邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百七十七話 愚者の終わらぬ旅路

8章 復活儀式


「とまあ、こんなことがありまして……」
「なるほど」

一通りの過去を語り切ったアルカードは、目を伏せ、カップに残った紅茶を飲みきると、シグレを見据えて困ったように手を上げた。

「それで?私に何をしろと?」

対面に座るシグレがそう問いかけると、アルカードはゆっくりと立ち上がり、自分の心臓を刺し貫いた・・・・・

勢いよく噴出し血に濡れるテーブルクロスを無視し、シグレは冷たい目でその傷を見やる。

「それがギフトですか。笑えない」
「ええ、本当に。救いようのないものですよ」
「さっきのコアを壊せば、確かに力は減るでしょう。貴方を殺せもする。でも、消滅させることは出来ない」
「そのとおり、これが我が力、我が最大の呪い」
「不死、ですか。なるほど、目的を達するには最適だ」
「ええ、その通りで、しかも神がご丁寧に仇敵の場所を教えてくれてですね。実にスムーズに進みましたよ。ついでに転移を無効化する結界もくれたので、逃げられませんでしたし」
「まぁ、これではそうでしょうねぇ……」

そう言ってシグレは目を細める。
その視界に表示されたアルカードのギフトは、シグレですら驚きを隠せなかった。

其ヲ束縛スル事能ワズネク・ヴィンクトゥム

現実改変
死亡、束縛、呪い、その他所持者に対するあらゆる不利益を改変。
結果を書き換えることで事象を“無かったこと”にする。

生存特化、一言で言い表すならそうだろう。

死ぬことは無い。
致死の攻撃は無効化される。
囚われることは無い。
囚われた事実ごと消えてなくなる。
呪われることは無い。
呪いなど、はなからなかったことになる。

「とはいえ、魔王の呪いは部分解除だけに留めましたがね」

戦闘能力の確保のために、一部だけ残しておいた。とアルカードはため息をつきながら話す。

「これが自分の生き死ににも適用出来たらいいんですがねぇ……残念ながらそちらは自動のようで、私が干渉することはできませんでした」
「しかも、魔王亡き後にもこの封印が解けることはありませんでした。どこまでも救いのないことです」

自嘲するように話し続けるアルカードは、どこからが取り出した水晶の柩を見やると、諦めとも絶望ともつかぬ表情を浮かべ、シグレの眼を見やる。

「さて、もう私の言わんとしていることはお分かりでしょう?」

「ええ」

「貴方には、私を殺していただきます」

いつの間にか宙には、幾つもの星が輝いていた。


常時解除不能で
リザオラル+ベホマ+シャナク+状態異常解除系(キアリクとか)。

そりゃ負けるわ
逆に勝てるやついるのこれ?ってレベルですね。

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コメント

  • ノベルバユーザー272057

    これ殺せたら他の奴らなんか「不死身なんてあった?」 って感じで終わりそう(笑)

    1
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