邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

SS 妹達の二人旅 廿壱

SS一章 『妹達の二人旅』


「ッ!」
「全員逃げろ!」

扉が少しづつ開き、中を覗こうとしたギルドマスターとクーリふたりが血相を変えてそう叫ぶ。

瞬間、何も見えていないにもかかわらず2人に走ったのは死の予感、避けなければ死ぬと言う、単純明快な事実。

二人がその脅威を認識し、回避行動に映ると同時に風切り音が扉の奥から響く。

「緊急回避!」
「斧弾き!」

ギルドマスターとクーリがそれぞれ飛来した何かを回避、あるいは弾き飛ばす。

しかし、大量に飛来した何かはギルドマスター達を通り過ぎ、二人のほうへ一斉に迫ってくる。

「圧縮フレイムウォールッ!」

遊理が焦り、粗雑な詠唱で魔法を紡ぐ。
しかしやがて炎の壁は削られ始め、二人は飛んできた何かを小刀で打ち払い、回避する。

しかしその場しのぎの対処ではやはり無理があり、何かは多少防がれながらも圧縮された炎の壁を貫通、あるいは弾く小刀の防御を抜けて二人を傷つける

着々と二人の体には切り傷が増え、吹き出た血液が周囲の壁や地面を塗り潰す。

「クソがッ!一度閉めるぞ!」

「ええ!」

硬直していたギルドマスターが動き出し、ダマスカス鋼の扉を閉める。

そうすると周囲には静寂が訪れ、つい先程の出来事が嘘のように思えてくる。

(それより、こいつら、何者だ?)

ギルドマスター自身は曲がりなりにも元Sランク冒険者である。
それなりの修羅場をくぐり抜けてきたし、人を見る目には自信がある。

だが、眼前で倒れ伏す少女達が見せた今の動きをギルドマスターは理解出来ないでいた。

(私が実力を見抜けなかったことはともかく、あの若さであの強さか…末恐ろしい…)

勿論自分ならもっと高度に、それこそすべて防げただろう。
だが、ギルドマスターは冒険者時代に起きたある事柄により寿命を超越し300年ほど生きている。

そんなギルドマスターでもあの域に至ったのは50歳ほど、どれだけ才能に恵まれていようが10代で自分と同程度かそれ以上_つまりSランク冒険者クラス_の攻撃を完璧ではないにしろ防げるはずがないのである。

「早く回復薬ポーションを!」

クーリが叫び、呆然としていたギルドマスターがレッグホルスターから紅く揺らめく液体で満たされた試験管を取り出す。

そして、それを二人に飲ませようとした時、轟音が鳴り響き、突如として試験管が破砕した。


なんだろね?

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(IDはあらすじにあります)

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