邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第二百三十二話 人面獣心
7章 あゝ神よ
開放された六人の男のうち三人が剣やダガーを構えながら黒獣に突貫していく。
残りの三人は魔法の詠唱に入ったり、弓に矢を番えたりしている。
「オォォォォォォォラァァア!」
先程まで一番騒いでいたリーダーらしき男が威嚇の為か大声を上げながら両手に構えた大剣を蠍型の黒獣に大上段から振り下ろす。
体重の乗った一撃は容易に黒獣の皮膚を切り裂き、体を両断する。
黒獣を切り裂いた男の成果に満足したのか周りの男達は
何が強いんだ。
嘘つくんじゃねぇ。
さっさとここを解放しろ。
と口々にシグレに罵声をあびせる。
「ハッ!俺にかかりゃぁこんなモンスター一撃だぜ!見てたかクソ野郎ども!さっさと
本人がシグレの方を指さしてそう言うと同時に、男の首が掻き消えた。
鳴り響くのはジェットエンジンのような轟音。
その発生源は____
勿論切り裂かれたハズの黒獣である。
両断された肉体はし何らかの手段によってくっつき完全に治癒しており、蠍型だったはずの体は尻尾を残して完璧に変貌している。胴体は獅子のごときに毛並みとなり、その体躯は森の木々に迫るほどである。
そして頭部は絶望に染まったような、恐ろしい表情の人間の顔であった。
獅子の体、蠍の尾、人面を持つ魔物。
人面獣心の魔獣、マンティコアを模した黒獣が、今まさに男の首を吹き飛ばした強靭な尻尾をゆらゆらと漂わせていた。
そこからはもはや語るまでもないだろう。
始まるのは蹂躙、幻獣クラスの生物を模倣した黒獣にとって通常の攻撃手段は通用しない。
「くっ、くるなぁ!」
前衛を殺し尽くしたマンティコア型の黒獣に後衛の男が火球を放つ。
シグレが最上級魔法を放っても無理だったのに最下級の火球程度で何ができるだろうか、放たれた魔法が黒獣の歩みを留めることは叶わない。
弓兵もナイフを投擲するがそれは一切抵抗なく黒獣の身体をすり抜け、黒渦へと呑み込まれた。
「ん?」
彼らの必死の抵抗は意味をなさず、後衛の男達もものの数秒で殺されてしまった。
結界を張ったため追加の黒獣が出現することは無いが、幻獣を模倣したものとなれば一体でも脅威である。
「いい機会ですから、私の発見した有効な攻撃手段をお見せしましょう」
その瞬間、シグレの腕が崩れ落ちる。
それと同時に黒獣がシグレに襲いかかるが、ドロドロに溶けた腕が動き出して黒獣を包み込む。
「溶解する漆黒の粘液、生物の体を骨も残さず溶解させるスライムの固有能力です。私も使えますがね」
初めは包み込むシグレスライムが激しく波打ち、暴れているのがよくわかるほどだったのだが、数秒でそれは大人しくなり、遂には消滅した。
「なるほど……ルーンとか以外にも効くもんがあるとは……」
「もう一つは消費が痛すぎるのでまた今度ということで、まあそれはそれとして、解析を始めましょうか」
そう言うと二人は、黒渦の前に立ち、その結界を解除した。
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(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
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開放された六人の男のうち三人が剣やダガーを構えながら黒獣に突貫していく。
残りの三人は魔法の詠唱に入ったり、弓に矢を番えたりしている。
「オォォォォォォォラァァア!」
先程まで一番騒いでいたリーダーらしき男が威嚇の為か大声を上げながら両手に構えた大剣を蠍型の黒獣に大上段から振り下ろす。
体重の乗った一撃は容易に黒獣の皮膚を切り裂き、体を両断する。
黒獣を切り裂いた男の成果に満足したのか周りの男達は
何が強いんだ。
嘘つくんじゃねぇ。
さっさとここを解放しろ。
と口々にシグレに罵声をあびせる。
「ハッ!俺にかかりゃぁこんなモンスター一撃だぜ!見てたかクソ野郎ども!さっさと
本人がシグレの方を指さしてそう言うと同時に、男の首が掻き消えた。
鳴り響くのはジェットエンジンのような轟音。
その発生源は____
勿論切り裂かれたハズの黒獣である。
両断された肉体はし何らかの手段によってくっつき完全に治癒しており、蠍型だったはずの体は尻尾を残して完璧に変貌している。胴体は獅子のごときに毛並みとなり、その体躯は森の木々に迫るほどである。
そして頭部は絶望に染まったような、恐ろしい表情の人間の顔であった。
獅子の体、蠍の尾、人面を持つ魔物。
人面獣心の魔獣、マンティコアを模した黒獣が、今まさに男の首を吹き飛ばした強靭な尻尾をゆらゆらと漂わせていた。
そこからはもはや語るまでもないだろう。
始まるのは蹂躙、幻獣クラスの生物を模倣した黒獣にとって通常の攻撃手段は通用しない。
「くっ、くるなぁ!」
前衛を殺し尽くしたマンティコア型の黒獣に後衛の男が火球を放つ。
シグレが最上級魔法を放っても無理だったのに最下級の火球程度で何ができるだろうか、放たれた魔法が黒獣の歩みを留めることは叶わない。
弓兵もナイフを投擲するがそれは一切抵抗なく黒獣の身体をすり抜け、黒渦へと呑み込まれた。
「ん?」
彼らの必死の抵抗は意味をなさず、後衛の男達もものの数秒で殺されてしまった。
結界を張ったため追加の黒獣が出現することは無いが、幻獣を模倣したものとなれば一体でも脅威である。
「いい機会ですから、私の発見した有効な攻撃手段をお見せしましょう」
その瞬間、シグレの腕が崩れ落ちる。
それと同時に黒獣がシグレに襲いかかるが、ドロドロに溶けた腕が動き出して黒獣を包み込む。
「溶解する漆黒の粘液、生物の体を骨も残さず溶解させるスライムの固有能力です。私も使えますがね」
初めは包み込むシグレスライムが激しく波打ち、暴れているのがよくわかるほどだったのだが、数秒でそれは大人しくなり、遂には消滅した。
「なるほど……ルーンとか以外にも効くもんがあるとは……」
「もう一つは消費が痛すぎるのでまた今度ということで、まあそれはそれとして、解析を始めましょうか」
そう言うと二人は、黒渦の前に立ち、その結界を解除した。
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