邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百五十三話 拒絶者

7章 あゝ神よ


「あれはどういう原理なの?あのミノタウロス型ゴーレムと同じ?」

「ええ、と言っても使える魔法は結界を除いて一種類だけですけどね」

「なんで?」

「その代わりその魔法に超特化させたんですよ。本来魔法が100以上入るスペックをひとつの魔法に集約したわけです」

「なにそれこわい」
「恐ろしいな…」

「その弊害と言うべきかアビス__ミノタウロスの方ですが__には豊富な武装と魔法があるのに対し、イーヴィル__カトブレパスの方__は魔法一つとそれとは別に結界発生機構のみしかないんですよね」

「どんな魔法なのだ?隊長クラスの装備には石化耐性のある装備が最低一つはあるはずだが……」

「私の自作魔法オリジナルですよ。蝕む邪眼カトブレパスと言って、この世界に存在する状態異常の中で1番耐性の低いものを相手に付与します。まあ部位欠損とか装備不可ブレイクアームなんかは相応の魔力がいりますが、いざとなれば私と魔力MPをリンクさせられるのでそこら辺の問題はクリアしています。まあ元々このゴーレムについている魔力MPタンクの容量もかなりあるので殆どリンクする必要も無いんですけどね」

「まあ…フォルムからして直接戦闘は難しそうだからな…このコンセプトは正解だろう」

そう、イーヴィルの体はカトブレパスとほぼ同じ、大きく垂れ下がった豚の頭に水牛の体がくっついている。
そのため移動は遅いし、攻撃も弱い。
その点邪眼を使えば動く必要は無いし、視線上だけでなく全方位に蝕む邪眼カトブレパスを放つことも可能なので、イーヴィルは地面に横たわって戦うという奇妙な様相を呈していた。

「クソッタレ!あいつは動いてすらいねぇのに!」

「全員!突撃するぞ!魔眼なら視線上だけにしか効果はない!全員で突っ込めば倒せるはずだ!」

 白い空間、罠から飛ばされてきた四パーティの生き残りたちがイーヴィルを囲むように円陣を組み、武器を構える。

「突撃ー!!!」

リーダーがそう言うと全員が剣を、槍を構えて突撃し、後方では魔法使いが詠唱を開始する。

数人が石となる中、ついに騎士達はイーヴィルへとたどり着き、その獲物を突き立てた。



はずだった。

カンと軽い音ともに騎士達の剣が、槍が折れ、イーヴィルに迫る凶刃を防ぐ。

それを見ていたシグレはイーヴィルに搭載された機能の説明を始める。

「イーヴィルに搭載された結界は通常の防護結界ともうひとつ、リソースをギリギリまで使うため、発動中は動くことすら出来なくなる諸刃の剣」

その名は___

私は全てを拒絶するパーフェクト・リジェクション

それと同時に放たれ、着弾した魔法使いの魔法が爆散し、極光が場を支配した。


おお、すごいすごーい

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