邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第九十一話 絶対悪

(八十九話の続き)


5章 蹂躙



「ならば…押し通る…!絶対悪アジ・ダハーカ!」

「ッ!」

氷の女王は息を呑む
目の前にあるナニカを恐れて。
いつかどこかで感じたような得体の知れない感覚への恐怖を振り払いながら魔法を放つ。

「アイシクルジャベリン!アイス・コフィン!アイシクルバースト!アイスグランド!」

いつかあの好敵手シグレに放った魔法よりも強力な魔法が人形に迫る。

「無駄…」

その一言で、氷槍や氷の棺、全てを凍らす冷気の大波すらもが破砕し、どこかに呑まれるように消滅する。
ダメージは入っていない。だが、確実に動きは止められている。
結局はあの男シグレに全てを任せてしまう自分をふがいなく思いながらも時間を稼ぐことに専念しようとしたその矢先に異変は起こる。

HPバーが減っている!?

慌てて体を確認しようとするも人形に阻まれる。

その間にも刻一刻と減り続けるHP
矢継ぎ早に繰り出される人形の拳打にフブキは逃げ回りながら防御するのみであった。

「アイスキャッスル!」

氷の城を建造することで距離をとってフブキは自分の体を確認する。

そこにいたのは蜥蜴。
小さな真っ黒いトカゲがフブキの足に食らいついていた。

「何よ、これ…」

人形の方を見て見ればナイフで自身の腕を切り、そこから黒い蜥蜴や蟲、蛇などが這い出してきていた。
忌々しげにトカゲを細剣レイピアで刺し貫くフブキに人形の魔法が迫る。

「チッ!マルチプルアイスウォール!」

「ん…防がれた…なら…」

「アイスジャベリン!」

上空へと上昇する人形にフブキは氷の槍で狙撃する。
それを紙一重でかわした人形は魔法を放つ。
フブキの頭へと。

「ファイア・ジャベリン」

「チッ!絶対氷壁!」

重力加速度によって加速した魔法に驚きつつもフブキは防壁を展開する。

轟音が鳴り響く

人形より放たれた炎の槍ファイア・ジャベリンは氷壁と相殺され、フブキにダメージはない。

「なら…もう一度…今度は…もっと…!」

「あの威力を何発も打ってこられたらやばいわ!アイシクルジャベリン!」

氷の槍をかわした人形は詠唱を開始する。

瞬く間に数十の炎の槍が人形の周りに浮かぶ。

「なんでそんなに展開できるのかしら?絶対氷壁、絶対氷壁!あ、やばい、MP切れた…」

フブキの残っていたMP全てをつぎ込んだ氷壁に全方位から炎の槍が直撃する。
拮抗は長くは続かない。
氷壁は一枚…二枚と溶かされ、いつのまにか魔法で拘束されて動けないフブキへと迫る。

そして、フブキの体は塵となった。


報われない…

ちなみにフブキがシグレをライバルって呼んでんのは一方的にそう呼んでるだけです。

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この先の話で三人称で話を書くかシグレ視点で話を書くかで悩んでいます。どちらがいいでしょうか?
コメントいただければありがたいです。

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