とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

カジノ














「………これ大丈夫なの?」

プールから上がった僕達は杏奈先生に連れられてホテルの4階にやって来ていた。カジノルーム…カジノだ。なんでホテルにカジノがあるんだよ。

「杏奈先生、これは流石に…」

志穂先輩が引きつった笑みを浮かべながら言う。

「今回はホテル側がちゃんと配慮してくださってるから大丈夫です。とりあえずみなさん受付でチップを貰ってください。1人100枚貰えますから…あっ、おかわりはできないから1度でも全部なくなったら終了ですよ。チップが溜まったら景品と交換してもらえるのでみなさん頑張ってチップを稼いでください」

それでもちょっとアレじゃないのか…なんかパチンコみたいなシステムだな…僕達は受付でチップを受け取ってそれぞれ別の場所に散って行く。

「晴樹、私の側から離れないで、お願いだから…」

花実がそう言いながら僕にぴたりと引っ付く。どうしたんだろう?

さて、僕と花実とダイナとゆき姉と巫女さんはカジノルームの中央に設置されたルーレットをしに来ている。

「とりあえず最初は慎重に…」

「11に100枚!」

僕が慎重に賭けようとしていた横で花実が勢いよく11の場所にチップの入った入れ物を置く。

「ちょっ、花実ちゃん…流石にそれは…」
「無謀だと思います…」

花実の能力を詳しく知らないゆき姉と巫女さんが花実を止めようとしたがすでに遅かった。

「黒に50枚」
「私も黒に50枚」

僕とダイナは花実の置いた場所を確認して花実が置いた11と同じ色の場所に半分賭けする。

「赤に20枚」
「偶数に20枚」

ゆき姉と巫女さんは慎重に少しずつ賭けるつもりらしいだが2人とも残念、それは選んじゃダメなやつだよ…

「黒、奇数、11です」

ルーレットの結果をディーラーのお兄さんが読み上げる。お兄さんは花実の予想がたまたまだと思っていたのかそこまで驚いてなかった。

「25に全部!」

花実が勢いよく25に全賭けする。

「25に全部」
「私も25に全部で…」

花実に便乗して僕とダイナも25に全賭けする。花実の能力の効果は今の1回で証明されたも同然だろう。だったら花実がルーレットに飽きて別のところに行く前に花実に便乗してなるべく多く稼ぐべきだろう。

「黒に20枚」
「偶数に20枚」

ゆき姉と巫女さんは懲りずに再び外しにいっている。残念、2人ともハズレだよ。

ルーレットが始まり玉は25に止まる。流石にディーラーさんも驚いていた。僕と花実、ダイナはチップが36倍になりゆき姉と巫女さんは20枚ずつ失った。その後数回ルーレットをして僕達はカジノを後にした。ゆき姉と巫女さんは全負け、僕と花実とダイナはチップをかなりいいもの複数と交換した。花実様に感謝ですわ〜

「志穂、今負けた分全賭けして取り返すわよ!」

「だめよ。楓ちゃん、もっと慎重にやらないと…」

全賭けを始める楓先輩とは対照的に志穂先輩は少しずつ賭けてコツコツと稼いでいた。結構溜まってるな…

「志穂〜また、負けた〜」

「もう、しょうがないわね。もう少しだけ持ってっていいわよ。次は大切に使ってね」

志穂先輩はそう言いながら全チップの半分ほどを楓先輩に渡す。あれ、楓先輩がいなければ志穂先輩かなり勝ってるんじゃ…

楓先輩はその後再びぼろ負けして志穂先輩にチップを恵んでもらっていた。その後楓先輩と志穂先輩はカジノルームに数時間いたらしいが志穂先輩の敗因は楓先輩に恵みすぎたことらしい…

他にカジノルームにいたメンバーだと杏奈先生は地道にコツコツと稼いでそこそこの景品を貰っていた。ティナちゃんとミカさんは速攻負けて別の場所に向かった。

さて、そしてこれからはお楽しみのディナーのお時間だ。これほど豪華なホテルだ。さぞかし豪華なディナーが用意されているだろうと期待しながら僕達はディナー会場のホールに向かう。
















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