とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

食事









「みなさん、夕食の準備ができましたのでホールにお集まりください」

僕が目を覚ますとアシュリーさんが扉の近くに立っていた。どうやら寝てしまっていたみたいだ…それにしてもメイド服を着たかわいい女性に起こされるのっていい気分だな…

「当夜先輩…当夜先輩…起きてください」

僕が当夜先輩を軽く揺らすと当夜先輩が目をこすりながら起き上がる。

「ん…何?」

すごく眠たそうな声で当夜先輩が僕に尋ねる。

「夕食を用意してくれたみたいです。せっかくですしご馳走になりましょう」

「うん…そうか…わかった、じゃあ行こうか」

僕や当夜先輩たち大広間で休憩していたメンバーは部屋を出てアシュリーさんの案内に従いホールに向かう。

「この屋敷の使用人はあなたしかいないのかしら?」

ホールに移動する途中、ヴィオラ先輩がアシュリーさんに尋ねる。

「はい、弥生家の使用人は現在私1人です。以前は私の父と母も使用人として仕えていたのですが父と母が亡くなり現在は私1人です」

「そうなのかしら…あなた1人しかいないのに掃除がきちんと行き届いているのよ…」

ヴィオラ先輩が周りを見渡しながら言う。

「私の能力を使えば掃除なんてすぐに終わるので…」

「へえ、どんな能力なんですか?」

アシュリーさんの能力に興味を持った僕はアシュリーさんに尋ねる。

「私は能力を他人に教えたくない主義なので…」

「そうですか…」

アシュリーさんが言いたくないと言うなら聞くのは失礼だと思った僕は引き下がる。

「あなたも能力を他人に言いふらしたりしてはいけませんよ。いざという時困るかもしれませんから…」

「そうですね…ご忠告ありがとうございます」

そうこう話してるうちにホールに到着したみたいだ。アシュリーさんが巨大な扉を開き僕達を中に入れてくれる。

「あっ、みなさんお待ちしてましたよ。どうぞこちらへ」

ミカさんの言う通りに僕達は席に着く。

「今日はバイキング形式にしたのでみなさんお好きな料理を食べてくださいね」

「これも全部アシュリーさんが作ったんですか?」

並べられた料理の数々を見て花実が驚きながら尋ねる。

「はい。全て私が用意させていただきました」

「すご……」

僕もそう思う。こんなにたくさんの料理を一瞬で作るなんてすごいな……

「そういえば楓先輩たちはどこに?」

「ああ、楓さんたちなら今ティナちゃんの着替えをしてますよ。やっと気に入った服を見つけたみたいで…たぶんもうすぐ来ると思いますよ」

当夜先輩の質問にミカさんが笑顔で答えてくれる。

数分後、ホールの扉が勢いよく開き楓先輩と志穂先輩、ティナちゃんがホールに入ってくる。

ホールに入ってくるティナちゃんを見て僕達はおおっと少し驚きながら見つめる。

「すごい、ティナちゃんかわいいよ」
「本当にかわいいです…」

花実とダイナ、巫女さんは入って来たティナちゃんのもとに駆け寄りティナちゃんをかわいいかわいいと褒め称えている。

たしかに着替えを済ませたティナちゃんはかなりかわいい。元からかわいかったがそのかわいさがさらに上がった。

「ティナちゃん本当にかわいいね」
「う…ん…」

緑先輩がじっとティナちゃんを見つめていた百合子先輩に言う。どうやら百合子先輩も花実やダイナ、巫女さんみたいにティナちゃんの元に行きたいみたいだった。

「ティナちゃんの服は志穂が選んだのよ、すごいでしょう」

何故か楓先輩が誇らしげに言う。みんなに囲まれたティナちゃんは少し照れくさそうにしていた。

「さて、みなさんその辺にして夕食にしましょう」

ミカさんがそう言うとみんなティナちゃんから離れて行き席に着いた。

楓先輩、志穂先輩、ティナちゃんも席に着く。

「さて、じゃあいただきましょうか」

ミカさんがそう言うとみんな手を合わせていただきますと言い各自夕食を取りに行く。

様々な料理が並んでいてとても全種類は食べきれなかった。こんなにたくさんの料理よく作れるな……

アシュリーさんが作ってくれた料理は全てすごく美味しかった。ついつい食べ過ぎてしまうくらいに…

僕達は一通り料理を食べ終え、食後のデザートをいただくことにした。

デザートは別腹です。はい。楓先輩とヴィオラ先輩がすごい勢いでデザートを取っていた。太りますよ……

僕もいくつかデザートを取り席に戻った。













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