第二百七十九話足掻く首吊り男

8章復活儀式

「さて、どうするんです？私をこんな寂れたところに転移させて」

少女が今も眠り続ける水晶の柩を横に携え、アルカードはシグレに転移させられた先、灰褐色の石材で形作られ、色褪せてしまった通路を見据えながらシグレにそう問うた。

その質問をかけてから一拍を置いてシグレが振り返り立ち止まる。

「ッ！」

アルカードは震撼する。
振り向いたシグレの背後には、萎びた赤子のような姿をしたなにかが、シグレの真後ろ、赤子のようなその矮躯でも触れようと思えば触れられる距離の空中にいたからだ。

アレハ、ヤバイ。

本能が自動的に警鐘を鳴らす。

コロサナクテハナラナイ。

シグレが何やら話しているようだがもはや耳に入らない。

見えない何かに突き動かされるように俯きがちだった頭が跳ね上がり、肉体は急激な駆動に発火するように熱くなるが、迅速に、それでいて確実に敵を殺すための最善手を打った。

瞬間、水晶の肉体を変成、人間のものを再現していた右腕を突撃槍ランスに変える。

周囲を水晶化し、灰褐色の石材を水晶化させて硬度を強化、足場を作り、足を馬のように変貌させて、一気に地を蹴る。
全身が加速する。
突撃槍ランスの穂先が白熱する。
音を置き去りにした、俊足の突撃。

「説明してたのに、なぜ襲い掛かるんですかね？」
「私を見て発狂してしまっていたぞ？我が同胞はらからよ」
「え……SAN値大丈夫ですかこの人」
「人間数値だと1とかであろう、そろそろ発狂するのではないか？この者は」

繰り出されたのは常人ならば反応すらできないであろう音速の突撃、しかし、ここに常人はいなかった。
音速の突撃はシグレの指先に簡単にとめられ、影から現れた鎖にアルカードは束縛された。

「……どういうことですか？」

神の呪いの効果でそれを解除しつつ、狂気から解放されて訝しげな顔でこちらを見やるアルカードはそう問いかけた。

「説明します？」

忠告するかのようにシグレはアルカードにそう問いかけ、背後の何かは動かずにこちらを見ている。
このままでは何も変わらない。
虎穴に入らずんば虎子を得ず。
アルカードは覚悟を決め、溜息にも似た息を吐き出しながら、頷いた。

ちなみに発狂するかどうかはリアルダイスで決めております。

今回のアルカードは強迫観念でした。

ダイスの女神様が作品をカオスに汚染していく……

こめんとへんしんこーなー

「Twitter今更フォローしましたww
これからも頑張ってください！」

はい、頑張らせていただきます！
Twitterでは基本呟かないかへんな事やってるだけですがお許しください。

ああ〜アヴァベルルピナスのクソゲーの予感がプンプンするぜぇ！(OBT民より)

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