邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第百二十七話 天網恢々
6章 玩具は盤上で踊る
「よし、ここからは我々騎士団があなた方の警護に着く。目指すはただ一つ、黒幕の首だ。少年、黒幕の場所はわかるか?」
「少しお待ちください」
そういうとシグレは地面に手をつけ、魔法を発動する。
「魔法範囲拡大 魔法範囲超拡大
魔法効率化 魔法超効率化、魔法隠蔽」
「鶴は千年、亀は万年。その身の罪は永劫に、さあ、その身の罪を映し出せ。
我は獄卒、罪人を裁くもの
天網恢々、浄玻璃の魔鏡」
地面につけたシグレの手から蜘蛛の巣のように日かありが放射状に溢れ出し、先の見えない白い部屋の中をどこまでも進んでいく。
やがて壁を貫通し、他の部屋にいた研究員や今も実験の材料にされている生物たち、“種”となった人間、呪いの道具。
それらが詳細にシグレの脳内へと流れ込んでくる。
もちろん脳はすぐに処理能力の限界に達し悲鳴をあげ、ゲームの中の肉体にも『混乱』の状態異常が付与されるが構わずに脳内に濁流のように流れ込む情報をさばいていく。
「超速再生」
当然のように脳の血管は焼き切れ、視界が赤く染まるが魔法によって半強制的に傷は治癒され、情報の洪水はまだ止まらない。
(まさか、ここにはいない?もしくはこの場所に扉があるのか?)
すでに天網恢々による蜘蛛の巣は周囲10kmにも達している。
流石にこの魔法はシグレの脳が焼き切れそうになるほどの出力で持って発動しているため感知漏れということはない。
流れ込んでくる情報を見る限り、この本部にはそんな広さはない。
転移門の存在がちらつくが…
探索範囲の拡張を終え、逆に狭めることで本部の中の魔力を詳細に探査していく。
いつの間にかシグレの傍に出現していた鏡には天網恢々の範囲内ならどこでも映すことができ、様々な機能を持つ鏡なのだが、今はこの基地内の魔力の波動をサーモグラフィーのように色分けしたものを映し出していた。
そして、魔法で探索しても本人が探索したとみなされるのかシグレが懐からとりだした冒険者の地図にははっきりとこの本部の地理が映し出されていた。
そして、周りのものがそれを見つめる中、シグレは静かに、たった一言をつぶやく。
「見つけた」
その瞬間に蜘蛛の巣と鏡は消え去り、立ち上がったシグレは傷の回復すらせず奥へ奥へと進んでいく。
純白の広間を1人歩いていくシグレの顔は、能面のように感情のない顔だった。まっすぐ前を見据えるその漆黒に瞳には、ただ、深い、深い闇だけが宿っていた。
はい、そろそろかな
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「よし、ここからは我々騎士団があなた方の警護に着く。目指すはただ一つ、黒幕の首だ。少年、黒幕の場所はわかるか?」
「少しお待ちください」
そういうとシグレは地面に手をつけ、魔法を発動する。
「魔法範囲拡大 魔法範囲超拡大
魔法効率化 魔法超効率化、魔法隠蔽」
「鶴は千年、亀は万年。その身の罪は永劫に、さあ、その身の罪を映し出せ。
我は獄卒、罪人を裁くもの
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地面につけたシグレの手から蜘蛛の巣のように日かありが放射状に溢れ出し、先の見えない白い部屋の中をどこまでも進んでいく。
やがて壁を貫通し、他の部屋にいた研究員や今も実験の材料にされている生物たち、“種”となった人間、呪いの道具。
それらが詳細にシグレの脳内へと流れ込んでくる。
もちろん脳はすぐに処理能力の限界に達し悲鳴をあげ、ゲームの中の肉体にも『混乱』の状態異常が付与されるが構わずに脳内に濁流のように流れ込む情報をさばいていく。
「超速再生」
当然のように脳の血管は焼き切れ、視界が赤く染まるが魔法によって半強制的に傷は治癒され、情報の洪水はまだ止まらない。
(まさか、ここにはいない?もしくはこの場所に扉があるのか?)
すでに天網恢々による蜘蛛の巣は周囲10kmにも達している。
流石にこの魔法はシグレの脳が焼き切れそうになるほどの出力で持って発動しているため感知漏れということはない。
流れ込んでくる情報を見る限り、この本部にはそんな広さはない。
転移門の存在がちらつくが…
探索範囲の拡張を終え、逆に狭めることで本部の中の魔力を詳細に探査していく。
いつの間にかシグレの傍に出現していた鏡には天網恢々の範囲内ならどこでも映すことができ、様々な機能を持つ鏡なのだが、今はこの基地内の魔力の波動をサーモグラフィーのように色分けしたものを映し出していた。
そして、魔法で探索しても本人が探索したとみなされるのかシグレが懐からとりだした冒険者の地図にははっきりとこの本部の地理が映し出されていた。
そして、周りのものがそれを見つめる中、シグレは静かに、たった一言をつぶやく。
「見つけた」
その瞬間に蜘蛛の巣と鏡は消え去り、立ち上がったシグレは傷の回復すらせず奥へ奥へと進んでいく。
純白の広間を1人歩いていくシグレの顔は、能面のように感情のない顔だった。まっすぐ前を見据えるその漆黒に瞳には、ただ、深い、深い闇だけが宿っていた。
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