とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう











「えーと、レヴナント本部はここからもう少し歩いた場所ですね…」

緑先輩のテレポートで移動した先でテレシアさんが地図を開いて言う。

「とりあえずレヴナント本部の近くまで行きたいです。出来るだけ近くまで……正確な座標を出来るだけ近くまで測りたいので…」

「わかりました。ただし危険だと判断したらすぐに撤退しますよ」

緑先輩がテレシアさんに言うとテレシアさんが同意して先に進むことになった。

「では、進みましょうか」

テレシアさんを筆頭に当夜先輩達は歩き始めた。

当夜先輩達がしばらく歩くとレヴナント本部が当夜先輩達の視界に入った。

「あれがレヴナント本部ですか?」

緑先輩がテレシアさんに尋ねる。

「はい。そうです」

緑先輩の質問にテレシアさんが答えながら辺りを見渡す。

「何者かに囲まれてるわね…」

楓先輩が周囲から感じる視線に気づいて言う。

「そうですね…かなりの数がいるみたいです…」

「レヴナントの連中でしょうか?」

テレシアさんに当夜先輩が尋ねるとテレシアさんはおそらくそうだろうと返事をした。

「どうしますか?」

「緑さんの能力を使って逃げ出したいのですが…ここで緑さんの能力を使うとレヴナントに緑さんの能力がバレてしまう可能性があります。とりあえずレヴナントの連中を振り切るか倒すかして緑さんの能力がバレる可能性をゼロにしてから緑さんの能力で帰りましょう」

当夜先輩は少し考えてテレシアさんの意見に従うのが一番だと判断し、とりあえずレヴナント本部から離れることにした。

「まだ追ってきてますね…」

テレシアさんが後ろを振り向いて言う。

「尾行がバレてるのに気づいて襲ってきてくれれば楽なんですけどね……」

当夜先輩がみんなにそう言いながら笑う。当夜先輩は冗談みたいな感じで言ったがそれが本音だと言うのがみんなには分かっていたのでみんなは苦笑する。

「皆様、こちらへ…」

当夜先輩がどうしたものか…と困っていた時、聞き覚えのある声が当夜先輩達を呼んだ。

「アシュリーさん?何故ここに?」

道の端に隠されていた地下への隠し通路らしき場所の扉を開き当夜先輩達を呼ぶアシュリーさんに当夜先輩が尋ねる。

「ミカ様の命で皆様のサポートをするようにと……」

「そうですか、助かります。みんな、敵にバレないように隠れながら行くぞ」

当夜先輩の指示に従いみんなが身を潜めながらアシュリーさんのもとに向かう。僕達が全員地下に入ったのを確認しアシュリーさんは扉を閉める。

「アシュリーさん、助かりました。でも何故僕達がここにいると?」

「以前からミカ様はどうすれば戦争が終わるかを調べておりまして戦争を終わらせるために必ずレヴナントを襲撃すると予想してました」


「そうだったんですか…助けてくださり本当にありがとうございます」

当夜先輩がアシュリーさんに頭を下げて礼を言う。

「とりあえずここから出ましょう。あちらに出口がありますので…」

「わかりました。案内をお願いします」

テレシアさんが少し警戒しながらアシュリーさんに言う。

「わかりました。ではついてきてください」

アシュリーさんはそう言いながら歩き出した。当夜先輩達はアシュリーさんの後ろに続いて歩く。

「こちらへ……」

アシュリーさんが巨大な扉を開いて言う。当夜先輩達はアシュリーさんを追い越して先に扉をくぐる。

「行き止まり……」

一番最初に扉をくぐった楓先輩が呟く。

「やはりか……」

テレシアさんが能力で剣を作りながらそう呟き扉の側にいるアシュリーさんに斬りかかる。テレシアさんの剣がアシュリーさんに直撃した瞬間、アシュリーさんの姿が消える。

「なるほど、それが志穂が言っていた分身なのかしら…」

「本物はそこか!」

ヴィオラ先輩と楓先輩がそう言いながら能力を発動させる。ヴィオラ先輩は巨大なネジを作り行き止まりの壁に向かって発射する。楓先輩は近くにあった鉄柱を持ち上げて行き止まりの壁を破壊した。

楓先輩が壁を破壊した直後、ヴィオラ先輩が放ったネジが壁の向こう側にいた人影に直撃した。

「こっちも分身なのかしら……」

「流石ですね…私の分身を2つも倒すとは…」

急に上から降ってきたアシュリーさんがヴィオラ先輩達に言う。

「アシュリーさん、どうして……」

楓先輩が目の前に立つアシュリーさんに言う。

「どうして?ああ、私が何故あなた方を襲ったのかを聞いているのですか?それなら答えは簡単、私はレヴナント総司令官、アシュリー…これで大体の察しはついたでしょう?」

アシュリーさんがニヤリと笑いながら楓先輩達に言う。















コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品