妹はこの世界でただ一人の味方

さらだ

掃除

「結衣少佐。今日は私同伴の元、屋敷の掃除をしたいと思います。」

はっきり言ってキッチンが使えないから(汚すぎて)早く掃除をしないとなにも食べれないことが発覚した。ちなみに昨日の夜から食べてない。

「学大将。どこからやりましょうか?」

なんやかんやで結衣も俺のノリに付き合ってくれてる。まずはあそこだろ。

「普通の喋り方に戻すけど、まずはキッチンだな。お腹減ったから何か食べたい。」

ほんとにお腹減ったんだよ。いつも仕事でどれだけ時間なくてもカロ◯ーメイトは食べてたんだよ。あれは栄養が簡単に取れるからオススメだ。

「私もお腹すいたから早く終わらせちゃおうね。」

意気込みはバッチリだな。

「よし! 始めるか!」

そこからはとりあえず疲れた。しばらく掃除していると台所の帝王。Gが出てきた。俺たちは虫が大嫌いで距離をとっていた。だが奴は動いた。在ろう事かこっちに向かってきたので一時撤退を余儀なくされた。・・・あんな所に思わぬ刺客がいたな。一瞬でも気を抜いてはいけないと改めて思い知らされた瞬間だった。ちなみに帝王は俺たち二人が収納していた瓦礫を一気に落とすと潰れた。・・・瓦礫が思わぬところで役に立った。
ちょっとしたハプニングはあったものの、1時間ほどでキッチンの掃除は終わった。しっかりと物陰の裏とかも探したが、帝王は奴一人だけだったことが分かった。
・・・今更だけどこっちのGと地球のGでは体の構造が違うのか?地球のGは20度前後が一番動き、それ以下になると活動能力が落ちるはずなんだが・・・。ここの気温なんて5度は下回ってるぞ。たくましいことだな。

まあそんな事より料理だ。ストアからチャーハンを選び買った。すると無限収納庫にご飯、卵、豚肉、長ネギ、ごま油、塩コショウ、鶏ガラスープの素、オイスターソース、醤油が入ってきた。完璧に俺が作っているチャーハンの材料だ。ストアって意外と便利じゃね?ちなみに銀行から引き落としているためお金の心配はない。なぜか材料費はこっちの世界の基準になっているから。
それと調理器具はしっかりと保管されていてその隣に小さな道具があった。鑑定してみると害虫ホイホイという名前らしい。名称はともかく、効果は凄かった。半径1m以内に虫が入らず、その範囲内の物はその状態のままになるらしい。

「まずは鍋だな・・・あった。」

土鍋に米を入れて水も入れて初級魔法の火で熱する。本当なら浸水をしっかりしてからの方が美味しくなるけど、今はとにかく時間が惜しい。魔法は意外に活用力が高く地球のキッチンだと15分から20分は熱さないといけないのに五分程度で済んだ。その分立ちくらみはしたけれど。次は蒸すだけだ。これは10分前後必要だから暇だな。

「お兄ちゃん。なに作ってるの?」

「今はチャーハン作ろうとしてるんだけどもうちょっと待ってくれるか?炊飯器がないから時間かかるんだよ。」

今更ながら炊飯器が欲しいな。まあ一回に多く作っちゃえばいい話なんだけど。

「じゃあさ、ちょっと掃除続けない?少しでも早く終わらせたいから。」

なるほどっていうかめんどくさくて言わなかっただけなんだけど、結衣が言うならしようか。

「そうだな。15分後までに終わらせられるところまで終わらそうか。」

結局区切りがつくまでづるづるとしてしまい、キッチンに戻ったのは30分後だった。



「「いただきます」」

うん。まあまあかな。でも少し味が出し切れてないな。普段鍋なんかでお米炊かないからなぁ。しっかり練習しておこう。

「結衣。いつもみたいな米の味じゃないから苦手だったら言って。違う料理作るから。」

「ううん。これ美味しいよ。むしろ不味いなんて言う人がいたら・・・私が殺してあげるよ。」

殺っーー殺す? 大袈裟すぎませんか結衣さん? きっと料理を粗末にするなって事を言いたかったんだろうな。作ってくれる人に感謝をしないとダメだもんな。・・・そういえばストアで買ったこの材料って誰が作ってるものなんだろう?気になるな。

「「ご馳走さま」」

ちょっと作りすぎたな。余った米は収納しておこう。お昼におにぎりにでもするかな。

「さて、午前中に一階を終わらせちゃおう。」

「そうだね。始めよう。」



今度は帝王が出てくることもなく順調に進み、4時間後には一階の部屋の掃除が終わった。

「お疲れ結衣。お昼ご飯にしようか。」

「うん。お兄ちゃんもお疲れ様。」

「手抜き感がひどいんだがおにぎりでいいか?最初から料理すると時間がかかるんだよね。」

「あ、うん。いいよ。」

許可もとったので、土鍋を出してラップで包・・・めねぇよ! ラップないんだったー! 不便だ。あまりにも不便すぎる。今だけ生活水準の高い日本が恨めしい。確か世界3位だったず。・・・仕方ない。素手で握るか。
作り終わった後一応言っておいた。

「結衣。ラップなかったから素手で握ったんだけど、大丈夫か?気持ち悪くないか?」

ここで気持ち悪いと言われたら部屋の隅っこに行ってうずくまり地面に文字でも書いてよう。・・・日本語、英語、中国語、ドイツ語、フランス語を何回も書こう。

「え? どうして? 全く気持ち悪くないよ。むしろそっちの方が嬉しい。・・・だけど他の女の人にはダメだからね。」

よかった。気持ち悪くないんだ・・・。寿命が縮むかと思った・・・。他の女の人にはダメなのか・・・。どうしてだろう?やっぱり結衣は優しいから大丈夫だけど、他の人は気持ち悪いって思うのか。それはそうだろうな。こんな人間の素手で触ったおにぎりなんて。

「じゃあ素手の場合は結衣だけに食べさせるよ。・・・って言ってもここを通る人も早々いないと思うけどね。」

「うん。そうして。」

おにぎりだけど具材はない。塩を振って終わり。シンプルイズベストとはよく言ったものだ。第一おにぎりの起源は平安時代の頓食(とんじき)と考えられ、一般的におにぎりが食べられるようになったのは江戸時代中期であり、歴史ある食べ物なのだ。ちなみにおにぎりの日は6月18日だ。



「「いただきます」」

しばらく無言で食べていたが、俺は口を開いた。

「次は二階なんだけどさ、1つ気づいちゃった事があるんだよね。」

気づきたくなかった。なのに気づいてしまった時は絶望したよ。それと同時に疲労感もどっと押し寄せてきた。

「なに?」

「実はさ・・・無限収納庫あるんだったら最低限の部屋だけ掃除してそこで生活するのでもよかったんじゃないかって。わざわざあんなにしなくても使わない部屋なんていっぱいあるんじゃないかって思ってさ。」

「あ・・・。」

しばらくおにぎりに手をつけず、ただただお互いのことを無言で見ている。

(やばい。やばい。結衣がガン見してるんだけど。やっぱり言わない方が良かったのか!? でも、気づいた時言いづらくなるよな。それにしても結構恥ずかしいんだけど! まあ目の前に天使級の美しさを持つ人がいるんだから仕方ないな。)

(どうしよう・・・。お兄ちゃん困ってるよね。どうして止まっちゃったんだろう。動き出しにくい・・・。お兄ちゃんもどうしてそんな事気付いちゃうの!? ・・・お兄ちゃんは頭脳明晰、運動神経抜群、家事洗濯もできて、しかも優しいという完璧な人だから仕方ないんだけど・・・。でも・・・見つめあっちゃってるよ! あああ・・・お兄ちゃんカッコいい・・・。)

ダメだ! ラチがあかない。

「結衣。二階どうする・・・?」

「・・・私たちの部屋だけでいいんじゃないかな?」

「食べ終わったらしようか・・・。」

「・・・うん。」

気まずい! 少しテンション落ちながら食べたため、この後会話がなく、掃除をした。あらかじめ使ってた部屋を結衣がそのまま使うため、掃除は一部屋で終わった。30分ほどで終わった。


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以下作者のコメント
すいません。今週は忙しいので更新ができない日が度々あると思います。すいません。
ランキング日間6位に入りました!\( 'ω')/こういうのが励みになってきます。あとは学校から帰った時フォロー数、いいね数がどれほど増えたかを見るのがストレス発散になってます。
さて、掃除編(笑)が終わりました。最初二階もするつもりだったんですけど、めんど・・・時間がなかったので一階で終わらせました。あと最強の敵を出しました。Gです。またの名をゴキ◯リ。見ただけで吐き気がします。
作者の家にゴキブリが出たことはありません。掃除は1日二回。朝と晩にやってます。ちなみに東京に住んでます。


すいません。これ昨日の11時くらいに書いたんですけど投稿する前に寝落ちしてしまいました。気をつけます。

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コメント

  • さらだ

    帝王は怖いので皆さんにもそれは知っていて欲しかったので書きました。

    1
  • ちょっと二次元が好きです

    ちょっとした雑学いれてくるあたり作者にセンスを感じる

    5
  • さらだ

    それに気づけないのがお約束です。

    6
  • RAJ

    ストアでゲーム買えば最強説

    6
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