妹はこの世界でただ一人の味方

さらだ

殺人未遂

俺たちは今ギルドに来ている。何故か?あの誰が撃ったか知らないが、迷惑な特級魔法が山を消した事件について進展を聞きに来たからだ。本当に知らないからな。
・・・と、結衣を説得させてると「何言ってんだこいつ?」みたいな目で見られたのでやめた。

話は戻るが、進展を聞きに来たのは本当だ。もちろんあのオカマに会いたくないから昼間に来ている。あのオカマが受付をしているのとは違い、ギルドは今も騒がしい。

「先日の山が消えた事件の進展って何かあった?」

なぜかここに来ると少し不機嫌になる結衣を見て不思議に思う学だったが、うるさいからなんだろうなと1人で納得して考えを中断していた。

「えーっと・・・あの山の消滅した事件ですか。そうですね・・・未だに進展はありませんね。国王様が発表したように誰かが特級魔法を撃ったとしか・・・。一応国が特級魔法を使える人に事情聴取をしたみたいですが、皆さんその時はこの街にいなかったようで。」

どうやら進展はなさそうだな。

「今その山の付近にだれか人が入ることは?」

「あるかもしれませんが、ほとんどないと思いますよ。現在は危険区域から解除されているのですが、やはりまだ原因が掴めてない状態なので皆さん近寄らないんですよね。」

おお。それはいい情報だな。そろそろ戻れる頃合いか?

ギルドを後にした学たちは適当な食事のできる店に入って注文をすると、これからのことについて話し合った。

「とりあえず聞いた話だけで判断するならもう人は早々寄り付かないはずだ。いたとしてもよっぽど変人だろうな。」

「それって私たちのことだね・・・。」

知らんぷりをして学は話を進めた。

「で・・・だ。今日・・・はダメだな。明日の朝に戻るか、それともまだもう少し様子を探るか。どっちがいいと思う?」

結衣は少し考えてから答えた。

「私なら明日の朝に戻るかな。今はだれも寄り付かないらしいし、もしいたとしても別に問題は無いと思うから。」

「ならそうしようか。とりあえず今日はしっかり休んで・・・休んでおこう。」

「何今の間?」

「別に大したことじゃないけど。ただ3つのことを同時に考えていたら間が空いちゃっただけで。」

もし問い詰められてもこれは本当のことだから誤魔化しようがない。実際あの黒ずくめの人と、家のこと、そして新しい武器を作るための材料を考えていたら反応が遅れてしまっただけなのだから。

それを結衣は読み取ったようで学に深くは追求しなかった。代わりに話を続けた。

「そういえばさ、お兄ちゃんはスキルを作れる効果を持ってるんだよね?」

「条件付きではあるけど、難しいものではないし作れるな。」

自分でも物凄くチートだと思う。だからこそ、結衣が次しようとする質問は簡単に予想ができた。そしてそれは見事的中した。

「じゃあどうしてもっとスキル作らないの?もっと作った方が便利になるんじゃないの?」

「まあもっと作ればもっと便利になる。・・・それは分かってるさ。だけどそうしてどんどん楽をすればいざという時正しい行動ができなくなる。例えば俺たちはスマホを持ってはいたが、依存するほど使ってなく、現にここの世界にくるときも置いてきた。」

「あまり使ってなかったからね。」

スマホより勉強! って感じだったからな結衣は。俺は料理のこととか、掃除とかしてたから触ってないな。仕事関連でしか使ってなかったから。

「スマホに依存していることをスマホ依存症というのは知ってるよな? スマホ依存症の子供からスマホを没収した親がいる。・・・さてここで問題です。取られたとき、その子供はどうしたでしょうか?」

結衣はしばらく考えるように目をつむると、しばらくして目を開いて答えた。

「なんとか親と話して返してもらう?」

「優しい結衣ならではの答えだが、違う。そうだな。ヒントをあげよう。結衣にとって依存しているものはなんだ?・・・えーっとつまり、一番大事なものだな。なくなったら困るもの。」

先ほどの質問とは違い、すぐに答えた。

「お兄ちゃん。依存しているのはお兄ちゃんだし、一番大事な人もお兄ちゃん。いなくなって困るのはお兄ちゃん。」

あまりの即答に照れずにはいられなかった学だった。

「・・・・・・あ、ありがとう結衣。気を取り直して・・・俺が例えばどこかの人に連れ去られたりしたら結衣はどうする。」

「連れ戻す。」

「話し合いをする?」

「しない。私の一番大切な人を奪っておいて許されると思ってるのなら勘違い。謝ってすむ問題じゃない。お兄ちゃんを助けた後実行犯を捕まえて、指の爪を剥がして、折って、目玉をくり抜いて・・・。」

「ストーップ! 危ない発言禁止。」

仮にも食事をするところなんだから出来るだけそういう発言は控えてほしいものだ。さっきまでの言葉が本当なら俺のことで熱心になってくれてるようだったが。

「まあ結衣がそうした通り、その子供は話し合いをせずいきなり武力手段を行使した。早い話、刃物でその母親を刺したんだよ。」

このニュースを知ったとき俺は結構驚いた。幸いにもその母親は生き延びたらしいが怖いものだな。

「だから・・・何について話してたんだっけ?・・・・あ、だからあまり楽をしてはいけないんだよ。もちろん使えるものは使っていったほうがいいと思ってるけどな。そこらへん際どいところなんだよなぁ。」

ちょうど話が途切れた時にご飯が運ばれてきた。そこからはたわいもない話で盛り上がった。



同時刻魔族領では

「魔王様。お時間よろしいでしょうか?」

1人の魔族の男が、部屋の戸をノックして答えが来るのを待っていると扉が開き、魔王が使役している魔物が出てきた。偶然にもその魔物はカラカラと同じ色をしたスライムだった。
魔族の男はいつものことなので気にすることなくそのスライムに報告した。

「今月の死者数31名そのうち27名は蘇生完了です。そして行方不明数が3人。おそらく例の場所に連れていかれたと思われます。」

そう伝えると扉はゆっくりと閉まり、静かな廊下に扉が閉まった音がやたらと大きく響いた。



部屋に戻ったスライムは触手を器用に使い、先ほど報告された結果を紙に書き部屋にある仕掛けを作動させた。すると、そこにあった机が自動でずれ、階段が見えた。それを降りていくと僅か3畳ほどの部屋に髪の長い男が膝をつき手を合わせ何かに祈っていた。
スライムが入ってきたのを知ると祈りをやめて、貰った紙を見て舌打ちをした。そして2人は階段を上ってってその場から消えた。



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以下作者のコメント
昨日ふと気になってラノベ一冊の文字数を調べたんですよ。多少の違いはあるといえど、一冊15万字くらいだと分かりました。僕の作品は多分平均で1話あたり3200前後だと思うんですよ。それが今38話(報告の話を除いて、この話を投稿した場合)なので約12万字ですね。これでまだ一冊の量じゃないって・・・。作家さんの凄さを改めて知りました。


そういえば・・・もう今年が始まって1ヶ月が立つんですね。少なくとも僕は早く感じました。ただぼーっとしているだけなので時が経つのが早く感じますね。

今日ですね、学校で僕のクラスが10人休みました。内インフルが6人で4人が不登校です。インフルと不登校が休みのクラスって面白くないですか?少なくとも他のクラスにはほとんど不登校がいないので。

今日の夕食はハンバーグらしいです。ちなみに今日の給食もハンバーグでした。朝は親がいなかったのでコンビニで買った弁当がハンバーグ弁当でした。・・・ハンバーグ。


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コメント

  • さらだ

    ハンバーグ大好きです笑

    1
  • ちょっと二次元が好きです

    三食ハンバーグ、、、w

    4
  • さらだ

    もう12万字。まだ12万字です。そして学はまだ気づかない事でしょう(いつになるかは未定)

    0
  • 田中  凪

    12万文字でも充分すごいっす。それに投稿間隔も(自分よりも圧倒的に)早いですし…ほんと、尊敬します。
    そろそろ相思相愛だと気付くべきだと思うんだ、兄よ(私的並感)

    1
  • さらだ

    応援有り難う御座います。そう言っていただけるとやる気が出てきます。これからもよろしくお願いします。

    0
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