龍の子
12話 『こんな時こそ！』
「起きろーーー！！！あーさーだーぞーー！！！」
大丈夫です。
今日は起きています。思った以上にすっきりと目が覚めたよ。
なんか、昨日は寝る前に少し騒がしかった気もしたけど…
まぁ、気にしないようにしよう。
「おはよう」
「おぉ、今朝は早いのだな。エル」
「兄貴、早い！すごい！」
おい、ミーシャ。すごくはないぞ？
頭を撫で撫でするんじゃない！！
「やめい！お兄ちゃんの頭を撫でるな！」
「まぁまぁ、兄貴照れないでもいいよ」
もしかして、俺って妹から下に見られてるの…？？
お兄ちゃんちょっと悲しいよ？
まぁ、昨日は色々あったからなぁ。
ミーシャが覚醒したりとか、ミーシャが魔王の娘？？っぽかったりとか、ミーシャのが先に修行の権利を勝ちとったりとか。
あ…。
「ドヤぁ」
ドヤ顔…！！
こいつ！！分かっててやってやがったな！？
許せん！お兄ちゃんに対してその態度は良くありません！！
こうなったら、今日の修行でミーシャより良い結果を出してかっこよくて威厳のあるお兄ちゃんの姿を見せつけてやらねば！！
「って、そういえばフレッドじいちゃんはどこ？」
トイレでも行ったのか？
「あぁ、バカ上なら昨日の夜ダンジョンの外に追放してやったのだ！」
「えぇ！？なんで？？」
「心配しなくても大丈夫なのだ。朝一番には追放状態を解除して今はいつでも入れる状態にしてある。きっともうすぐ帰ってくるのだ」
『ガチゃり』
お、噂をすれば家のドアが…
て
「フレッドじいちゃん！どうしたの？その格好！」
フレッドの身なりはまるで追い剥ぎにあったような…
いや、これは完璧にあっている…
「どうしたのだパパ上！？そんなみすぼらしい格好を…、宿代くらいは渡したはずなのだ！」
「…いやぁ〜、宿には行ったのだ。まぁ、なんだ…ちょっとした気まぐれで野宿をしただけなのだ」
そう言ってフレッドは部屋の食卓机の椅子に腰掛ける。
「どうせ、女の子と相席になったからカッコつけて『俺は野宿で大丈夫だ、君は安全な宿の中でゆっくりと眠りにつくといいのだ』とかなんとか言ってたに違いないのだ」
「な、何！？なぜ分かったのだ！」
「カッコつけて野宿したくせに追い剥ぎに会うなんておじい様はバカ」
このドラゴンだっせぇ…。
む、イカンイカン。
「二人ともそんなにじいちゃんを責めなくてもいいじゃんか。結局その女の子には良いことしてあげたんだからさ！」
「バカ兄貴」
何故！！
いや、それよりも
「そ、それより。龍激の修行！今日から始めるんだよね？」
「む？あぁ、そうだったのだ。昨日の晩御飯の時に決めたのだったな。それでは朝飯を食ってからしばらく休憩をとった後に修行を開始しとするのだ」
「うむ、朝ごはんはもう出来てるのだ！エルもミーシャもさっさと食べるのだ！」
「ごちそうさまでしたー」
「うむ」
朝ごはんを食べ終わり、これから休憩を取りつつも修行内容の確認をする。
「さて、まずは午前の修行内容だが…ミアレ。何か書けるものは無いか？」
「む、パパ上。実は午前の修行内容に関してなのだがいつも通りの修行方法をもう既に実行していたのだ。これがメニューなのだ」
スッ、と昨日のメニュー表をフレッドに渡す。
げっ！？
もしかして昨日の走り込みとか筋トレとかって諸々フレッドじいちゃんの教えそのままだったのか！？
「ふむふむ、なるほど。それで昨日はこのメニューを午前の所までは行って午後の修行に入った所でミアレが不祥事を起こしたと…」
「そ、それはすまなかったのだ。本当に…」
「まぁ、良いのだ。過ぎた事だし、二人も無事だったのだ。これからは気をつけるのだぞ！それに、修行をつけると言っても俺もずっとここに居れる訳ではないのだからな。ミアレ、お前が俺の代わりにしっかり監督をしてやるのだ。母親なのだろう？」
それもそうだ。フレッドじいちゃんも本来なら龍の里での生活もある。
「当然なのだ。パパ上に言われなくてもそこの所は心得てるのだ」
「そうか、なら良いのだ。…ところでエル君、ミーシャちゃん。昨日は午前の修行をしてどう感じたかな？」
おっと、いきなり振ってきたな。
「えと、毎日やるのはちょっと大変…かな？って」
「ふむん、ミーシャは問題無いもん！」
いやいやいや、お前の分の筋トレを誰がやったと思ってるんだ…
「ハハハっ、ミーシャちゃんは頼もしいな。うむ、まぁそうだな。基本はそのメニューは大変なものなのだ。何故なら、そのメニューは本来龍激を身体に馴染ませるために行うストレッチみたいなのものなのだからな！」
え？どういうこと？？
「意味がわからないというような顔をしているな。まぁ、無理もない。ミアレがこのメニューを作ったという事で大体察しはついたが…」
「え、えっと…パパ上…？」
「ミアレは小さい頃から才能にで恵まれた体を持っていたために普通に修行について来れてしまったのだ。そもそも、サボり症で偶にしか龍激の修行に来なかったから知らなかったのだろう。この修行は本来は龍激のノウハウを理解してから行うものなのだ！」
「ガーーン、なんだってぇ！」
か、母さんがショックを受けてる！！
「つ、つまり私は昨日、全く意味のない無駄な修行を子供二人に教えていたと言うのか！？なんと言う事なのだ！」
「まぁまぁ落ち着くのだ、ミアレ。結果的に、遅かれ早かれあのメニューには慣れてもらうのだ。本格的な修行は今日からやれば良いのだ」
「怒ってない？」
「謝りたいなら子供達に謝るのだ。俺は怒ってないのだ」
「母さん、別に俺も怒ってはないよ」
ミーシャも続いて
「母様はかっこよかったよ？」
うん…
「お前たち…。…うわぁぁぁん！キツかっただろう？あの修行は…。でも私も、お前たちの為を思って心を鬼にしたつもりだったのだが、それが失敗だったなんて…、申し訳なかったのだ！！」
そ、そんなに気にすることかな…？
「か、母さん俺たちは何も気にしてないから大丈夫だよ？」
「そうだぞ、ミアレ。元はお前がしっかりと修行の時間に顔を出さず、四六時中人の子供達と遊びふけっていたツケが回って来ただけなのだ」
「む…、だってあいつらと居ると暇しなかったのだ！つまらない修行より…」
母さん、小さい頃は人の子供達とよく遊んでいたって聞いたけどいったいどんな遊びをしてたんだろう？
「はぁ…まぁ、先ほども言ったが既に過ぎた事だから何を言ってもしょうがないのだ。とりあえずこれでお話は終わりにしよう。さぁ、修行モードに気持ちを切り替えて！」
ゴクリっ、いよいよ龍激の本格的な修行が始まるのか。
一体どんなきつい試練が待ち受けてるのか…。不安な気持ちもあるけど、やっぱりどきどきの方が強いな。
だって、修行だよ？
なんだか、昔読んだ漫画の世界の主人公になった気分だ。
「よし、そろそろ良いかな？それじゃあみんな外に出るのだ！まずは龍激とはなんたるかを見せるのだ！」
フレッドじいちゃんもなんだか張り切ってるし、さすがに昨日の母さんのような感じにはならなそうだな。
「よし、ここら辺で良いかな？ミアレ、子供達に手本を見せるから手伝って欲しいのだ」
「うむ、了解なのだ！」
何を見せてくれるんだろう。
「じゃあ、ミアレ。全力で来い！」
へ？
「言われなくても全力で行くのだ！！」
「ちょ、大丈夫なの！？」
「問題ないのだ！むしろ全力で行かないと手本の意味がないのだ。そんなことより、エルはしっかりと今から起こる事を見とくのだ！」
母さんが半龍化した。
人型から翼や角、尻尾が生えた状態。母さんの本気モードだ。
「半龍化か。やはりドラゴンの姿にはならないのだな」
「…こっちの方が、本気を出しやすいだけなのだ！」
両者が目を見開く。
「…来い！！」
ヒュッ！
…え？
速い！
気がついた時には母さんの拳がフレッドじいちゃんの顔面に食い込んでいた。
「じいちゃ…！？」
急いで駆けつけようとした瞬間、フレッドじいちゃんの後方から物凄いプレッシャーが…
ドゴーーーーン！！
バキバキバキバキッ！！
「すごい一撃だったのだ…！少し受け流しきれなくてほっぺがちょっと痛いのだ…。ミアレ、お前はやはり天才なのだ…。やはり時期、龍王はお前に…」
すごい、ほっぺたに拳がめり込んでる状態で喋ってる…。
「…パパ上、まだ終わってないのだぁっっっ！」
て、めり込んでる状態でそのまま地面に殴り伏せた！？
「ほぶっ！？」
メキメキメキッ！！
地面にすごい亀裂が！！
「ふう、ちょっとスッキリしたのだ！」
この人はこの人で清々しそうだし！！
「ちょっと、じいちゃんは大丈夫なの！？」
「母様かっこいい！！」
君はちょっと黙ってようか！
「うーむ、少しやりすぎたかもしれないけど。まぁ、大丈夫なのだ！」
ほ、本当かな？
一発目は受け流したのはわかったけど、二発目は予想してなかった様に見えたんだけど…。
ガラガラガラ
あ、地面から出てきた。
「ふぅ、二発目は予想してなかったのだ。おかげでちょっとダメージを負ってしまったのだ…」
おぉ！！あんな攻撃くらってピンピンとしてる！！
「だ、大丈夫なの！？じいちゃん！」
「はははっ！全く問題ないのだ！」
って！めっちゃ顔面が腫れてアザもできてるーーー！
「いやぁ、思ったよりミアレの攻撃が強くて少し受けきれなかったのだ！」
でも、あの攻撃を受けてアザくらいしか怪我を負わないなんてすごいといえばすごいのかもしれない。
もし、俺があんな一撃を食らったら、トマトを潰すよりも容易く潰れるだろう。
「と、言うわけで龍激とはこんな感じのものなのだ！わかったかな？」
え？
わかんない…さっぱりだ
「ちょ、母さん」
「うむ、こう言うものなのだ」
えぇぇぇ！！
やだ！この直感型天才親子！！！
『大丈夫だよ！しっかりと観たから！』
あ、そうか！！
俺にはこれがあった！
おはこんばんちわす。
虫だ。
ひとまずは学業に関する危機は逃れたと思われる。
しかし、油断は禁物だ。逃れただけで解決したわけではない。
解決はしてない…。
何はともあれ、再開します。
とりあえず今回でさっさと龍激をざっと10年ほど修行させて『小さい頃編』と題する章は終わりにしようと思ったが中々に区切りがつかん。てか、なげぇよ。いつまで修行の話してるんだよ…。あとミーシャはキャラぶれます。可愛く小憎たらしく居させたい。
次回！『エル、才能が開花する！』
お楽しみに！
「何か困ったらお父さんになんでも相談するのだ！」
秋葉「お父さん？？お父さん、お父さん…ではねぇよ！！！」
「では、お父様でいいのだ！！それかパパで！」
秋葉「…あ？」
大丈夫です。
今日は起きています。思った以上にすっきりと目が覚めたよ。
なんか、昨日は寝る前に少し騒がしかった気もしたけど…
まぁ、気にしないようにしよう。
「おはよう」
「おぉ、今朝は早いのだな。エル」
「兄貴、早い！すごい！」
おい、ミーシャ。すごくはないぞ？
頭を撫で撫でするんじゃない！！
「やめい！お兄ちゃんの頭を撫でるな！」
「まぁまぁ、兄貴照れないでもいいよ」
もしかして、俺って妹から下に見られてるの…？？
お兄ちゃんちょっと悲しいよ？
まぁ、昨日は色々あったからなぁ。
ミーシャが覚醒したりとか、ミーシャが魔王の娘？？っぽかったりとか、ミーシャのが先に修行の権利を勝ちとったりとか。
あ…。
「ドヤぁ」
ドヤ顔…！！
こいつ！！分かっててやってやがったな！？
許せん！お兄ちゃんに対してその態度は良くありません！！
こうなったら、今日の修行でミーシャより良い結果を出してかっこよくて威厳のあるお兄ちゃんの姿を見せつけてやらねば！！
「って、そういえばフレッドじいちゃんはどこ？」
トイレでも行ったのか？
「あぁ、バカ上なら昨日の夜ダンジョンの外に追放してやったのだ！」
「えぇ！？なんで？？」
「心配しなくても大丈夫なのだ。朝一番には追放状態を解除して今はいつでも入れる状態にしてある。きっともうすぐ帰ってくるのだ」
『ガチゃり』
お、噂をすれば家のドアが…
て
「フレッドじいちゃん！どうしたの？その格好！」
フレッドの身なりはまるで追い剥ぎにあったような…
いや、これは完璧にあっている…
「どうしたのだパパ上！？そんなみすぼらしい格好を…、宿代くらいは渡したはずなのだ！」
「…いやぁ〜、宿には行ったのだ。まぁ、なんだ…ちょっとした気まぐれで野宿をしただけなのだ」
そう言ってフレッドは部屋の食卓机の椅子に腰掛ける。
「どうせ、女の子と相席になったからカッコつけて『俺は野宿で大丈夫だ、君は安全な宿の中でゆっくりと眠りにつくといいのだ』とかなんとか言ってたに違いないのだ」
「な、何！？なぜ分かったのだ！」
「カッコつけて野宿したくせに追い剥ぎに会うなんておじい様はバカ」
このドラゴンだっせぇ…。
む、イカンイカン。
「二人ともそんなにじいちゃんを責めなくてもいいじゃんか。結局その女の子には良いことしてあげたんだからさ！」
「バカ兄貴」
何故！！
いや、それよりも
「そ、それより。龍激の修行！今日から始めるんだよね？」
「む？あぁ、そうだったのだ。昨日の晩御飯の時に決めたのだったな。それでは朝飯を食ってからしばらく休憩をとった後に修行を開始しとするのだ」
「うむ、朝ごはんはもう出来てるのだ！エルもミーシャもさっさと食べるのだ！」
「ごちそうさまでしたー」
「うむ」
朝ごはんを食べ終わり、これから休憩を取りつつも修行内容の確認をする。
「さて、まずは午前の修行内容だが…ミアレ。何か書けるものは無いか？」
「む、パパ上。実は午前の修行内容に関してなのだがいつも通りの修行方法をもう既に実行していたのだ。これがメニューなのだ」
スッ、と昨日のメニュー表をフレッドに渡す。
げっ！？
もしかして昨日の走り込みとか筋トレとかって諸々フレッドじいちゃんの教えそのままだったのか！？
「ふむふむ、なるほど。それで昨日はこのメニューを午前の所までは行って午後の修行に入った所でミアレが不祥事を起こしたと…」
「そ、それはすまなかったのだ。本当に…」
「まぁ、良いのだ。過ぎた事だし、二人も無事だったのだ。これからは気をつけるのだぞ！それに、修行をつけると言っても俺もずっとここに居れる訳ではないのだからな。ミアレ、お前が俺の代わりにしっかり監督をしてやるのだ。母親なのだろう？」
それもそうだ。フレッドじいちゃんも本来なら龍の里での生活もある。
「当然なのだ。パパ上に言われなくてもそこの所は心得てるのだ」
「そうか、なら良いのだ。…ところでエル君、ミーシャちゃん。昨日は午前の修行をしてどう感じたかな？」
おっと、いきなり振ってきたな。
「えと、毎日やるのはちょっと大変…かな？って」
「ふむん、ミーシャは問題無いもん！」
いやいやいや、お前の分の筋トレを誰がやったと思ってるんだ…
「ハハハっ、ミーシャちゃんは頼もしいな。うむ、まぁそうだな。基本はそのメニューは大変なものなのだ。何故なら、そのメニューは本来龍激を身体に馴染ませるために行うストレッチみたいなのものなのだからな！」
え？どういうこと？？
「意味がわからないというような顔をしているな。まぁ、無理もない。ミアレがこのメニューを作ったという事で大体察しはついたが…」
「え、えっと…パパ上…？」
「ミアレは小さい頃から才能にで恵まれた体を持っていたために普通に修行について来れてしまったのだ。そもそも、サボり症で偶にしか龍激の修行に来なかったから知らなかったのだろう。この修行は本来は龍激のノウハウを理解してから行うものなのだ！」
「ガーーン、なんだってぇ！」
か、母さんがショックを受けてる！！
「つ、つまり私は昨日、全く意味のない無駄な修行を子供二人に教えていたと言うのか！？なんと言う事なのだ！」
「まぁまぁ落ち着くのだ、ミアレ。結果的に、遅かれ早かれあのメニューには慣れてもらうのだ。本格的な修行は今日からやれば良いのだ」
「怒ってない？」
「謝りたいなら子供達に謝るのだ。俺は怒ってないのだ」
「母さん、別に俺も怒ってはないよ」
ミーシャも続いて
「母様はかっこよかったよ？」
うん…
「お前たち…。…うわぁぁぁん！キツかっただろう？あの修行は…。でも私も、お前たちの為を思って心を鬼にしたつもりだったのだが、それが失敗だったなんて…、申し訳なかったのだ！！」
そ、そんなに気にすることかな…？
「か、母さん俺たちは何も気にしてないから大丈夫だよ？」
「そうだぞ、ミアレ。元はお前がしっかりと修行の時間に顔を出さず、四六時中人の子供達と遊びふけっていたツケが回って来ただけなのだ」
「む…、だってあいつらと居ると暇しなかったのだ！つまらない修行より…」
母さん、小さい頃は人の子供達とよく遊んでいたって聞いたけどいったいどんな遊びをしてたんだろう？
「はぁ…まぁ、先ほども言ったが既に過ぎた事だから何を言ってもしょうがないのだ。とりあえずこれでお話は終わりにしよう。さぁ、修行モードに気持ちを切り替えて！」
ゴクリっ、いよいよ龍激の本格的な修行が始まるのか。
一体どんなきつい試練が待ち受けてるのか…。不安な気持ちもあるけど、やっぱりどきどきの方が強いな。
だって、修行だよ？
なんだか、昔読んだ漫画の世界の主人公になった気分だ。
「よし、そろそろ良いかな？それじゃあみんな外に出るのだ！まずは龍激とはなんたるかを見せるのだ！」
フレッドじいちゃんもなんだか張り切ってるし、さすがに昨日の母さんのような感じにはならなそうだな。
「よし、ここら辺で良いかな？ミアレ、子供達に手本を見せるから手伝って欲しいのだ」
「うむ、了解なのだ！」
何を見せてくれるんだろう。
「じゃあ、ミアレ。全力で来い！」
へ？
「言われなくても全力で行くのだ！！」
「ちょ、大丈夫なの！？」
「問題ないのだ！むしろ全力で行かないと手本の意味がないのだ。そんなことより、エルはしっかりと今から起こる事を見とくのだ！」
母さんが半龍化した。
人型から翼や角、尻尾が生えた状態。母さんの本気モードだ。
「半龍化か。やはりドラゴンの姿にはならないのだな」
「…こっちの方が、本気を出しやすいだけなのだ！」
両者が目を見開く。
「…来い！！」
ヒュッ！
…え？
速い！
気がついた時には母さんの拳がフレッドじいちゃんの顔面に食い込んでいた。
「じいちゃ…！？」
急いで駆けつけようとした瞬間、フレッドじいちゃんの後方から物凄いプレッシャーが…
ドゴーーーーン！！
バキバキバキバキッ！！
「すごい一撃だったのだ…！少し受け流しきれなくてほっぺがちょっと痛いのだ…。ミアレ、お前はやはり天才なのだ…。やはり時期、龍王はお前に…」
すごい、ほっぺたに拳がめり込んでる状態で喋ってる…。
「…パパ上、まだ終わってないのだぁっっっ！」
て、めり込んでる状態でそのまま地面に殴り伏せた！？
「ほぶっ！？」
メキメキメキッ！！
地面にすごい亀裂が！！
「ふう、ちょっとスッキリしたのだ！」
この人はこの人で清々しそうだし！！
「ちょっと、じいちゃんは大丈夫なの！？」
「母様かっこいい！！」
君はちょっと黙ってようか！
「うーむ、少しやりすぎたかもしれないけど。まぁ、大丈夫なのだ！」
ほ、本当かな？
一発目は受け流したのはわかったけど、二発目は予想してなかった様に見えたんだけど…。
ガラガラガラ
あ、地面から出てきた。
「ふぅ、二発目は予想してなかったのだ。おかげでちょっとダメージを負ってしまったのだ…」
おぉ！！あんな攻撃くらってピンピンとしてる！！
「だ、大丈夫なの！？じいちゃん！」
「はははっ！全く問題ないのだ！」
って！めっちゃ顔面が腫れてアザもできてるーーー！
「いやぁ、思ったよりミアレの攻撃が強くて少し受けきれなかったのだ！」
でも、あの攻撃を受けてアザくらいしか怪我を負わないなんてすごいといえばすごいのかもしれない。
もし、俺があんな一撃を食らったら、トマトを潰すよりも容易く潰れるだろう。
「と、言うわけで龍激とはこんな感じのものなのだ！わかったかな？」
え？
わかんない…さっぱりだ
「ちょ、母さん」
「うむ、こう言うものなのだ」
えぇぇぇ！！
やだ！この直感型天才親子！！！
『大丈夫だよ！しっかりと観たから！』
あ、そうか！！
俺にはこれがあった！
おはこんばんちわす。
虫だ。
ひとまずは学業に関する危機は逃れたと思われる。
しかし、油断は禁物だ。逃れただけで解決したわけではない。
解決はしてない…。
何はともあれ、再開します。
とりあえず今回でさっさと龍激をざっと10年ほど修行させて『小さい頃編』と題する章は終わりにしようと思ったが中々に区切りがつかん。てか、なげぇよ。いつまで修行の話してるんだよ…。あとミーシャはキャラぶれます。可愛く小憎たらしく居させたい。
次回！『エル、才能が開花する！』
お楽しみに！
「何か困ったらお父さんになんでも相談するのだ！」
秋葉「お父さん？？お父さん、お父さん…ではねぇよ！！！」
「では、お父様でいいのだ！！それかパパで！」
秋葉「…あ？」
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