりよ
効果:別世界の創造。
及び自由な移動権限

なんともまぁ、便利な代物である。
使ってみたところ、真っ白な世界の創造が可能だった。
エンプティ・ワールドも統合されたようで、先程の虚無の世界は既に消失した。
牛や豚などの生物はおろか草などすら存在しない無機質な世界を生成することができず、ただひたすらに白い壁が広がっているだけの代物が完成した。

どうやら生物やアイテムは自発的な生産、発生はないものの外から持ち込む形であれば問題ないようである。

地母神の権能をフル活用して土や水、草木や牛などの家畜を用意し、地中に龍脈を張りめぐらせる。

最後に、今回新たに手に入れた時空の権能作り出した箱庭の内部時間を加速し、超高速化することで、本来数百年かかる文明の発展と衰退を数秒に圧縮し、数秒の間に凄まじい量の進化を遂げるようにした。

「さて、それでは戻りましょうか」

そう言ってシグレはエンプティ・ワールドから帰還し、従魔たちには狩りと巡回に向かわせ、遠方の邪神たちとスキルの確認をするのだった。


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