邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百六十二話 演奏:Performance

7章 あゝ神よ


『何故だ!何故星の力たる神造兵装で殺せない!』

口から血を吐きながら、あるいは苦悶に咽びながら、腕を切り落とされたルキフグスは絶叫する。
もはやルキフグスには腕を治す余裕はなかった。

『どんな小細工を使ったかは知らないが……次は殺す!』

それと同時にルキフグスは切り落とされていない腕で神造兵装を構え、なおももうもうと立ち上る砂煙の中のシグレに神造兵装を向け、全力で振り下ろした。
再び目にも止まらぬ速度で神造兵装が振るわれ、砂煙に映る影にそれが接触する。

『星の力で、潰れて死ね!』

ルキフグスに腕に潰れる肉の感触が伝わる。

(った!これで終わりだ!)

肉の感触が伝わってから数秒後、星の力を秘めたその無骨な棍棒は、一ミリたりとも動いていなかった・・・・・・・・・・・・・・・

『何故っ……

刹那、ルキフグスの眼前を赤い光が駆け抜ける。
ルキフグスは咄嗟にそれを回避し、何故か晴れることの無い砂煙に疑問を抱きつつも警戒を強めた。

『ガフッ……』

空気を切り裂く音が一瞬なったかと思うとルキフグスの腹を何かが貫いた。
それは先程投擲された物、無念のうちに死した勇者の形見を継いだ阿修羅の刀。
それはルキフグスの身体を貫通することなく吹き飛ばし、ルキフグスを壁面に固定した。

そして、静寂に充ちた影の城に黒い孔が穿たれる。
見つめた先は混沌の世界、ルキフグスの目を持ってしても見抜けぬその世界の先で、何かと目が合った気がした・・・・・・・・・・・・

(_____ッ!?)

瞬間、ルキフグスは総毛立つ。

周辺の黒い孔からは様々な異形が出現した。

あるものはぶよぶよとした真っ黒の皮膚に覆われた体の至る所に瘤を備え、そこから真っ黒な膿を垂れ流す。
またあるものはぬらりとした体表からコールタールのような玉虫色の粘液を噴出し、蠢きながら「テケリ・リ」と冒涜的な鳴き声をあげる。
あるものは円錐状の頭部に太く曲がりくねって鋭く伸びた注射針のような舌を持ち、身体から凄まじい悪臭とともに青みがかった脳漿のような何かを垂れ流している。

そうして現れたモノの全てが見るものの精神を侵すとひと目でわかるほどの醜悪さと破滅的な要素を内包するとわかるトランペットやフルートと言った楽器を持ち、それを用いてあまりにも冒涜的な音楽キャロルを奏で続けていた。
静謐な城内に響く旋律はは形となり、より冒涜的で恐怖に満ちた旋律を奏でる。

そして、ルキフグスがそれに心奪われていた隙に、砂煙のシルエットが立ち上がり、軽々と神造兵装を弾き飛ばす。

ゆっくりと、しかし、確実に、砂煙を払うようにして立ち上がったそれは_____














人ではなく、異形であった・・・・・・・・・・・・


はい、普通の人がいたら1発でSAN値0になりますね。

ちなみに現れたのは
一番最初→演奏する下級の外なる神
二番目→みんな大好きショゴス
三番目→犬じゃないティンダロスの猟犬
旋律は形→生きている音トルネンブラ

クトゥルフ豆知識

トルネンブラとは『生きている音』と呼ばれる神。本体が音なのでこの世から『音楽』という概念が消滅しない限り死にません。
ちなみに天才音楽家に知識を与えるけど最終的にはアザトースの宮廷に連れて行って演奏させるそうな

SoftBankの通信障害で3話分くらいのデータが吹っ飛びました。(´;ω;`)

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