邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

後日談 報われない青年達

サバイバル終了から約二週間後のお話です


「ハイ撃破〜、最近俺たち調子いいよな!これもう最強クラスなんじゃね?このままボス行っちゃう?」

そう語るのはパーティの遠距離の主役とも言える狩人のガラムだ。

「いや、まだだ。まだ足りない」

「そうね、これくらいじゃ歯牙にもかけないわ」

「そうだな」

反論したハルバートに同調するのは水魔法使いのミーティアと盾士のファラデルだ。

「ですが、安全マージンは十分すぎる程にとっていますよ?このままだと、他の方にボスの初討伐が取られてしまいますよ?攻略組と言いわれつつも、私たち実際は一体もボス討伐してないですし」

そういうのは神官のまなふぃだ。

「全てあのシグレとフブキばけものふたりに取られてるからなぁ」

「まぁボスくらいなら行ってもいいが…」

「まぁってなんだよ〜歯切れが悪いなぁ〜」

「あれを見せられちゃ、ね」

「まぁ仕方ないよなぁ」

「そんなに凄かったんですか?」

そう、このハルバート、ミーティア、ファラデルさんにんガラム、まなふぃふたりには一つ違いがあった。

実は、ガラムとまなふぃは一度たりともシグレとフブキの戦闘を見ていないのだ。

ゴブリンキング戦は序盤で死に戻りし、今回のイベントの闘技大会では予選敗退しそのままレベリングへ、サバイバルはシグレが来る前に悪魔に死に戻りさせられそれ以降イベントを見ずにレベリングしていたせいである。

だから、「ユニークスキルを持っていようが、私達なら倒せる。何度もボスを倒しているのも、ただ運が良いだけだ。」と思っている。

そして、目標のない人間は、脆い

ハルバートたちが「今度こそあの悪魔を倒す!」と意気込んでいるのに対し、2人はただついてきているだけなのだ。態度や積極性に欠けるのはある意味仕方ないことであり、必然であった。

そして一行はボスのもとに訪れる。
ボスの出現場所に入ると、どこからともなく植物のツルが生えてきて、罠探知で毒キノコなどを探していたガラムがそれを避けようとバックステップを繰り出す。
事前調査により蔦の届く範囲はわかっているのでこれで避けられる_____

はずだった。

本来の限界範囲を超えてガラムの足に巻きついた蔦はどんどんガラムの体に巻きつき、本体の方へと引っ張っていく。

「『唐竹割り』!」

パーティー随一の火力を誇るハルバートの戦斧も少し切れ目を入れるだけにとどまり、それもすぐに再生してしまう。

追いかけた先に見えたのは本来のラフレシアのような植物ではなくウツボカズラに似た植物だった。

必死の抵抗も虚しくガラムはウツボカズラの中に取り込まれ、紫色の花が頭に咲いた。

それと同時にガラムのHPが急速に減少し、ウツボカズラのHPが回復していく。

「こいつ…変異種か!」

「て、撤退しましよう!」

「いや、やる」

「行くぞ!」

いつか自分が高みに至れるよう、青年は試練に立ち向かう。


はい、お疲れ様でした。

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コメント

  • ノベルバユーザー177604

    誤字


    このままだと、他の方にボスの初討伐が
    「撮られてしまいますよ?」攻略組と言いわれつつも、私たち実際は一体もボス討伐してないですし」
    の所なのですが取られてしまいますでは?

    1
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