邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百十四話 説得

6章 玩具は盤上で踊る


「巫山戯るな!貴様らの事情でこれ以上待つことなどできん!」

いつもの心優しい様子は何処へやら、既にシグレ以外の全ての生物を気絶もしくは死滅させたフェンリルは、漏れ出る殺意を隠そうともせずにそう言い放った。

「邪魔をするなら貴様も…」

(あーこりゃダメですね。ちょっと早いですがカードを切りましょうか)

そう言いながら戦闘態勢をとるフェンリルに対し、シグレは切り札を切る。

「お母さん待って!」

シルを召喚したのだ。
それだけでフェンリルの纏う濃密な殺気は鳴りを潜め、フェンリルは地面に座り込む。

「息子に言われちゃ仕方ない。で?その理由とやらはなんだい?こっちは今すぐにでも奴を噛み殺したいのにそれを待てというのだからそれなりの理由はあるんだろうね?」

ようやく落ち着いたフェンリルの様子にシグレがほっと息を吐くのもつかの間、交渉を再開する。

「ええ、まず本拠地が未だ特定されていない。つまり地道に支部から潰す以外の方法がないのです。また、その支部を潰すのにフェンリル様がいると、本部の警備がより手強くなり、その間に逃げられてしまう可能性があります。そのため、フェンリル様には確実に黒幕の首が獲れるタイミングまで待機していていただきたいのです」

「……正論だね。いいだろう。今回は待ってやる。ただし、ロキは絶対に私のこの牙と爪で咬み殺す。いいね」

渋々といった体で返答するフェンリルに、すぐさまシグレは深く礼をした。

「心得ております」

「忘れるんじゃないよ」

「もちろんです。ご協力、ありがとうございます」

「ならば私はどこかに引きこもっていよう。また同じことが起きてしまいそうだしね。すまないが、ここを元に戻しておいてくれ」

周りに広がる惨状を一瞥しただけで振り返り、フェンリルはどこかへと消えていった。

〖プレイヤーの皆様におしらせします。ケス荒野 西のボス『ロックワーム』を『フブキ』様が討伐しました。それにより、新たなフィールドが解放されます。〗


はい、何とかフェンリルは元に戻りました。

フィールドボスの討伐進捗メモを間違って消してしまったため、色々間違ってるかもしれませんが許してください。

誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです

いいね、フォロー、Twitterのフォローもお願いします


「邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

  • クロシオ

    時雨の妹である皐月

    1
コメントを書く