部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

妙に胃が痛くなりそうな









僕らは話し合い?をしていたファーストフード店で
晩御飯を済ました後、樋口さんが
予約してくれた宿に向かった。
……なお男性陣のも予約してあると森と織田に言ったら
織田は
「マジですか……? 樋口先輩って何者なんですかね?」
と驚いていて、森に関しては
「いや〜!! 樋口先輩の家の方向に足向けて
寝れないっすね!!」
やや興奮していた。
……というか森に関しては樋口さんの事件が解決する際に
僕と一緒にいたのだが、手紙の内容を見せていないから
ただ樋口さんの好意で予約してくれたとしか
思っていないだろう。
そして肝心の宿だがなんと温泉付きの宿だった。
部屋は僕ら男性陣と女性陣で分かれていた。
「……クソッ、凛子の浴衣が見れない!!
神よ!! どうしてこの様な試練をお与えになるのか!!」
森は悔しそうに畳を叩いていた。
……というか、こいつは懲りないのだろうか?
なんて思っていると、織田が肩を叩いてきた。
「国木田先輩、気持ちは分かりますが
ーー正直、俺も桜の浴衣見たいです……」
「織田、君もか……」
僕は頭を抱えた。
この瞬間、僕は2人が変なことをしないかを
見張る仕事が増えた。


次の日……
宿で朝ごはんを食べた後、僕らは各自行く準備をした。
「いや〜荷物軽くてすみますね〜」
「確かに楽だね」
「でもまさか樋口先輩が宿をもう一泊予約
していたなんて……」
そうなのである。
もともと僕らは京都旅行を2日間で考えていたが
何故か樋口さんはそれを知っていたのだろうか
宿も2日間で予約されていた。
そのため今日の携帯する荷物はかなり軽くて済む。
そして僕らは宿の前に集合した。
「さて、まずどこに行く?」
「俺は伏見稲荷神社行きたいですね」
と織田。
「金閣寺行きたいっす!!」
と森。
「うわっ……方向真逆じゃんか……」
僕は地図を見て、そう思った。
伏見稲荷は京都駅から見て南にあり
金閣寺に至っては京都駅からかなり北側であった。
「じゃあ先輩方、吉晴は借りていきますね〜」
「ち、ちょっと桜!? いきなりどうした?」
「実は吉晴には色々と聞きたい事あるんだ〜
ーー逃げれるなんて思わないでね?」
「お、おい〜桜さん〜?」
「ーー財布の中身が半分以上残って宿に帰って
これるなんて思わないでね?」
「はい……」
織田は何かに観念した様だ。
「なぁ森」
「……先輩、多分俺ら同じ意見だと思います」
僕らはアイコンタクトをした後
「「逃げる!!」」
その場から逃げようとした
が……
ガシッ
僕は七海に、森は凛子さんに腕を掴まれた。
「センパイ〜私も思い出したんですよ〜
ーー話したい事沢山ありましたよ」
「い、いや〜七海、そんなに強く掴まなくても
僕はに、逃げないよ〜」
と僕が言っても力は全然弱くならず逆に強くなった。
「センパイ〜?」
「……はい、行きます」
僕は降参した。
……とりあえず今回の旅行は樋口さんが言っていた通り
胃が痛くなる旅行だろう。
一方の森はというと……
「り、凛子? どうした?」
「結城先輩……そんなに私と一緒に旅行したく
ないんですね……分かりました……そうですよね……」
「待って待ってどうしたらそんな考えにいたるの?」
「……押しかけてすみませんでした」
「ち、ちょっと!? 泣かないで!? 
分かった、分かった!!一緒に金閣寺行こう」
「ほ、本当ですか……?」
「ここで嘘をついても俺に何にもメリットが
無いと思うんだよな……」
「嘘ついたら……ユルシマセ」
「ーー命にかけて守ると約束しよう」
……多分今、森は命の危機を感じたんだろう。
出なきゃあんな真剣な声は出ない。
「とりあえずそれぞれ夜に宿に戻ってくるって
感じでいいよね?」
「賛成です〜!!」
「分かりました〜!!」
「が、頑張ります!!」
「「分かりました……」」
このやけにテンションが低い2人は誰かって分かるよね?

という事で僕らの妙に胃が痛くなりそうな京都旅行が
始まるのであった。





これからそれぞれのカップル視点で話が
進んでいきます。

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コメント

  • A・L・I・C・E

    はぁこれだからリア充は、はぁ…









    いいぞ、もっとやれ。砂糖の(ように甘い)国、【部活の後輩と付き合ってみた共和国】を作るんだ!←何言ってんだ

    3
  • ペンギン

    いつも通り面白いです!いつも楽しみに待っています!これからも、頑張ってください!応援しています!

    4
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