部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

最初はこの2人


今回から再び国木田と七海で
話が進んでいきます






「さて、僕らはどこに行こうか?」
僕は隣の七海に聞いた。
「あそこ行きたいです!!」
「いや、どこだよ……?」
あいにく七海の指示語だけを聞いて
分かる程、頭はよくない。
「あ、あの仏像が沢山並んでるお寺?みたいな場所!!
なんでも母さんが写真欲しいみたいなので……」
「三十三間堂かな、それ」
「そうそう!! そこです!! 行きましょう!!」
「……行かなきゃダメかい?」
「センパイは行きたくないんですか?」
「別に行きたくはない訳では無いけどな……」
「じゃあ行きましょう〜!! ゴーー!!」
「はいはい」
と僕は七海につられるまま、宿を後にした。


昨日と同じ様に電車とバスを使い
僕らは三十三間堂に着いた。
「外は意外と普通ですね〜」
「そういうのは言わなくてもいいと思うよ?」
「さぁ行きましょう〜!!」
「僕の話はスルーなのね……」
「という事で拝観料払って〜」
「……ここでも僕か」
僕は渋々財布から2人分の拝観料を払った。
「えへへ〜可愛いから許して〜」
「……帰ったら七海にはしばらく自炊して
もらおうかな」
「鬼がいる!? 鬼だ鬼だ!!」
「普通だからな」
というか今更なんだけど、なんで僕は七海の分も
料理してるんだろ……
「嫌だ嫌だ〜!! 自炊したくない〜!!」
駄々をこねる七海。
「とうとう自炊したくないって言ったよ、この子……」
「だってセンパイのご飯が美味しいのが
悪いんだよ〜!! 私悪くない!!」
「まさかの責任転嫁!? 」
「これから少しずつ練習するから!!
……ダメかな?」
「はぁ……少しずつ練習しなよ?」
「うんうん!! って事は……」
「また僕が作るよ」
相変わらずというかやっぱり七海に甘い僕であった。
「やったぁ〜生命線確保〜!!」
この子は僕をなんだと思っているんだろうか?
「あっ、というかもう少しでクリスマスか……」
今更だけどあと1ヶ月でクリスマスの季節だと
いう事に気付いた。
「ケーキ!! ケーキ!! チキン!! チキン!!」
「……君は食べる事しか頭に無いんだろうか?」
「嫌だな〜食べる事以外にもありますよ〜
ただ食べる事が優先なんですよ〜!!」
「はぁ……」
決めた。
絶対、七海にミニスカサンタ着せてやろうと。
それぐらいやらないと妙に気が収まらない。
(まぁ、七海はミニスカサンタじゃなくても
どんな服着せても可愛いだけどね)
「あっ、でも一番楽しみなのは」
「なんだ? オードブルとでもいうつもり?」
と僕が言うと七海は振り返り
「違いますよ。私の一番の楽しみは
ーー大好きなセンパイと一緒にクリスマスを
過ごせる事ですよっ!!」
満面の笑みで言われた。
「……ッ!?」
不意打ちに言われたためにいつも以上に
心に刺さった。
「そりゃケーキやチキンも楽しみですよ〜
でもそれよりもセンパイと一緒にクリスマスを過ごせる
事が何よりも楽しみなんですよ」
「そ、そうですか……」
(可愛い!! 文句無しに可愛い!!
周りに人がいなければ抱きしめていた!!)
僕は心の中で彼女に萌えていた。
ここが有名な観光地であった事を始めて悔やんだ。
「でも今は旅行を楽しもうよ!!
ねっ、センパイ?」
と片目でウインクをしてくる七海。
「そうだね。うん、楽しもうか
……可愛い」
「えっ? 今なんか言いましたか?」
「いや、なんでもないよ」
「えぇ〜今絶対何か言いましたって〜」
「何でもないよ。
さっ、デートの続きといこうか」
さっきまでの呆れの感情はすっかりなりをひそめ
改めて七海の可愛さに惚れたのであった。

コメント

  • 隻眼の王

    七海はいつもかわよす

    2
  • ペンギン

    もうこの文章を読んでいたら、七海の可愛いところが容易に想像できますね!wありがとうございます!

    2
  • ノベルバユーザー34792

    イチャイチャしてるのを見るのは好きだけどそろそろデートDVで男性陣は怒ってもいいと思う

    2
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