龍の子

凄い羽の虫

閑話 1 『初恋!?』

「さてと、お会計お会計っと」

「BLTサンドイッチが3点、ホットドッグが2点、アイスココア1点、アイスカフェラテ1点、オレンジジュース2点で5,226円になります…?あの、僕は一人…かな?」

にこにこ!

「あ、うん。一人だよ!ちょっと待っててね今、財布出すから!」

がさごそ。

おかしい、どこを探しても財布が見つからない。

ポッケには無かった。

リュックの中も全てのスペースをくまなくみた。

それは勿論。ポッケに至ってはもう5回くらい手を突っ込んでいる。

見つからない。

財布が、見つからない!!

ええい!次はもう一回リュックだ!

あった!!

……違う、これは弁当堂4DSだ。

これかっ!

…違う、何で筆箱なんて入ってるんだ。僕は小学生じゃないっ!!

やばいぞ。財布が無いっ!おかしいぞ、そんなはずはない!!まさか、まさか!!

あの時、美雲ちゃんに渡した腕輪の中に入れっぱに……!?

いや、あっちの通貨は入れっぱなしだったけど流石にこっちの世界の財布は取り出しておいたはずだ!これは絶対なはず。そんなまさか!

しかし、もう通信機は爆破させてしまった!

一体、どうすれば!!

……くっ、あいつに連絡するしかないのか??

だけど、あいつとはもう関わりたくないんだよな。

重度のブラコンだし、こっちの話を聞いてくれるかどうかも怪しい。

「あ、あの〜。ボク?ママかパパはいるかなぁ?」

「はうっ!?」

ぐっ!迷ってる暇はない!!

出ろ!ブラコン女!!!

発信!

プルルルル!プルルルル!

『ふぁぁい?もひもひ?リンドウれぇす。なんれすかぁ??』

出た!

「くっ、寝起きか?悪いなリリア。ちょっとした頼みがあるんだ!」

『ふぁ?あ、ちみっこですかぁ?お兄ちゃんとおはようのチューが終わった後で良いです?』

「どのくらい掛かるんだ?」

『2時間くらぃ、たぁっぷりと、濃密にかなぁ?』

イラっ!!

「なんだとっ!?」

くそっ!こっちの世界に来たいって言うから何かの役に立つかと思って連れて来たがクソの役にも立たちやしない!あの、色ボケビッチめ!!

くいくい

ん?何だ。誰だ僕の服を引っ張るのは。

「ねぇ、これ。君の?」

なんだ、この小学生は?

って、見た目からしたら。僕と同じくらいか?

「これ、君の?て言うか、学校行かなくて良いの?あ、私『ゆい』って言うの。小学5年生なんだけどたぶん、同じくらいだよね?実は昨日引っ越して来たんだけど、学校には午後から行くことになってるから今は、ママとお買い物してたんだ」

なんて、笑顔だ。

「あ、ありがとう。僕の財布だ。感謝する…。学校は行ってない」

この世界の人間は盗んだりしないんだな。

「良かったね!君の財布で!あっ、あと学校には行かないとだめだよ!小学生は勉強しないと駄目なんだから!」

……余計なお世話だ。

「ほら、ゆい!ちゃんと渡したの?もう、行くわよ!」

「あっ!まって!ママ、今行くから!!じゃあね!えーっと、名前聞いてなかった。まぁ、いいや。じゃあ、また学校で教えてね!バイバイ!」

「ば、バイバイ……」

……可愛い。

はっ!?嘘だろ!?小学生だぞ!!まさかこの体になって精神年齢まで落ちたというのか??

ドクン、ドクン

ヤバい

ヤバいぞ

ドキドキが止まらない。

あの子、ゆい……ちゃん。

僕の名前、知りたがってた…。

『おーい、ちみっこぉ?冗談だってぇ。んで、私に何用なのぉ?』

「……あぁ、リリア。僕、小学校にいくよ!」

『ぇっ?マジ??もしかして、そのために私の力使うの??』

「ゆいちゃんっ!」

『はっ?どうした訳?……おーいっ!ちみっこーー!?』





次回、見た目は子供中身は○○、その名も!!

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