邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百七十四話 汝、全てを憎悪せよ

7章 あゝ神よ


その現実は、分かっていたとしても到底耐えられるものでは無い。
最早純白であったはずの部屋や魔法陣はナニカの一部である得体の知れない物体へと変じ、それが視界を埋め尽くす。
それが意識を支配し、聞こえるはずのものも聞こえない。

誰にも望まれず、誰にも受け入れられない。
人々がどうか死んでくれ、どうか消えてなくなってくれと願うその身体は、そのココロは少しづつ、少しづつその場にいる全ての物の心を蝕む。

常人ならば一欠片の残滓ですら存在を知覚しただけで発狂してしまうであろうモノが、彼らの眼前に、その異様な身体をぬめぬめとした光沢で包み、混沌の元に降臨した。

『全テ、キエロ!!』

幾重にも上る怨嗟の叫びが耳朶を打ち、伝わる瘴気が肌を灼く。
漆黒の触手が暴れ回り、反応できない速度で全員の四肢や臓器を抉りとり、彼らをぼろ雑巾のように吹き飛ばす。

ー???による干渉を確認、…………抵抗しましたー
ー???による干渉を確認、…………抵抗しましたー
ー???による干渉を確認、…………抵抗しましたー
ー???による干渉を確認、………抵抗しま……………………

アナウンスが鳴り響き、今もシグレの精神が侵されようとしていることを伝えてくる。

神々がボロボロの体で拘束しようと迫るが、それは全て呑み込まれて消えてしまう。

既に神々の身体はぼろ雑巾のように歪になっており、身体を蝕まんとする瘴気と傷口から溢れる光粒がせめぎ合い、少しづつ傷口が黒い瘴気に蝕まれて消えていく。

万物に「燃焼」という結果を発生させるクトゥグアの焔が唯一の攻撃手段であるようだが、それすらもある意味では逆効果となってしまっている。

疲労、痛み、ダメージ、そういったものをこの粘体は必要以上に蓄積し、それすらも負の感情へと変えて力を増して再び襲い掛かってくるのだから。

神々の健闘は虚しく、それは刻一刻と成長していく。

全ては、世界への憎悪のために。

乱雑な言葉ばかりだったそれからは意思が芽生え始め、攻撃はより正確に、より効果的に____全てが最適化される。

やがて不定形の粘液であったソレは人の形をとり、光のない虚ろな瞳をこちらに向けながら、感情の無い顔と平坦な声音で絶望を告げた。

『さて、それでは死ね。愚鈍なる神々よ』

世界悪、顕現

其は、世界全ての負の感情、

即ち_______

憎悪也。


…………………………………うん。

あ、誤字脱字の指摘ありがとうございます!
クロシヲは間抜けなので誤字脱字が多いかもしれませんが何卒……(努力はしますので……)

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