部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

レッツ初詣

七海との追いかけっこ? を終えて僕らは最寄りの駅から
他の4人との待ち合わせ場所に向かった。
今日、僕らが向かうのは都内でも最大規模の神社であり
毎年初詣に沢山の人々が来る。
なので電車もその神社に向かう人たちが沢山乗っているためか
いつも以上に混んでいた。
「人が多いですね〜〜」
「僕人混み嫌いなんだよね……気持ち悪い……」
「先輩、大丈夫ですか?」
「とりあえず今は大丈夫かな……早く行こうか」
もみくちゃにされながらもなんとか目的地に着いた僕らは
森達を探す事にしたのだが……
「おっ、先輩方〜こっちっす〜!!」
と聞き慣れた声が聞こえた方を向くとそこには森と凛子さん
織田と与謝野さんという僕と七海以外の全員が揃っていた。
「僕達が最後みたいだね」
「そうですね〜森先輩が時間通りに来るなんて明日は
1月ですけど真夏日ですかね?」
「ハハッ、確かにそうかもね」
そんな会話をしながら僕らは全員がいる場所に向かった。


「ごめん遅れた」
「「おっす、国木田大先輩!!」」
と後輩達から一斉に頭を下げられる僕。
……さりげなく七海もそっちにいるし。
というか凛子さんも一緒にやっている。
「やめてくれないかな……なんか目立つから」
というかさっきから周りを行く人達の目線が辛い。
「何を言っているんですか!! 大先輩の登場にには最大の
敬意を示したっす!!」
「……森に関しては今日はいいけど、敬意を示すなら
普段から寝坊には気をつける事だと思うな」
「新年早々から有難いお言葉っすね〜!!」
「……決めたこいつ部費倍にしてやろう」
僕がその様に言うと森は何故か勝ち誇った顔をして
「ふっふっ先輩、今の会計は俺ですよ?
つまり部費の関係は俺の権限が無いと出来なーー」
「ーー織田、しばらく会計僕がやるね」
「分かりました。というかむしろお願いしてもいいですか」
この瞬間、僕は会計に再任された。
「お〜い同期!? 俺いきなり罷免か!?」
「何言ってるんだ。お前は職務停止なだけだ」
「あ、あれこれはまさか……く、国木田先輩……?」
「よし1月の部費は全員から1000円にしよう。
ーー森は1万な」
「俺だけ桁が違いますよね!? その一桁って結構大きな差だと
大先輩の後輩である俺は思います!!
ーーというかやめてくださいお願いします!!」
「……はぁ分かった。
ーー5000円で妥協してやるよ」
「あんまり妥協してねぇっすよね!?」
「……先輩達は新年初っ端から何をしてるんですか
ーーって平塚可愛い〜〜〜!!」
「ちょっと与謝野先輩!? 抱きつかないでくださいって!?」
と僕らを止めようとした与謝野さんは七海の方を見た途端
そっちの方に瞬間移動したのかの如く移動して
抱きついていた。
「あぁ〜何だろうなぁ〜いつもの可愛さじゃなくてこの
大人びた感じの綺麗さとのギャップが堪らないよ〜!!」
「お、織田先輩助けてください〜〜!!」
「分かった。ほら桜、いい加減離れろ」
「いやだ〜離れたく無いよ〜せっかくの平塚成分の充電中
なんだからもう少しこのままで」
「いいから離れろって」
と織田は与謝野さんの首元を掴むと七海から引き剥がした。
「くっ……邪魔されたか……だけど次は凛子ちゃんに
抱き付けば私の美少女エネルギーは……」
「やめないか」
織田が与謝野さんに軽めのチョップをかましていた。
「痛っ!! 吉晴はもう少し彼女を丁寧に扱った方が
いいと私は思うんだよね〜」
「ーーあぁなんか言ったか?」
「……はぁ〜い大人しくしています〜」
こちらもいつも通りだった。


待ち合わせ場所でひとしきり騒いだ後僕らは参拝場所に
向けて歩き出した。
「ねぇねぇ凛子〜」
「何かしら七海?」
「その着物似合ってるじゃん〜可愛い〜〜」
「あ、ありがとう……」
と照れている凛子さん。
ちなみに女性陣の服装だが

七海……前回触れた通りに白いロングコート

与謝野さん……ファーがついた黒いコートにロングスカート

凛子さん……南天柄の着物に羽織姿

という随分華やかな服装であった。
こんな風に女性陣が綺麗な服装をしていると見ているこっちは
大変目の保養になって嬉しいのだーー
「センパイ、今なんか邪な考えをしませんでしたか?」
……何故かこういう時だけ察しがいい我が彼女。
「気のせいだよ、気のせい」
「えぇ〜今絶対何か考えていましたって〜
ーー綺麗だな〜目の保養だわ〜って」
……最早ここまで来ると人の心読んでいるんじゃないかって
思ってしまう。
「確かに七海は見ていると目の保養だね」
「……なんか“とりあえず七海が喜びそうな言葉言って
この場を誤魔化そう”って気がします」
「……七海、貴方って一体何者なの?」
「えっ? 私はセンパイの彼女だけど何か?」
「……なんだろう、貴方にまともな返答を期待した私が
バカみたいだわ」
と言いながらため息を吐いた凛子さん。
「何言っているの凛子〜彼女なんだから彼氏の考えている事
ぐらい察して当たり前だよ〜」
「いやいやそれはありえないでしょ……普通」
「あっ、ちなみに今森先輩が隣を歩いていた綺麗な人を
ガン見していたよ〜」
「はっ!? そんな事してーー」
「ーーセンパイウワキユルサナイ」
「新年早々闇堕ち勘弁してもらえる!?
というか平塚テメェ!!」
「さぁ行きましょう〜」
「逃げんじゃねぇ!!」
「ーーウワキノアイテハナナミデスカ?
ちょっとお話ししましょうか。あっちの方で」
「ヘルプ〜!!だれか俺を助けてくれ!!」
新年早々災難な森であった。

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