邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百七十三話 帰還

8章 復活儀式


シグレの周りで狼たちがすやすやと寝息を立てている。

最後まで見張りだと頑なに寝まいとした精霊狼王もいまや夢の中である。

(いや、精霊狼王じゃないか。ヴォルフさんでしたね)

転居にあたって、シグレは集落の代表たる精霊狼王に名を与え、己の眷属としていた。

それにより精霊狼王__ヴォルフはシグレとほぼ同じ力を得たが、そんな超越生物であっても睡魔には勝てないようである。

「むにゃむにゃ……あっちよお前何を……やめろ……」

『うっわ、夢の中でもシグレさんの夢見てる……』
『しかも模擬戦でボコボコにされてるじゃないか……幸いにして前会った時のスペックのシグレさんにだが……』
『まだガチ神状態じゃないだけましだね』

そんな邪神たちの雑談を聞き流しつつ、シグレは立ち上がった。

見張りには代わりに岩鉄を残している。
地母神の権能を限定的に使用出来る岩鉄が、この森に囲まれた場所にいるならば守りは盤石、この森にいる生物やモンスター程度なら姿を見せる前に瞬殺されるだろう。

最高峰の見張りと護衛を残して、シグレは新集落を後にしようと転移の魔法を発動する。



発動から一秒、
発動から五秒、
発動から十秒、

視界がきりかわることも無く、転移独特の浮遊感もない

(転移が、出来ていない?)

その疑念を確証に変えるためにシグレはもう一度転移魔法を確認する。

そして、確信した。

(転移ができない・・・・・・・!?私の領域内において、転移を無効化するほどの手練が?)

すぐに思い当たるのはただ一人、百の貌をもつ邪神の中の邪神ニャルラトホテプ。

『確かに、あいつなら侵入は容易だろうしこのたいミンクでやってきたことにも納得出来る』
『だけど、なんか違和感あるんだよねぇ。あいつってそんな無茶するやつだっけ?』
『確かに、普段から自分以外を見下して嘲笑うやつだが、こと戦闘などにおいてあいつが相手を過小評価し、0.1%でも死ぬ確率のある所に踏み込むことはしないが……』
「なんにせよ急ぎましょう。転移を妨害できるほどの力量を持った者がいるのは事実なのですし」

『そうだね』
『ああ』

そう言うとシグレは全てのスキルと魔法を全開放し、体の限界を超えて疾走した。


眷属はシグレの権能を一部分だけ使用できます。

使える権能一覧
フィー→虚神『対象選択不可(任意)』
戦神『戦神の天啓』
岩鉄→地母神『惑星操作』『龍脈探知』
因幡→凶神『精神汚染』
荒神『荒神化』
雲耀→界神『絶対結界』
空神『範囲内絶対知覚権』
メル→外神『空間創造』
粘神『全て呑むものアポカリプス
シル→狼神『狼帝』
眷神『群体眷属』
讐神『恩讐業火オンスロート
断罪神『断罪狼ロボ
禍神『神への妄執』
スカサハ→死神『絶対死亡の狂想曲デッドエンド・ラプソディ
逆神『反転』
瞳神『傍観者ゲイザー
理滅神『理滅』

一部変質したものも存在します
それぞれの効果は次回

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