部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

クリスマスパーティー









「「乾杯〜!!」」
カシャン!!
僕らはコップを合わせて乾杯をした。
今日は少し早めのクリスマスパーティーを開催していた。
……何故か僕の部屋で。
例年は森と2人でクリスマスにボッチ同士
ケーキをつまみながら寂しくパーティーをしていた。
だが今年からは七海、織田に与謝野さん、凛子さんが
増えて、計6人でガヤガヤと楽しんでいた。
なお本当のクリスマスは各カップル別々に楽しむ
事になっている。
「さて料理出来たよ〜食べな食べな」
「やったぁ〜!! センパイの料理だぁ〜!!」
と皿をテーブルに置いた瞬間に七海が箸を伸ばす。
「おい平塚、俺の分も残せよ!?」
「嫌ですよ〜早いもん勝ちですよ森先輩〜」
「……テメェ、後輩のくせに」
「なんて言ってるうちに与謝野先輩がどんどん
食べていきますよ?
ーー与謝野先輩〜私の分も残してくださいよ〜!!」
「さっき平塚も言ったよね?
早いもん勝ちだもん〜!!」
「うわぁ〜ん!! センパイ料理早く〜!!」
「……僕の分残っているかな、これ」
「先輩ご愁傷様です」
と申し訳なさそうな顔をする織田と
「七海……貴方もう少し遠慮というのを……
ゆ、結城先輩!! こちらをどうぞ!!」
森に自分で作った料理を渡す凛子さんだった。
「ん? これって凛子の手作りか?」
「は、はい!! そうです……先輩のお口に合うか
分かりませんが……」
「いや凛子が作ったもんなら俺は何でも食べる!!」
「俺だって桜が作った物なら何でも食えるわ」
「僕だって七海の料理は……
ーーごめん無理だ」
僕は勢いで言おうとした言葉を無理矢理押し込め
向こうにいた七海に謝った。
「ちょっとセンパイ!? フォローも無しですか!?」
……だって七海は台所に立たせてはいけない人物
なんだもん。
「七海……貴方は……」
凛子さんが呆れの表情で七海を見ると
「り、凛子まで!? 私だって本気を出せば
センパイぐらいすぐ越せるし〜なんならプロの料理人
になれるし〜」
「「それは無理だな」」
いつも通りに七海以外の全員の意見が被った。
「全員で否定ですか!? うわ〜ん!! 泣いてやる〜!!
明日センパイにフレンチトースト作ってもらう〜!!
ーーだから明日お願いっ!!」
七海のお願いに僕は……
「……はいはい分かりましたよ、作りますよ」
結局いつも通りに折れる事になった。
「やったぁ〜!! 流石センパイ〜!!」
「……国木田先輩って七海にだだ甘ですね」
「まぁね、それは否定しないよ」
織田にそう言われ苦笑するしか出来ない僕。
なんかどうしても七海には甘くしてしまう。
「よっ!! 彼女第一主義の大先輩!!」
なんて思っているといつも通りの調子に乗ってくる森。
「……森はしばらく飯奢ってやんねぇ」
「俺には厳しいっすね!?」
……逆に何故野郎に甘くする必要があるのか
教えてもらいたい。
「だ、大丈夫ですよ!! 結城先輩!!
わ、私が毎日お弁当作ってきますから!!」
「凛子……俺はなんて良い彼女を持ったんだ……
この出会いを作った人に感謝しなくては……」
「えっへんそれは私のおかげですね!!
私は凛子と親友だったからですよ〜!!」
「国木田先輩には感謝しますね……
ーー平塚? 感謝するぐらいなら死ぬな」
「そんなに嫌ですか!?」
結構落ち込んでいた我が彼女だった。

そしてパーティーが始まりしばらくすると
「ところで先輩達は年末年始どうするんですか?」
と七海が全員に聞いてきた。
「俺は桜とデートか、家で寝ているかな」
「そうだね〜吉晴の家行ったり、私の家行ったり
私も吉晴と同じ感じかな〜」
と織田と与謝野さん。
まぁこの2人が1番お互いの家が近いから
会おうと思えばいつでも会えるだろう。
「ちなみに平塚と国木田先輩はどうするんですか?」
「なんと私とセンパイは私の両親のところに行き
結婚の挨拶をす……
ーーあいたっ!!」
「嘘をつくな、嘘を」
僕は七海の頭目掛けてチョップをかました。
「まぁ七海の両親に会いに行くのは本当だよ。
年末は七海の実家で過ごすんだ」
七海が数日前に電話して、向こうの許可が正式に
降りたので本当に行く事になった。
「へぇ〜進んでますね……」
「よっ大先輩!!
手を出すのがはや」
「森は二度と奢んないぞ?」
「……それだけは勘弁を本当に死にますって俺」
「じゃあ黙れ」
「分かりました……」
「ねぇねぇ凛子達はどうするの〜?」
「わ、私は……クリスマスはい、一緒に過ごして……
年末は離れ離れなんだけど……」
「俺が実家に帰るんで……凛子にはすまないっす」
そういえば森は浜松出身だったことを思い出す。
「い、いえ!? 私は大丈夫ですよ!!
ま、また年が始まれば会えますし!!」
「ありがとうな〜凛子!!」
と勢いよく凛子さんを抱きしめる森。
……個人的にこの一年で1番変わったのは森
じゃないかと思っている。
凛子さんと付き合う前はあんなにコミュ障で
女子とまともに話せなかったのが今じゃ僕らがいる前で
彼女に抱きつけるようになったいた。
「ち、ちょっと結城先輩……!?」
凛子さんは顔を真っ赤にしている。
「美少女が照れている……!! 萌える〜!!
ハァハァ……私も抱きつきたい……抱きついて
私も凛子ちゃんの柔らかさを感じたい……!!」
与謝野さんは手をワキワキさせて呼吸を
荒くしていた。
「はい、やめとけよ」
とこちらもいつも通りに与謝野さんの首を掴んで
止めに行く織田。
……さりげなく腕がプルプルしているのを見ていると
与謝野さんはかなりの勢いで飛びつこうとしているのが
想像できる 。
「てかじゃあ今日でこの6人が全員揃うのは
今年は最後なのか」
「そうみたいですね……てか俺らよく集まっていますね。
ーーしかも先輩の部屋に」
「まぁ僕は構わないよ、楽しいからね」
こんな風に全員がわちゃわちゃ騒がしくしているのを
見ていると心がとても和む。
「なんか今日が最後って思うと急に寂しく
思いますね……」
「凛子もそう思う!? 私と同じだね!!」
「えぇ……七海と同じ? 嫌だわ‘」
「ちょっと凛子さん〜!?」
「ふふっ、嘘よ。寂しいのも本当よ」
「じゃあ年が明けたらみんなで集まりましょ〜!!」
七海が急に思いついたように言った。
「私は賛成〜!!」
「俺もかな」
「俺も賛成だ!!」
「結城先輩が言うのでしたら……
別に七海のためじゃないくて……」
「来ました〜凛子のツンデレ〜!!」
「七海
ーー消すわよ?」
「怖いよ!?」


と終始こんな感じでパーティーは遅くまで
続いたのであった。






「部活の後輩と付き合ってみた」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く