邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百二十六話 和解

7章 あゝ神よ


2人の視線の先では魔槍を受け止めていた二体の黒いゴーレムが白熱して溶融し始めており、魔槍はシグレの心臓を貫かんと少しずつその切っ先をシグレへと近づけていく。

「やばいですねぇ……」
星羊の巨楯アイギスはどうよ?』
「すでに貫通されましたよ」
『恐ろしいな……』
「ま、やるだけやりますか」

大いなる大地グランド・アース!及び魔兵創造ゴーレムクリエイト

瞬間、大地が鳴動する。
突然周囲の土が盛り上がり、森の木々すら呑み込み巨大なゴーレムを創り出した。

「ハッ!焼きが回ったか!?たった一体で俺の槍を防げるとでも思ったか!」

「ええ、思いますとも」

その言葉と同時に新たなゴーレムが起き上がる。
今度のゴーレムは邪黒石製ではなく、その体表は銀色、しかし単なる鉄製ではない。
その証拠に、先程のアビスやイーヴィルは数十秒しか持たなかったのにも関わらず火花こそ大量に上がるが今は砕け散るどころか罅が入る予兆すらないのだから。

その間にシグレは後方へと退避を済ませている。

現在の魔槍との距離は約50m、加速中のシグレであれば例え今すぐゴーレムを貫通されたとしても反応できる距離である。

一方、男は動かずに魔槍をじっと見つめている。
魔槍がシグレの体を貫くか、防ぎきるか。
それによって勝負は決まる。

数十秒後

「…………やめだ。どんだけ粘ってもこいつは壊せねぇ」

男___ケルトの大英雄クー・フーリンはそう言って自らの魔槍ゲイボルクを回収した。
その様子を見ながらシグレはクー・フーリンに向けて素晴らしいと拍手をする。

「いやあ素晴らしい!概念的保護を有する邪黒石を壊すとは!流石はケルトの大英雄クー・フーリンと魔槍ゲイ・ボルグ!」

「そんなんだったのか?やばいもん出すんじゃねぇよ……ま、何はともあれあの黒渦がお前のせいじゃないのは分かった。もっと有効な手段があるはずだからな。とりあえず、経緯を聞いてもいいか?嬢ちゃん」

「私は男です……あ、話自体は是非」

「よし分かった。ベオーク

ルーンが輝いたと思うと、地面から樺の木が生え、そこに二つの椅子と机を作りだした。

「まあ座れよ。さて、何から聞こうか……」

こうして、英雄と邪神の会議は始まった。


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