邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百九十五話 赤面女神、お酒を飲む

7章 あゝ神よ


「ああ……今まで築き上げてきた妾のイメージが……!うわぁぁぁぁぁ!!」

「赤面したと思ったら泣き叫んだ!?」

どうにか込み上げてくる笑いの衝動を鎮静化することに成功したセレスが驚き叫ぶ、そしてシグレはと言うと……

「まあまあ、これでも飲んで落ち着いてください。私の自信作ですので」

そう言いながら八塩折之神酒とお猪口を手に持ち、あくどい顔でそれを童女神アマテラスに近づける。
酒で落ち着かせて情報を得ようと言う腹だろうか?
ちなみに八塩折之神酒のアルコール度数は70近い、本来ならばこのような童女に勧めるものではないのだが______

「うわぁぁぁぁぁ……え?わーい酒だぁ!気が利くなお主!」

酒を見るなり飛び込んできた!
そしてシグレの手から酒樽から移された八塩折之神酒入りの一升瓶を奪い取るとそれをラッパ飲みし始めた。

先程までの威厳はどこへやら、地に落ちるどころか一周まわって天元突破している気がしないでもない。

「…………あはは」

セレスの乾いた笑みと憐れむような視線が何よりもそれを証明していた。

「神ってこんなのばかりなんですか?」

正直言って神話に語られる神々とは性格が遠く離れている気がするのだが。

封印されてるのにボケをかましてくる邪神とか
人外なのに人より人じみた邪神とか
言動がヤンキーな邪神とか
愉快犯で刹那主義の元太陽神とか
いかにも武人っぽいのに脳筋な武神とか
老人姿で泣き叫ぶ幼児退行の剣神とか
若干過保護気味な母性の塊の女神とか
目の前にいるキャラ崩壊した女神とか

あれ?むしろニャルやロキクズどもの方が神してないかこれ。

『何も言えねぇ……』
『いや、お前もう人間じゃないだろそもそも』
「失礼な、心と現実の体は人間ですよ」
『素で英霊と渡り合える奴を人間とは言わん』
「じゃあなんというんです?」
『なんだろうな……少なくとも、人ではないなにかであり、一部の人間しかなりえないものだ』

「案外近くにいるんですがね」
『ほう?興味深いな』
「色々と私の根幹に関わる人物ですよ。ま、その話はおいおいするとして……」
「まず、これをどうにかしましょうか」

シグレの眼前には、まだ半分以上酒が残っているにもかかわらず泥酔状態となって横たわる女神が居た。


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